運が味方につく人つかない人: 幸田露伴『努力論』を読む (知的生きかた文庫 わ 1-20)
- 三笠書房 (2001年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784837971979
感想・レビュー・書評
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人間が努力することは厳密にいうと人間としては不純なこと。
他人に福を分け与えたければ、他人にも自分に福を与えたいと思ってくれるし、たとえ与えることができなくても、ひそかに福の来訪を祈ってくれる。
努力というのは意志と感情とが相反している場合でも、意識の火を燃え絶たせて感情の水に負けないようにし、そうして熱してやまないことをいう。
人間の力には限りがあり、学問の海は無限である。すべての学科に対して深く到達することは不可能だ。
井戸は深く掘らなければ、水は得られず、学問も深く納めなければ役に立たない。学問は偏狭になってはいけないが、広く浅くになってしまうのも困る。
血を整えて気を助け、気を練って心を助け、心を澄まして精神を助けよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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努力を歓迎しない人たちもいる。それは眠りに就こうとしている人間と、死を迎えようとしている人間である。21
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「なぜ家康でないのか」と尋ねられたのに対して、氏郷は「家康のように人に物をくれ惜しむ者に何ができようぞ」と一笑に付したという。52
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自覚すると病はたちまち勢いづく。
また病気にかかっていなくても、それを自覚すれば病気になってしまう。194
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張る気にかぎらず気というものはすべて一時性であって、持続性のあるものは少ない。196
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自己を新たにしようとするものは、昨日の自己に媚びてはならない。去年の自己は今年の敵であるというぐらいに考えを切り替えることだ。267
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幸田露伴「努力」論から
幸運を引き寄せる具体策