「孫子の兵法」がわかる本

著者 :
  • 三笠書房
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本棚登録 : 199
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837921011

作品紹介・あらすじ

『三国志』の英雄、曹操・諸葛孔明、「風林火山」の武田信玄、そして、皇帝ナポレオン-百戦錬磨の名将たちが座右の書とした『孫子』とは?現代にも通じる深い人間心理の洞察と勝ち残りの戦略。そのエッセンスを説く「孫子の兵法」入門。

感想・レビュー・書評

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  • この本を読んで、この著者を好きになった。
    「100回戦って勝つ……それは最善ではない。戦わずに勝つことこそ最善だ」など、人生や恋愛、ビジネス、法、社会活動、IT、あらゆることに通用する《世界最高の人生戦略の書》を、わかりやすく上手な文章で解説している。それぞれの兵法の説明を三国志などから失敗談や逸話を取り上げて解説しているため、本当におもしろい!孫子の兵法を学ぶ本の中では最高峰である。座右の書にしている。

  • 日本人が孫子の兵法から特に学ぶべきところは撤退戦略であると感じる。
    なぜなら古来より日本はいわゆる当たって砕けろの精神でたとえ不利な戦いであっても正面からぶつかりに行くことが美徳とされてきた。もちろんその強靱な精神力で猛威を振ることもあったであろう。しかし、そういった精神力のみで常に戦争に勝利できるわけではなく、仮に勝利を収めたとしても具体的な策がなければ大きな傷跡が残り、別の勢力からの漁夫の利を狙われる危険性が高くなると言える。
    以上のことから日本は撤退戦略について深く学ぶべきであると思う。

  • 孫子の兵法を昔の実例と現代の事例を交えて解説してあり、とてもわかりやすかった。面白いと思ったのは、中国人的発想と日本人的発想の違いが生まれた背景の考察。中国はなんといっても広いから逃げ切れるが、日本は箱庭の国だから逃げ切れない。だからどうしても日本人は玉砕の道を選んでしまいがちになる。なるほど。

  • P95
    大軍団を小部隊のように一体となって戦わせるためには、しっかりと命令系統を確立していなければならない。

    →約束の時間に遅れた重臣を軍法にのっとり斬罪に処した。組織が巨大になればなるほど命令系統をあいまいにしないことは重要なこと。

    ※孫子の兵法で言われていることは、勝ち負けに関わること全般に当てはまる。本書では毛沢東を智将扱いしていたが、どうだろう。
    戦争でいかに勝つか、というのは「人道的」「倫理的」なことから離れて考えなければいけないので、「どうしても戦争せざるを得なくなり、勝たなければいけない状況」でこの本を役立てなければいけないのか・・・

  • 著者は中国文学の第一人者と。ビジネス誌への掲載も多い。
    多くの名将達が愛読し活用してきた兵法書の古典「孫子」は、戦いの場面だけでなく、経営戦略や人間社会を生きる指針としても役立つと説く。
    現代にも通じそうな、孫子の記述をピックアップし解説。個人的に面白いと感じたところは著者が現代の我々の性質と対比しているところ。例えば失敗の原因として1.調査不足、2.希望的観測、3.思い込みを上げているが、これは**% がふさOKならばGOという、現代のスピード重視とも相反する部分でもある。
    また「迂直の計」の項目。この方法はあえて遠回りして相手を油断させて実を取る兵法だが、行き詰まったときに直線的な強行突破をしがちな行動パターンに警鐘を唱える。
    良書です。

  • 三国志で知られるもっぱら力で戦う勇戦敢闘型の武将「呂蒙」を心配した孫権が、「孫子」以下の兵法書、「戦国策」以下の歴史書の本を読むようにすすめたところ、学者顔負けの勉強で本に親しみ、頭(智略)で戦う武将へとみごとな変身をとげた、というように歴史を紐ときながら、わかりやすく孫子を説いている。

  • 「孫子」とは、今から2500年前に、呉の孫武という将軍によってまとめられた世界最古の兵法書。「戦わずして勝つ」「勝算なきは戦わず」というふたつの前提に立ち、弱をもって強に勝つための原理/原則や、戦略/戦術について説く。「水の在り方」を理想とするその内容は、情報を集めて戦局を正しく把握し続ける→なるべく敵の戦力を分散させる(反対にこちらは集中する)ための諸作戦を実行する→機を見て兵力に応じた戦い(包囲/攻撃/分断/勇戦/退去/不戦)を仕掛ける→常に情況に対応して変化し続ける、と展開される。この古典が今も色あせずに読まれ続けるのは、人間心理の洞察に基づいて書かれているからであり、それは人間心理が昔も今も変わらない証ではないかと感じた。

  • 事業経営において、特に日本企業は投資やら雇用の問題で引くに引けないことが多いのでは?

    …という課題認識の下、本当は撤退戦略について、参考になることがないか期待していたのだが、それは読み取れませんでした。

    良いことはたくさん書いてあるのだけれど、それを日常生活でどう生かすかが今の自分には見えません。
    他の人はどんな風に生かしているんだろう???

    『孫子の兵法』の入門書としてはわかりやすくてよいと思います。

  • 世の中きな臭くなってきたので読む。

    2000年前の人間の書いた内容が今でも通じるのを見るにつけ、人間って変わんなぁと思う。

    こういう原理原則は使えるかどうかは別として(自分の場合、使いこなす能力が・・)、知っておかないと仕掛けられた時に負ける。

    2000年前に「孫氏」が書けるほど歴史の蓄積があった国にここ100年の間でちょっと勝ってたからといって侮ってたら負けるよ。

  • 読みやすくわかりやすいけど、解説が少しひっかかる。三国志を読み漁った中学生のころにこの本を読んでいたら、感銘の受け具合が違ったかな?

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著者プロフィール

著述業、中国文学者

「2022年 『世界のビジネスエリートが身につける教養 論語と孫子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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