- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838708383
感想・レビュー・書評
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SFっぽくないのに、気づけば超現実的な設定に納得させられてる。登場人物のそれぞれの描き方が鮮やかで、まるで知っている人のように感じてくる。長編なのに最後まで飽きさせずにとても面白かった。
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前にみたドラマの原作。なんだか急に読みたくなって、図書館で借りてきました!篠田節子さんの本なので怖いかな〜と思ってたけど、思ってたよりおどろおどろしてなくて、ちょっとがっかりちょっと安心。芸術家って凄まじい…。
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読者を飽きさせない語り口はさすが、とは思いつつ、何だか妙に冷めている。筆がのっていないような。特にまずくもなく、飽きることはなく、引っ張って行ってくれるものの、半分くらいで飽きが来た。何故だろうか。別に感動もしないし切なくもならないし。
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浅羽由希 脳の損傷を受ける。
それに関わったのが、深谷。
泉の里で、障害を克服する由希。
それに関わる東野。
チェロを教える。
ルー・メイ・ネルソン 12階から転落死をする。
天才的とは、いかなる才能なのか?
中谷という女優が、テレビでやったことを思い出した。
そのイメージが、だぶって、小説がよみづらかった。
つまり、そのキャラクターがそっくりあっているということです。
東野は、堂本が、やったのだが、
ちょっとイメージが違いすぎる。
欠損した脳が、修復していく過程で、
エキソシストのような、超能力を確保していく。
チェロの名器 アマティ・・・
コピーではなく、自分の個性をだしていく。
そのことが、大切になっている。
しかし、その自分の音を出すことによって、
自分自身のバランスが崩れていく。
ハッピイエンドにならないことが、
篠田節子らしいもって行き方である。 -
ドラマで中谷美紀の演技がすごかった。
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ヒトの言語を理解できず、音楽として変換しながら自分を保ち続ける由希。
チェロ奏者の東野。
あまりにもせつない2人の行方。
普段、チェロになじみがないけど、物語を読んでいる間、チェロの音がずっと聞こえてきたような気がした。 -
10代の少女のような面影を持ち重度の脳の障害を抱える由希。その代償に音楽的な才能を持つ。その無限の能力に恐れと羨望を抱きながら、彼女にチェロを教え、そしてのめり込んでいく演奏家東野。その拮抗が破れた時、彼女と共に破綻していく。
内容的には、脳実験的な手術とか超常現象のような事が出てきてしまうんだけど、ストーリー展開でぐいぐいと読ませるものがあった。確かドラマ化された時に、中谷美紀がやってた気がする。 -
チェロを弾く篠田さんならではの深い味わいのある作品。音楽を純粋に愛する気持ちとそれに対するまっすぐな姿勢に驚かされる。ユキの非人間的な感覚と異様な力、それに対する東野の揺れ動く心情がただの怖さで終わらないところがいい。自分がもう少し音楽になじみがあったらもっと入り込めるのに…と残念で仕方なかった。