村上ラヂオ

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838713141

作品紹介・あらすじ

著者の50のエッセイと大橋歩の銅版画101点のコラボレーション。雑誌「anan」の好評連載が一冊に。しみじみ、ほのぼの。あなたの心にすとんとしみる、久しぶりのエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 私、村上春樹さんの小説を読み始めるまでに結構時間がかかるのです。
    読んでいる最中はのめりこんでいるのですが、読み始めるまでに体力がいるみたい。
    「えいやっ」と覚悟してからでないと、なかなか読めないのです。
    だからエッセイも今までなんとなく読まずにきたのですが、前からおしゃれな雰囲気が気になっていた本書を読んでみました。

    雑誌「anan」に連載された50のエッセイを収めた1冊。
    気軽に楽しめるエッセイで、休日の朝読むのにぴったりでした。
    大橋歩さんの絵と、のんびりした文章のせいか、肩肘張らずに読めるのです。

    中国の動物園に行ったときの話が好きでした。
    「猫」というシンプルな札のかかっている檻の中に、猫が1匹ごろんと寝ていた。
    その光景を見て「中国ってやっぱり奥が深い国だ」と思った村上氏に、思わずくすり。

  • 村上春樹のエッセイ集。さすが村上春樹なだけあって、エッセイの真っ最中に突然詩的な表現が飛び出してくる。
    お気に入りなのは「考え出すと気になって夜も眠れないというほどでもないけど、疑問符が背中のどこかに、淡い影のようにぴたりとはりついている。」という一文。まあ割としょうもない流れの文章なんだけど、しょうもない流れからこんな文章が出てくるのがすごい。

  • 元々エッセイをあまり読まないのと、村上春樹に苦手意識を持っていたが、少し自分の許容範囲を広げたくて読んでみた。

    結果から言うと、独特の着眼点だったり視点が上から目線な感じがやはり苦手だと思ったけど、エッセイの半分くらいは「そうだよね〜」と共感できる、ホッとすることのできるエピソードがあったから、少しイメージアップ。

    今後気が向いたら彼の本を読んでみようかしら、と思える作品でした。

  • 人気があって図書館の本棚もスカスカぎみの村上春樹さん。
    あとがきにもあったように、好きなことをひねらずに書き綴ってあり、読んでいて楽しかったです。
    難しく考えなくていいし。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「難しく考えなくていいし。」
      ふ~ん、と思えて親近感も湧く一冊。早く2と3も文庫にならないかなぁ~
      「難しく考えなくていいし。」
      ふ~ん、と思えて親近感も湧く一冊。早く2と3も文庫にならないかなぁ~
      2013/07/09
  • 村上春樹は、天性のストーリーテラーだと思います。しかも彼の小説群は、われわれの使うごくふつうの言葉でもって語りながら、生きることの内部を深く洞察して伝える力が強いのです。いずれ確実にノーベル文学賞です。
    ここに取り上げた3冊は、2000年3月から1年間、2009年10月から1年半、2011年3月から1年間、女性誌『anan(アンアン)』に毎週連載されたものです。何と言う豊かな感受性でしょうか。何と言うしなやかな文体でしょうか。村上春樹は天性のエッセイストでもあります。このような文章が私にも書けたなら、と思います。皆さんにとっても感性を磨くことは大切です。
    [塩見図書館長]

    ここに取り上げた3冊のほか2冊
    『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』
    『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』

  • 50の短い文章からなる「anan」のエッセイ。に大橋歩さんの版画がついてる。
    こないだタグスタにこのシリーズの3弾めの版画展をみにいったことがきっかけで読んだ。
    とくに柿の種とピーナッツの関係を描いた「柿ピー問題の根は深い」とイタリア人のおばちゃんドライバーに投げかけられた「パスタでもゆでてな!」が気に入った。シリーズで読もう。
    前提を含んだ文章や何が正しくてってのがないのがいい。

    • keisukekuさん
      こないだBookoffで見かけたのですが、今日行ったら無くなってました。残念!
      こないだBookoffで見かけたのですが、今日行ったら無くなってました。残念!
      2013/02/25
  • 読んでるうちに肩の力が抜けて、ほのぼのした雰囲気に肩までゆったり浸かっていくような感じ。
    村上春樹ってきっといい人なんだろうなーと思う。
    それぞれのタイトルも興味をそそられて好き。
    「コロッケとの蜜月」がなぜか一番好きで何回読んでもおもしろい。コロッケ食べたい。

  • 実を言うと(アホな話だと我ながら呆れるけれど)このシリーズはただの春樹の「セルアウト」だと思って今まで通らずに来た。だが読んでみて、確かに「緩さ」が持つ物足りなさもあると言えばあるのだけれどただ弛緩しているだけに終わっていない、いわば「和みの達人」が生み出したエッセイだとも思ってしまった。この本で春樹はさまざまな事象に言及する。それは決して身辺雑記だけに留まらず、外にも目を向けて読んだ本や訪れた国々についても話題に及ぶ。それは彼にしばしば向けられる「自閉的」なスタンスとは違い、彼の確かな観察眼を想起させる

  • ・この筆者のエッセイは本当に読みやすい。何を今更だが、なにを置いても、さすが物書きのプロだと感じさせられる。

    ・レッチリはホントにずっと聞きたい聞きたいと思って聞きそびれてる。聞きたいな。

    ・イタリアの運転には共感しかない。アマルフィの海岸沿いドライブ。絶対擦ると思うけど擦らないスレスレのすれ違いはスリルを味わうに十分だったし、イタリアのバス運転手の技術は侮れない。

    ・ 「オブラディオブラダ」のAメロの無限ループは居合わせたらめっちゃウケると思う

    ・大橋歩さんの挿絵も味があっていいですね

    ・なるほど、若い女性向けに書かれた分だったのか、だからスラスラ読めたのかな?!

    ・眠気も飛んで、一気読みしてしまった。事実、今は朝方4時、、

  • 昔から思い出したように思い出す本。村上春樹さんはアンチが多いけど、エッセイを読めば印象が変わると思うのですが。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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