仕事ができる人できない人

著者 :
  • 三笠書房
2.98
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本棚登録 : 483
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837918530

作品紹介・あらすじ

「いい人」は無能の代名詞である!21世紀に生き残る、残れない-その線引きはいったいどこにあるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 1.著者;堀場雅夫氏(1924年生~2015年没)は、堀場製作所(分析・計測機器総合メーカー、東証一部上場)の創業者です。大学在籍時に、起業した学生ベンチャーの草分け的な人物です。分析化学最高賞と言われる、“ピッツコン・ヘリテージ・アウォード”を米人以外で初受賞し、殿堂入りしています。残した書籍も多く、研究者・技術者に必要な資質は「飽くなき探求心と情熱」と語っています。
    2.本書;どの会社にもいるような企業人を約100タイプに分け、“著者の視点”でそれぞれの能力を分析したそうです。その結果を纏めたのが本書です。8章⇒107項目で構成されています。「第1章;こんな性格の人~第8章;こんな価値観の人」になっています。発売部数が100万冊を超えるベストセラーという事です。
    3.個別感想(気に留めた記述を3点に絞り込み、私の感想と共に記述);
    (1)「第1章;こんな性格の人」の中の、“その場ですぐ決断する人”より、「正確、かつ迅速に決断するにはどうすればいいのか。・・・仕事の状況を常にシミュレーションする習慣を身につけることだ」
    ●感想⇒私は、仕事の仕方について、上司から色々な事を教えてもらいました。その中に、「スタッフは経営者の羅針盤。進むべき方向を誤らないように、問題課題を常に考え続けろ」がありました。組織で上に立つ人ほど、受止めるべき教訓でしょう。
    (2)「第4章;こんな習慣がある人」の中の、“なにかあると、すぐ会議を開く人”より、「部長級の会議でわざわざ “うちの担当課長を同席させて下さい” と言うような人間だ。この部長は、会議で決まった事項を誤りなく課長に伝え、的確な指示を与える自信がないのである」
    ●感想⇒こんな低レベルな人間を部長にする会社こそ、企業体質を疑われます。私が勤めていた会社では、こんな事はありませんでした。そうした会議では、部長自身の言葉での説明が求められました。普段から部下の仕事を理解し、部員と本音で会話しているかどうかでしょう。
    (3)「第5章;こんな発言をする人」の中の、“わからないことはなんでも質問する人” より、「“どうしたらいいですか”と、いちいち指示を求めてくる社員、・・・の心理は、能力の欠如、もう一つは責任回避がある。こんな人にいい仕事ができるわけがないし、こんな人ばかり抱えているような会社に、将来はないだろう」
    ●感想⇒仕事で過去に、某大学の先生と話す機会がありました。先生曰く、卒論のテーマについて、自分では何も考えずに、「何を書けばよいでしょうか」と相談に来る学生がいるそうです。先生は持ち帰って、自分で考える事が先だと追い返すのだそうです。自分の頭で試行錯誤して、考え悩む事の大切さを教えたかったのでしょう。私としても、目に鱗でした。
    4.まとめ;「仕事のできる人できない人」の特徴は、時代が変わってもそんなに変わるものではないと思います。私は、仕事の出来と不出来を論ずる前に、人間性が大切と思います。キーワードで言えば、「①合理的思考 ②謙虚・誠実 ③感謝・慈しみ」です。本書は超ベストセラーですが、1つの話が2頁前後(単行本)の主張を107話寄せ集めた物で、内容は常識的な訓話が多いです。従って、企業の研修テキスト等には有効でしょう。それにしても、項目数が多過ぎます。項目を統廃合し、1つの話を充実した方が良いと思います。そして、項目毎の話の論拠、哲学的な想い、逸話等をもっと語るべきです。本書は、社会人の基本的な心構えを知るには良書です。しかし、心に響くものが少なく、重み不足感が残りました。( 以 上 )

  • つい手に取りたくなるストレートすぎるほどのタイトルに舌を巻いた。コラムひとつは2分足らずで読めるので、日ごろ本を読まない人でも無理なく読める1冊だ。比喩も論旨も明確で、気をそらさない話の流れはエッセイやスピーチをまとめる際の参考にもなりそう。
    このタイトルでビジネス書、となれば磐石な経営実績がなければ説得力を持たないが、著者は京大理学部時代に現・堀場製作所の前身を設立。ベンチャービジネスの草分け的存在でもある。「牛後よりも鶏口を目ざす人」「ズケズケものを言う人」「独断で仕事をする人」「ちょっとの成功では満足しない人」と、アグレッシブな人を“できる”人に、「石橋を叩いてわたる人」「敵が少ない人」「その場を丸く収めようとする人」など和を尊び対立を避けるタイプをバッサリと斬るのも過去の経験あってのこと。本書の中に「社員として伸びるかどうかの正念場」である三十代への警鐘が含まれている点も興味深い。体力も希望もあって、個人として最高に脂がのった時期であるはずの三十代に最近活力が見られない、という。その原因を「たえず競争にさらされ、ガムシャラに生き抜いてきた上司を見て、ほかにもっと楽な生き方があるのではないかと思っているあいだに三十代になったのではないか」と分析。「三十代の社員はうかうかしていると後輩に足をさらわれることになる」という著者の予見にギクリとしたら、ぜひ一読をお勧めする。

  • 頭をガツンと殴られるような本。仕事の環境に慣れてくると、自分でも無意識のうちに、手を抜いてしまうことがある。そういう甘えを排除し、初心に戻してくれる言葉のオンパレードで、読後はスカッとしました。この本にもっと早くに出会えたらなぁ。

    以下抜粋 

    社員一人一人が、経営者感覚を持たなければならない。自分に確固たる信念と意見があるなら、主張すべきは堂々と主張し、仕事で結果を出せばいいのだ。権利も同様で、自分の権利すら主張できないような社員に、まともな仕事ができるわけがない。
    ただし、権利ばかり主張して義務が伴わない社員はだめだ。論外である。最悪である。権利を主張するなら、義務も当然履行すべきで、自分に都合の良い事ばかりを享受しようとする人は、単なる身勝手と言うものだ。身勝手な人に、良い仕事ができるわけがない。

  • 日本を代表する企業である堀場製作所の創業者である堀場雅夫氏が自身の仕事観について書いた一冊。

    様々な観点から氏の仕事観が書かれており刺激を受けるとともに非常に勉強になりました。
    自分のこだわりや哲学というものを持ち、流されずに生きることやなんでもチャレンジしてみる姿勢や常に前に出る気持ちなどが本書を読んで大切であると感じました。
    また、同社がアイデアを大切にしていることや発売した製品の裏話も書かれており同社が現在の地位まで発展したきっかけなども知ることができました。
    ほかに自社が執筆当時に抱える課題も知ることができました。
    会議や昼食などの時間の使い方については改めなければならないと感じました。

    本書の中で会社紹介のパンフレットがユニークな発想でできていることや自分の集中できる時間帯を把握することは非常に印象に残りました。

    当然とも言えることも多く書かれていましたが、経営者の視点で書かれていることもあり新たな視点を加えることもできました。
    これからの社会を生きていくうえで本書に書かれていることを胸に秘めながらやっていきたいと感じ、身の引き締まる思いがした一冊でした。

  • 叔父から古書を大量にもらった。中からこの1冊。今年3冊目。2000年出版の本。しかし中身に古さはない。後述する1点を除いては。常々、我々公務員も結果を残さなければならない時代であると思っていて、そういう点ではこのようなビジネス本を読むのも大変有意義である。民間に2年いて公務員になったけど、デキる営業マンはデキる公務員にも通ずる。公務員で通用しない人間は、民間企業では絶対に通用しない。最後に古さを感じた点を。先日も某商社の社長が「イクメンと弁当男子は出世しない」という論で議論を呼んだが、この方も「子どもが熱を出して休むような人間には、責任のある仕事は任せられない」と断言していた。ここの会社の今がどうか知らないけど、そんな風潮でないことを祈る。

  • ・上司の心を読むとは、自分が命じられた仕事の期待値が50%なのか、100%なのか、120%なのか、というマーケットリサーチのことを言うのだ。

    ・熱中する対象がコロコロ変わる人間は、飽きっぽいと言われるが、私はそれでいいと思う。コロコロ変わろうとどうしようと、一つのことに熱中できるということ自体がすばらしいのだ。熱中できる人間は、天職に巡りあったときにすばらしい力を発揮する。

  • とても読みやすかった。経営者目線での「できる人・できない人」の特徴が書かれており、少し時代錯誤な価値観もあるが、比較的コロナ禍の現代にも通じるものがたくさんあった。普遍的・実践的なことが多いので、自分の振り返りにも良い本。
    会食で経営者や目上の方からお話を聞くのが好きな人にはオススメかもしれない。

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  • 古本屋で購入。トイレで少しずつ読んだ。(ごめんなさい。堀場さん)現場からのたたき上げで堀場製作所の会長にまでなった著者の言葉には説得力がある。

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