ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

  • 三笠書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837956662

感想・レビュー・書評

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  • 自分が左脳タイプ・右脳タイプどちらかを理解して、自分と違うタイプの人を見つけて対話をすることによってアイデアを高めていく。
    物語というのは人間の思考が生み出した、理解するための基本的道具。物語のない人間社会など一つも存在しなかった。
    現代はうんざりするほど選択肢や刺激があふれているので、物事の全体像をとらえる力、本当に重要なことを見極める力が個人の幸福を追求する上で決定的な強みとなる。この調和の能力を理解し、高めるための最良の方法は、絵の描き方を学ぶこと。
    絵を描くことは、おもに関連性をみること。
    多くの場合、見たものを描いていなくて、子供の頃から記憶している象徴的イメージを描いてしまう。
    絵を描き始める前にその絵をさかさまにする。そうなると何を描いているか分からなくなるので、左脳をあざむき、右脳のための道筋をはっきりさせられる。そうすれば頭は物事の関連性を自由にとらえ、それらを全体像に統合することができる。
    成功する可能性が大きい人の3タイプ:境界を超えられる人、発明できる人、比喩を作れる人
    パターン認識の重要性
    偉大な人は中性的。精神面が中性的だと事実上のレパートリーが倍になるので、より豊かな視点で世間の人々と交流でき、多様なチャンスを手に入れることができる。
    雑誌売り場は勉強の場。調和力のエクササイズになる。これまで気にもとめなかった雑誌を買う。
    素人の強みを活かす:間違えると分かっていても、自由に動き、心が語りかける声を聞き、学び、行動する。
    大頬骨筋は本人の意志に従うが、眼窩筋はこころが楽しい感情で満たされた時のみ動く。本当の喜びを表す笑顔を意識的には作れない。つまり見せかけの共感を示すことはできない。
    本能を信じて。釣り竿を握った時に魚がかかったかどうか分かるそのフィーリング。
    インドのバンガロールにいる放射線技師でもX線写真は読める。でも光ファイバーでは共感ー体に触れ、つきそい、慰めを与えることーを伝えることはできない。
    仕事と遊びの組み合わせ。何事も楽しんでやらなければ、まず成功しない。遊びと仕事の一体化。遊びの逆は仕事ではない。抑うつだ。遊びとは、自分の見通しが確実であると信じているかのように行動で表現し、意志を強く持ち、それに打ち込むことである。
    物質主義的価値観から意味的価値観への移行。生きがいが最も中心的な側面となった。精神性をまじめに考えること、幸福について真剣に考えること。
    科学と仏教はとてもよく似ている。どちらもリアリティの本質を探ろうとし、人類の苦しみを軽減することを目標としているから。
    働く理由の第一は物質的利益にあったが、近いうちに仕事の結果を楽しむことに取って代わられる。意義の追求。自分の最も得意とする事を知り、それを自分よりも大きな何かのために活かすこと。
    20-10テスト:自分の銀行口座に20億円以上あって、あと10年も生きられないとしたら、今やってることをやり続けるだろうかと自問する。

  • 左脳主導型能力を図るのが、大学受験。事務処理能力を図る場所
    右脳はメタファーを司る⇦俺がメタファーに強いのもそれが理由かもしれない。

    ハイタッチとハイコンセプト。これをできる人の価値が上がるのだ

    物語で伝える。物語として把握する。
    システム思考。これをできると素晴らしい。

  • ガチガチにロジカルな仕事を志していたけれど、なんか違うなと思っていた時に読んでパラダイムがシフトした

  • 上に行くためには、以下を避ける。
    よその国、特に途上国にできること
    コンピュータやロボットにできること
    反復性のあること

    今の仕事をこのまま続けていいか、のチェックポイント
    ・他の国なら、これをもっと安くやれるだろうか
    ・コンピュータなら、これをもっとうまく、やれるだろうか
    ・自分が提供しているものは、この豊かな時代の中でも需要があるだろうか

    この先生きのこるために、ハイコンセプト、ハイタッチを身につけなさいってことで、それを身につけるための6つのセンスの話になって、その具体的な内容と、磨き方のHOWまで語ってくれる。
    ただ、このHOWがひたすら英語ソースばっかりなので、やる気を削がれた。。
    それから、デザインとか、調和とか、共感とか、あんまり出来そうになく、ひたすらに落ち込んだ。凡人には意識高く生きることは出来ないのだよ、、、

    --

    ハイコンセプトとは
    芸術的・感情的な美を創造する能力
    パターンやチャンスを見出す能力
    相手を満足させる話ができる能力
    見たところ関連性のないアイデアを組み合わせて斬新な新しいものを生み出す能力

    ハイタッチとは
    他人と共感する能力
    人間関係の機微を感じとれる能力
    自分自身の中に喜びを見出し、他人にもその手助けをしてやれる能力
    ありふれた日常生活の向こうに目的と意義を追求できる能力

    ハイコンセプト、ハイタッチな感性を身につけるための六つのセンス
    デザイン
    物語
    調和
    共感
    遊び
    生きがい

  • 読了

  • 今後の変化を見据えて考えなければならないアイデアのヒントが伝えられている。
    ①この仕事は、他の国ならもっと安くやれるだろうか?
    ②この仕事は、コンピュータならもっと速くやれるだろうか?
    ③自分が提供しているものは、豊かな時代の非物質的で超越した欲望を満足させられるだろうか。
    この3つの質問は成功者と脱落者とを分けるしひょうとし、全体思考と共感の重要性を説いた。
    2006年に日本で発売されているが、当時読んだら私はこのアイデアを理解できなかっただろうと思う。

  • 10年前に出版された中途半端に古い本。
    冒頭、「これからはカンニングOKの社会」という言葉にハッとさせられた。たしかに現代はそうなっているかも!そして、おそらく「カンニングOK」には絶対に変えられないであろう、日本の教育現場に絶望を感じる。少なくとも、10年たってもまだ「カンニングOK」ではない。

    内容は「これからはデザインの時代だ」「デザインで他社と差別化する」「デザイナーの価値は高くなる一方」的なデザイナーには耳さわりが良い言葉が事例とともに書かれている。で、2017年のいま、読んでみて「ああ、過ぎてしまった時代のことだな。」という印象。
    おそらくこの本が出版された時に触発されて、ここに書かれているような「問題解決型のデザイナー」になった人たちは、格差社会の上の方でバリバリ仕事をしてきたのだろう。本当の「問題を解決するためのデザイン」じゃなくて、見た目とか小手先の「デザインという名前の過剰装飾や小変更」を繰り返してきた「デザイナー」も大勢いたであろう。こういった人達が作った「デザイン」の時代は終わりを迎えている。時代は変わって、人生に必要な「もの」はそれほど多くない。「もの」より体験。といわれる現代。「デザイン」で差別化は難しい気がする。これからのデザイナーはどうあるべきか、考えるためにはちょうどよい内容だった。

  • 読書会に参加するために購入し、読破。書いてある内容はいたってシンプルで当たり前のことだから、非常に内容が入ってきやすい。
    でもこれを2005年に出版してるということ自体が凄いことなんだろーなー。

  • 大きな時代の流れの中で、今起こっている変化はどういったものなのか?
    大きな変化?小さな変化?チャンス?リスク?

    世の中の何かが変わっていこうとしていて、自分が次第に取り残されていきつつあるという気はしている。
    自分自身の目の前のこと、自分のこと、趣味のこと、仕事のこと、日々のこと、家族のこと、友人のこと、それだけでも十分に楽しめる日々を送っているからだろう。ゆえに危機感は薄い。そして60歳になった時、時代遅れの人なりに、最期まで乗り切れるんじゃないかという気がしている。
    日本。島国であり、独自の文化、言語を持つ。日本人であることが、日本でビジネスができる一番の強みでもある。私が60歳になったとき日本の人口はどれだけのものなんだろう。ふとGoogleで検索をしてみる。1億人はいるようだ。マーケットサイズは問題無し。仕事はあるだろうか?確かにこの点リスクはある。今や街中で働く海外の人を見ない日はない。また海外への外注もそれなりには進んでいる。ただ彼らができる仕事と、私がやりたい仕事の領域は重なってはいない気がする。その点、自分自身の仕事スキルさえある程度磨いておけば十分対応もできるのではないだろうか?この点について英語という成果中のだれもが使える言語を利用している先進諸国と比べると、日本語という独自の言語が守ってくれている気がする。

    と、なまぬるい気持ちを持っていたりもする。日本人でよかったーとも思ったりする。それだけで十分に優位性が働く小さな井戸があるからだ。そしてその井戸はそんなに悪くない。井戸をでて、インターナショナルな環境で仕事を持ち生活していくことはエキサイティングであり、過酷だ。本当に食うか食われるかの世界だろう。

    そのときはじめて、このハイコンセプトのコンテンツの価値は輝きを増し、危機感を持ち、この6つのセンスを懸命に磨きながら日々を戦っていくことになるのだろう。本を読む心構えが、日本人の自分と、著書が爆発的に売れたアメリカ人で違うという点についてここまで長々と綴ってきた。そういったずれのような違和感を少しだけ持ちながら読んだということだろう。
    ただ内容自体は面白い。6つのセンスが活かされた商品やサービスの成功事例をいくつか思いつくことができるし、そういったスキルがある人の顔を思いつくことができる。これについて、もっと学んでよりよく生きてみたいという知的好奇心の動きだしには効く。ではそのスキルをどう学ぶかについては紹介される本、WEBサイト、ワークショップなどへということになる。少しだけでもヒントをくれたら助かるのにね。それでも面白そうなので1ヶ月1スキルくらいでしっかりと学んで意識して挑戦してみようかなとも思っている。

    以下は6つのスキルについてのメモ(Ponintと自分として何ができるかについて)

    ”デザイン”
    実用性に加えての有意性という価値観を認め、生み出す、受け入れる。
    いいものをたくさん感じる機会を設け、有意性を知る。

    “物語”
    論理だけではない。物語で人を納得させる。
    >よい物語を読む。よい物語を聞く。
    >物語の構成を知る。
    >コピーの可能性についても考えてみる。
    >日々物語る。
    >ミニミニ短編小説を書く。

    30days
    ・物語の文章構成についての読書
    ・コピーについての読書
    ・よい文書についての読書
    ・いい小説を読んでみる
    ・ミニミニ短編小説


    “調和”
    交響曲を聴いてみる
    絵を書く
    いい例え話をまとめる

    30days
    ・脳の右側で書いてみる
    ・モーツァルトを学ぶ


    “共感”
    人の心を知る努力をする
    表情を読む
    話を聞く

    30days
    ・人の表情を読み取れるかについて読書
    ・マインドリーディングについて読書
    ・EQをテストする。



    “遊び心"
    笑い、快活さ、ユーモアを学ぶ
    出来事をまとめる

    30days
    ・ユーモア。笑いについて。読書
    ・1日1回は面白いことを考えてアウトプットする。

    “生きがい”
    生きがいの本を読書(夜と霧、ダライ・ラマの本)


    備忘録
    ハイコンセプト>パターンやチャンスを見出す能力。芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力。人を納得させる話をできる能力。ばらばらの概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力
    ハイタッチ>他人と共感する能力。人間関係の機敏を感じ取る能力、自らに喜びを見出し、また他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、ごく日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力など。

  • 部分的に冗長だったり何が言いたいかわかりにくい部分があったりするが、基本的には「昨今のビジネスの現場で重要だと言われていること」が網羅的に、しかも端的にまとめられている一冊と考えておけば間違いない。情報化社会の次に来る社会……すなわち、すべてのルーティンワークがコンピュータと発展途上国の安価な労働力に奪われてしまう未来において、それでも「金を稼ぎ続けられる人」の条件と、そのために必要な能力を大きく6つに分類して紹介している。今後も仕事を続けようと思うのであれば、一度は読んでおいて損はない。

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著者プロフィール

Daniel H. Pink
1964年生まれ。米国ノースウエスタン大学卒業後、イェール大学ロースクールで法学博士号取得。米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライターなどを務める。フリーエージェント宣言後、経済変革やビジネス戦略についての講義を行うかたわら、「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿。著書に、『ハイ・コンセプト』(三笠書房)、『モチベーション3.0』『人を動かす、新たな3原則』(ともに講談社)など。

「2018年 『When 完璧なタイミングを科学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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