40歳からのワーク・シフト: これから「始めること」「続けること」「やめること」 (知的生きかた文庫 ふ 28-3)

著者 :
  • 三笠書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837982999

作品紹介・あらすじ

40歳からは、「できる人」の条件が大きく変わる!

◎なぜ、30代の延長線上では通用しないのか?
◎「自分でやる」から「人を動かす」働き方へ
◎上からも下からも「利用価値の高い」人材になれ
◎「能力」はあっても、「信用」がない人はもう伸びない
◎40代の武器となる「人とコラボレーションする力」
◎これからは、「教養」を通してしか築けない人脈がある
◎40代は、「根回し」をうまくやれ
◎常に、いまよりひとつ上のポジションを意識しておく
◎「たし算」ではなく「かけ算」で人脈を増やせ
◎この10年で、お金のリテラシーを高めておく
……

あなたの働き方を“進化”させ、さらなる飛躍をめざす40の具体策

感想・レビュー・書評

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  • <b>【一口感想】</b>

     「最前線での活躍を諦め部下を押し上げることが自分と自分の仕事の未来を開く唯一のカギだ」

    <b>【3行要約】</b>

     ・40代からのできる人の条件は、人を動かせる、うまく利用される、成長できる仕組みを作れる、信用を持たれと根回しが上手であること。
     ・これ以上のスキルアップは要らない(維持は必要)むしろ学ぶべきは教養とコラボレーションのための「つきあい力」
     ・今の自分は5年前に決まっている。いまやらなければより良い50代は迎えられない。

    <b>【所感】</b>

    「週末起業」でお馴染みの藤井孝一さんが自らの半生を振り返ってかかれた、40代ビジネスマンの指南書。
    「知的生きかた文庫」シリーズなので安いという点も見逃せない。

    最近自分が読み込んでいる「任せる」関連書籍のひとつ。この本もなかなか良かった。

    どの「任せる」本も、だいたい同じことを伝えているのだが、この本も同じことを伝えていた。結局、仕事の最前線で活躍を続けていると自分が疲弊するばかりか、所属する組織が育っていかない。また組織において自分に求められるもの、正確には「できる人」の条件が変わってくる。逆にいうと、自分の評価が「技術力」や「バリバリ働ける体力」ではなく、どうやって組織の人間を育て、その人間で仕事をうまくこなせるかに変わってくる。

    まさにいま私はこの転換期に居ると自覚しているが、「背中を見せて」引っ張っていくやり方はやはり30代までで、それはチームリーダーというポジションレベルであり、これを部署やプロジェクトという大きな単位を預けられる40代として「活きて」いくためには、ぜんぶを背負って走るわけにはいかないので、部下の背中を押し、自分で走れるような心と技術と人脈を作ってあげる必要がある。

    この本には、具体的な手法というよりは「40代リーダーの心構え」が書かれている。

    特に「これ以上のスキルアップは必要ない」には衝撃を受けた。
    これまで必死に勉強を続けてきた人にとっては、すでに強みをある程度持っているのだから、まずそれを棚卸ししながらアウトプットし、細分化した後、「再構築」する必要があるとのことだ。
    逆にいえば、「自分しかできないことが何か?」を見つけ出し、それをウリにしてビジネスを作っていく。体力維持以外のがむしゃらなスキルアップはせず、逆に自分の持てる力を最大限引き出すための知識習得にとどめ、いま持っている力を組み合わせたオリジナルなものアウトプットしていくことに力を注ぐべきだというものだ。

    私のウリは何なのか、私自身はなんとなく分かっている。

    これは真剣に転職を考えた時に、自分の将来を見据えるために立ち止まったから見えたことで、忙しさにかまけてこの行為を怠っていたらきっと気付かなかったし、もしかしたら何も考えずに業界を飛び出し、後で後悔していたかもしれない。

    棚卸し、細分化し、見つけ出す。

    忙しい世代だからこそ、立ち止まる勇気を持つことが最も必要なことなのかもしれない。


    <b>【引用と気づき】</b>

    目次に沿って引用をピックアップしていく。

    [more]

    <u><b>シフト1 考え方と行動―40歳からは、「できる人」の条件が変わる
    </b></u>

    P22. 会社というのは「忙しい忙しい」で40年経ってしまう不思議なところだ。会社の言うとおりにやっていると、なぜか忙しい。

    P23. 直接ビジネスには繋がらなくても、何かしらに特化した知識やスキルを持っている人は強い

    P.28 自分をトップから引きずり下ろす部下を、自分で育てなければならない

    P.29 ダンパー数=ロビン・ダンパー教授(オックスフォード大学/人類学者)
       1人の人間が安定した人間関係を結んでいるといえる相手は、およそ150人前後が限界

    P.33 人脈の鮮度を保つには「頻繁に会う」のが最もシンプルかつ効果的な方法
       名刺交換して150人に入り、会う頻度を上げて50人、15人と順位をあげる

    P.34 40代は「利用価値のある人間にならなければならない。
       人脈は(自分を)「利用してくれる人探し」


    <u><b>シフト2 環境と人間環境―40代は、「足し算」ではなく「かけ算」で仕事せよ</b></u>

    P.65 人は年齢とともに付き合う人は減っていく。いま増やしておかないと定年する頃にはゼロに近くなっている。

    P.66 脳は新しい情報をストレスとして捉えるので変化を避けようとする。

    P.67 変化に強い柔軟な脳をキープするためにも、新しい人と出会うのはメリットが大きい


    <u><b>シフト3 教養と人間力―次の「上のポジション」に行ける人、行けない人</b></u>

    P.124 部下に仕事を任せているつもりでも、途中で取り上げてしまったら意味がない

    P.126 毎日10回ありがとうという」をノルマ化していた

    P.127 文字にして見える化しないと、なかなか感謝の気持ちはつたわらない

    P.133 40歳からは意識して教養を身につける時間をつくるべき
        40歳にもなって車やファッションの程度の知識しかないと、知性が低いとみなされ人間関係が広がっていかない

    P.134 英語は通訳がいればカバーできるが、教養はカバーできない

    P.136 40代の教養は、広く浅く横に広げることが最も大切
        引退して時間ができたら、では遅過ぎる。
        いま興味があることは、いま学ぶのが一番。

    P.137 40代になり責任や権限が大きくなると、会社、業界全体、世界のこともかんがえなければならなくなる。その時に必要なのが「教養」


    <u><b>シフト4 習慣とライフスタイル―組織の“悪しき習慣”に染まらないために</b></u>

    P.155 「40代は、いったん立ち止まって思考をめぐらせる時間を持つべきだ」

    P.156 強制的にスイッチを切って、思考する時間を持つべき。
        進むばかりでなく、流されるばかりでなく、立ち止まる時間も必要

    P.162 「やらないこと」を決めて余力を残し、「やりたいこと」に力を注ぐ。

    P.164 早い段階で自分の肩書きや地位を捨てる体験をしておく

    P.165 一から新しいことを独学ではなく誰かから教わると、「普通の人」としてのバランス感覚がつく

    P.166 新しいことにチャレンジすると脳が活性化する。
        組織の悪しき習慣に染まらず、脱組織人間になるめに少しずつシフトしていく

    P.172 体力が気力を支え、気力が能力支える。    
        40代に入ったら、食生活、運動、睡眠に気をつけるのは基本

    P.183 会社は体を壊したらリストラの対象にする。一生面倒は見てくれない

    P.184 最初はノルマでもなんでもいいから、家族との時間を意識して増やす
       周りの人の家族の話を聞くといい刺激になる。

    P.192 近くに手本になる人間がいなければ、魅力的な50代60代を探して、話を聞きに行くのが一番
        

    <u><b>シフト5 目標と人生設計―貯金、投資、起業…これだけは知っておく</b></u>

    P.224 2014年6月、金融経済教育推進会議は「金融リテラシー・マップ」を作った
        世代別に身につけるべき金融の知識や情報を提案

  • 40歳からのワーク・シフト: これから「始めること」「続けること」「やめること」
    著:藤井 孝一  2014/10/22

    40代に入ると「仕事の質」が明らかに変わる。「求められること」が一変する。これからは、30代の延長線上では通用しなくなる。だから「ワーク・シフト」が必要である。自分の仕事のやり方、働き方を、シフト・チェンジしていかなければいけない。

    仕事のやり方、働き方を「変化」させるというより、むしろ「進化」させるための方法を考えるのが目的である。

    本書の構成は以下の5章から成っている。
    ①考え方と行動
    ②環境と人間関係
    ③教養と人間力
    ④習慣とライフスタイル
    ⑤目標と人生設計

    今年で自分自身も40代へと突入する。顕著に本書で取り上げられている30代と40代では求められるものが違うということが痛いほどよくわかってきた。

    「世の中の役に立つ」という視点を忘れない。成長→貢献→感謝→成長というサイクルで生きると紹介されており、これが本書のすべてであるように思う。

    時代が変わり、多くが変わる。
    その中でも一番変わることが求められるのは自分自身。どう変えるべきかは自分軸ではなく他者を意識して考え修正しながら行動していきたい。

  • 2018年135冊目。満足度★★★☆☆

  • 脅かしてる。40代はとにかく大変。仕事もプライベートもやばいことがのしかかってくる、との主張。40代になったらハウツー本を読むのをやめて選んで読書すべし、ってこの本に書いちゃったよ。って思わずツッコむ。

  • まぁいつまでも単独プレイヤーでいるわけにはいかない。頼まれる人になれ。人脈をつくれ。ごもっとも。

  • 生活と仕事とのバランスを保ちながらも、仕事では30歳までとは異なり、経験を活かし、新たな価値を創造することが求められる40代。まさに働き盛りの10年というところでしょう。50代を目前にして、再度振り返ってみる。50代になっても、40代のような気持ちで生きていけたら。

  • 40歳を機に次のことを変えようと思いました。

    ・働き方は、自分でやる→人を動かす
    ・余計なスキルアップはもう不要
    ・読書はノウハウ本を卒業
    ・人と合う機会を増やす
    ・人と比べない生き方、肩書き/地位を捨てる
    ・60歳に独立するつもりで働く

  • 週末起業や書評メルマガで有名な藤井孝一氏の文庫本。
    なかなか読めませんでしたが、やっとまとめることができました。
    仕事人生において40代は確かに転機になる年代。その年代を有意義に過ごすためにも、本書の教えを思い出したいものです。


    ▼自分の知識やスキルは、まわりから利用される
    ・人脈には鮮度がある
    ・人脈の鮮度を保つには、「頻繁に会う」のが最もシンプルかつ有効な方法
    ・ダンバー数
     -人間のネットワーク:最も親しい3~5人を皮切りに、15人→50人→150人と3の倍数で広がり、数が増えるにつれ親密度が薄くなる
    ・人脈は「利用してくれる人材探し」
    ▼自分が得意な分野はなにかをもっと細分化して考えることが大切
    ▼40代の教養んは、興味のある分野を掘り下げるのも大切だが、浅く広く横に広げることはもっと大切
    ▼どこかで強制的にスイッチを切って、思考する時間を持つべき。流されるばかりでなく、立ち止まる時間も必要
    ▼「弟子をとれ。一人だと自分に甘くなる。しかし、弟子がいると、さぼれんようになる。」


    <この本から得られた気づきとアクション>
    ・40歳特有の位置づけを自分なりに咀嚼し、行動すること

    <目次>
    シフト1 考え方と行動―40歳からは、「できる人」の条件が変わる
    シフト2 環境と人間環境―40代は、「足し算」ではなく「かけ算」で仕事せよ
    シフト3 教養と人間力―次の「上のポジション」に行ける人、行けない人
    シフト4 習慣とライフスタイル―組織の“悪しき習慣”に染まらないために
    シフト5 目標と人生設計―貯金、投資、起業…これだけは知っておく

  • ・ワークシフトと聞くと、転職や起業というドラスティックな変化をイメージする人もいるでしょう。それもひとつの理想的なワークシフトではありますが、今の職場にいながら、いまの環境にありながら、さらなる成長・飛躍を遂げるためのワークシフトを考えるのが基本スタンス。つまり、仕事のやり方、働き方を「変化」させるというより、うしろ「進化」させるための方法を考えるのが目的。

    ・インプットからアウトプットへ 仕事の発想を変えていく
    30代前半から40代前半までの10年間は自分が関わっている仕事について日本一、いや世界一になるつもりで勉強すべきだ。by丹羽宇一郎氏
    40代ではインプットではなくアウトプットすることに

    ・仕事の発想をシフトしていくべきです。いま、自分のなかにある「財産」を見つめ直し、それを仕分けして、運用する方法を考える。40歳からのワークシフトはここからスタート。

    ・本来のギブ&テイクとは、なにかを与えて代わりになにかをもらう、なにかをもらう代わりになにかを与える、という「対等な関係」を意味します。しかし本書では、これからの時代は見返りにかかわらずギブのできる「ギバー(惜しみなく与える人)」が、結果的に一番成功する、という「ギブ&テイク」の新しい理想像を提唱していく。

    ・40代からは「ペイフォワードの精神」で恩をまわりに送るべき。上司には返せない恩を、自分の部下に送る。つまり、「恩返し」ではなく、「恩送り」です。それで世の中は回っていると思うのです。

    ・出世は必ずしも人生を幸せにするとは限らない。成功したギバー、これから成功するギバーは、自己犠牲にならず、他者思考になれる人だ。他者思考になるとは、自分の信じたものに全力でギブすることを意味します。受け取るものより多くを与えてもけっして自分の利益は見失わず、自分を犠牲にしてまでは与えないバランス感覚のある人間が最終的に生き残れるのだ、ということでしょう。

    ・実直で誠実なのは日本人のメンタリティでもあるが、それだけで評価してもらえるほど世の中は甘くないのが現実。プラスアルファの能力や強みがないと評価をしてもらえない。組織の中で評価される仕事と、起業して評価される仕事は違う。

    ・40歳からの読書術。なにをどう読むか。ビジネス書でも、すぐに役立たない本こそ、40代にはじわじわと効いてくる。

    ・40代はどこかで強制的にスイッチを切って、思考する時間を持つべきなのです。進むばかりでなく、流されるばかりでなく、立ち止まる時間も必要ではないでしょうか。

    ・40代は「時間」というものに対して、もっとシビアにならなければいけない。人生の優先順位をきちんと決めて、時間を配分すべき。そうでないと本当にあっという間に月日は流れ去ってしまうものです。

    ・40代は全力で仕事をしなくても「そこそこの力」でなんとかこなせるようになってきます。余力を残せること自体に問題はありません。しかしそれが「マンネリ」になると、やっかいになります。仕事がつまらなくなり、惰性でこなすだけの毎日になります。飽きることもあるし、嫌になることも、仕事を辞めたくなることさえあるでしょう。マンネリ化するのは、仕事に没頭・集中していないからかもしれません。とにかく目の前の仕事に「五感」のすべてを集中して全力で取り組む。そうすればマンネリに陥るのを防げるはずです。

    ・アドラー心理学によると、人が変われないのは自分が変わらないと決断してしまっているからだ、といいます。変わりたいと思っていても変われないんだと悩んでいる人が多いと思いますが、アドラー心理学によると、このままでいるほうがラクであり安心だから、自分で変わらないことを選んでいるのだというのです。どんな過去であっても、過酷な環境で暮らしていても、自分が変わろうと勇気を出しさえすれば、人は変われるのです。

    ・40代にふさわしいお金の使い方というものがある。お金の使い方が下手な人は、安いものを、なんとなく、いっぱい買っているものです。本当に必要なモノにはお金をかけて、そうでないものはなるべく買わないか、安くすませる。それが40歳からのお金の使い方で意識しておくべきことではないでしょうか。

    ・「人を育てる」という意識でお金を使う。40代はお金の面でも人の役に立てる年齢。たとえば部下を集めて勉強会を開き、その経費を自分がすべて持つのも、人の役に立つお金の使い方。

    ・生きていることの意味は「進化すること」。その進化していくプロセスで、世の中の役に立つのが理想的な生き方。人の役に立ち、感謝されるとさらに自分が成長する。「成長→貢献→感謝→成長」というサイクルが回り続けていけば、いくつになっても人は進化できる。このサイクルを回していく過程で、時にお金も必要になるでしょう。お金は上手に使えば、必ず何倍にもなって返ってきます。お金として返ってくるかもしれませんし、ビジネスとして返ってくる可能性もあるのです。

  • 60歳までの独立を意識する事!!

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