図書館の神様

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著者 : 瀬尾まいこ
  • マガジンハウス (2003年12月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838714469

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図書館の神様の感想・レビュー・書評

  • 図書館で、たまたま「本日返却された書籍」のコーナーを見ていたら、そういえば誰かの本棚かレビューでこの作家「瀬尾まいこ」という名前があったなあと思い、軽く手に取り、借りてみた一冊。
    まさに「図書館の神様」が教えてくれたような一冊だった。

    清。私の名前だ。
    で始まるこの物語。
    さすが「坊ちゃん文学賞」大賞受賞者。
    吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。
    と書き出しの雰囲気が似ている。

    すらすらと入っていける、センテンスの短い軽い文章。二時間半で読み終えた。
    かと言って、表現に手を抜いているわけではない。
    随所にキラリと光る表現や文章が見え隠れする。
    重い小説を読み終えた後だったので、軽くて楽しそうでいいなあ、と読み始めたら、7P目でいきなり人が死んでしまったのにはびっくり。
    こういうサプライズがさりげなく出てくるのが「いい小説」なのだ。

    主人公の清先生(キヨという名前の女性です)。
    高校三年までは何事にも手を抜かず、清く正しく一所懸命。
    バレーボール一直線の体育会系だったが、ある出来事がきっかけで投げやりな人生観を持つようになる。
    国語の講師だというのに、文学なんてまったく興味がなく、本など読みたくもない先生。
    そんな清先生が、国語を教えているからという理由で文芸部の顧問をやらされる羽目に。
    しかも部員は一人だけ。
    全くやる気のない顧問と、部員が他にいないので部長である垣内君とのやり取りが実に愉快。
    「部の予算はどうしましょう。先生何かほしい物ありますか?」
    と垣内君に訊かれた顧問先生は、
    「ほしい物? 車かなあ。今のは2ドアで不便だから、せめて4ドアの車がほしい」
    などと答える、本当にやる気のない先生。
    川端康成を読み耽る垣内君に対して、図書館に唯一あるマンガ「はだしのゲン」を読む先生。
    でも、ふとしたことがきっかけで「文学」も捨てたもんじゃない、と気づく。
    それと垣内君が文芸部に入った理由にも。
    そうか、彼にもそんな過去があったのか、と。

    少しずつ文学の面白さ、文芸部の存在意義に気づいた清先生は、部員一人の部など切り捨ててしまおうとする他の先生に一人敢然と立ち向かう。
    P134:「文芸部はひまつぶしでもないし、垣内君はくすぶってもいません。一日だって同じことをしている日はありません。(中略)ただ単に勝つことだけを目標に、毎日同じような練習を繰り返しているような体育会系のクラブこそ存続を考えたらいかがでしょう」
    と自分の中で何かが切れるのを感じ、思わず反論する場面。
    読んでいて、笑いながら拍手喝采したが、
    あれほど体育会系で、ひたすら根性や努力というような言葉が身に染み付いていたはずの清が目覚めた瞬間だ。
    運動部だけが汗を流しているわけではない。文芸部だって心の汗を流しているのだ。

    竹中直人のデビュー当時のギャグで「笑いながら怒るおじさん」というのがあるが、
    泣きながら笑わせる、もしくは笑いを誘いながらも泣かせる小説を書くというのは結構むずかしい。
    軽くさらりとした文章で、ある時は笑わせ、ある時はほろりとさせ、でもテーマはしっかりとぶれない。

    最後に届いた三通の手紙。なかでも、思いがけない三番目の手紙が心を打つ。
    読後感も爽やかで、ほのぼの感のある、こんな小説もいいものだ。
    瀬尾まいこ。他の作品も読んでみよう。

  • 小学生の頃からバレーボールに青春を一途に捧げてきた清。
    しかし高校生の時、部活の試合で失敗した山本さんを強く責め、その翌日山本さんは自殺する。
    周囲の冷たい視線と自責の念から、清はバレーボールを続けられなくなり、特に目標も見いだせないまま高校の講師になる。バレーボールの顧問になりたかったのに、配置されたのは部員が一人しかいない文芸部の顧問。全く文学に興味のない清には、ただ退屈極まりない日々。

    自分は正しいのに、自分は間違ったことを言っていないのに…
    私も何度も思ったことがある。そして、私の言ってること間違ってる?と相手を責めたこともある。
    そんな私には、清に対する垣内くんや弟のかける言葉が身にしみた。

    脇見する暇なく、カチカチに、マッスグに歩いてきたはずなのに、どこで道を誤ってしまったのか。
    一度、今までの道をそれてしまうと、正しいことも悪いこともわからなくなって、何にも興味を持てなくなって投げやりになって…。
    荒野をさまよっていた清が見つけたのは、元の道ではなくて、荒野だと思ってたところもちゃんと道だったってこと。道はたくさん広がっているし、つながっているし、たとえ荒野だったとしてもそこから道は作っていけるのだ。
    人生の答えはひとつではないし、正解もない。たとえ間違っても、見失っても、いつでもそこからスタートをきることができる。
    瀬尾さんがずっと伝えてきたことが、この本にもあった。

    それにしてもこの話、先生と生徒が逆転していたなぁ。
    運動をしないとだめだ、文学なんて何が面白いのか、なんて平気で口にする清に腹を立てるでも、拒絶するでも、熱心に文学の面白さを説くでもない。先生の思いつきのような提案にもきちんと対応し、淡々と文芸部としての活動を続ける垣内くんは出来すぎた生徒だ。
    そしてときどきお土産を持ってやって来て、姉の帰郷にはいつもお墓参りに付き合う弟の優しさも温かい。
    この年下の二人に両側から背中を支えられて、清は顔をあげられたんなと思った。

  • 清く、正しく生きてきた少女、清(きよ)が同級生の自殺が原因で大好きなバレーボールをやめてしまう。傷を負ったまま成長し、教師として赴任、文芸部の顧問となりひとりの男子生徒と出会う。
    清より一つも二つも大人の垣内君が凄く良いな。
    そんな二人のやりとりが微笑ましかった。
    先生らしからぬ清も、垣内君はじめ同僚や弟の存在で成長していく姿に、瀬尾さんのほのぼのさを感じる。
    文学をこよなく愛する大人っぽい垣内君が魅力的だったな~。

  •  不倫も瀬尾さんがかくとドロドロ感がまるでない。
     高校生と先生のやりとりがとてもあたたかかった。
     自殺をかいても心にずしりとこない。
     さわやかさがこうも漂うのはすごいな。

  • 一冊の本としては短いけれど、温かいお話でした。登場人物もいい人ばかりで現実味はないけど、ほっこり。
    作者はきっと本が好きで、でもすべての人が本を好きになるべき!とは思ってないんじゃないかな、と感じた。でも、文学と聞くだけで拒絶反応を起こさないでほしい、とも。

    文芸部の存続や意義の話が出るたび、懐かしく思い出される景色がありました。
    中高の六年間、文芸同好会に在籍し続けた。最後の二年間は、やっぱり会の存続価値や意義を疑われて、悔しい思いもした。
    そんな時、当時の部長が(一個上の、すごく尊敬してた人)なんとかしようと声をかけて、全員で小さな児童文学賞とエッセイコンテストに応募した。やってみると結果はついてくるもので、彼女が文学賞、私がエッセイコンテストに入賞した。
    …けど、結果として文芸同好会は翌々年なくなった。
    私が部長を務めたその次の年は百人一首に力を入れて過ぎた。やっぱり元部長は百人一首もすぐマスターして(何かを熟達することに「やっぱり」という言葉が似合う人だった)、私もがむしゃらについていき、手前味噌ながら、ふたりの試合は結構レベルが高かった。あと、その年、古典の授業で行われた百人一首テストの結果は、絶対うちの部がダントツだった(笑)
    けど、くどいようだけど、その翌年、文芸同好会はなくなった。
    結局、部の存続に生徒のがんばりは関係ない。文芸同好会に愛着を持ち、支えてくれた先生の定年と運命を共にする形で、「守れなくてすみません」と連絡をくれた一代下の部長がただかわいそうで、うまく言葉をかけられなかった。
    けど、とにかく、私はみんなで賞を目指してたときや、百人一首に真剣になってた時は、本当に楽しかったし、エッセイコンテストの入賞を先輩に報告したとき、初めて「やるべきことをやった」と思えた。
    日本中に、そんな幸せな文芸部がひとつでも多く残っていたらいいなと思うし、文芸部に入ろうと思う高校生がなくならない世の中であってほしいなと思う。
    この作品の先生がきちんと本に向き合うところも、その結果「私はこれじゃない」と思うところも、まっすぐで誠実な人としてすごく好感が持てました。
    作中の唯一の文芸部員の男の子は、絶対こんな人いないー!って思うくらいいい男で、ちょっと惚れました(笑)
    本を読む女性は本を読む男性に惹かれるっていうけど、当然だよね。

    本好きに生まれて幸せだなー、と思える作品です。少なくとも、私はそう思った。
    そして、懐かしい思い出に浸る時間をいただきました。

  • こんなすてきな本があるよ。ほらほら。

    1つ本をとると、1つすてきな世界に出会えるよ。

    同じ時を共有していなかった人たちが書いた本。
    数年前、数十年前に書いた本。
    手に取ってみる。読んでみる。

    単調なくりかえしではない。1つ1つ異なる世界を体験できる。

    本が好きになる本ですね。

    瀬尾まいこさん。おすすめの作家です。

  • 垣内くんの、度を越さないけど大人びた感じが良かったです。
    全体的に清は教師だったり社会人だったりする割に子供っぽいしゃべり方をするのですが、話がしたくなったからと言って夜中に突然電話してみたりとか、垣内くんと話しているときは本当に同級生との会話のよう。清にとって垣内くんは素に帰れる存在だったのかなと思います。
    最後の方で、二人で図書の整理をしていました。
    図書室なのに十進分類法を無視するというのは、私にとっては随分思い切ったことをするなぁと思ったのですが、きっと同じように何かを抱く垣内くんと主人公・清にとって、文字通り心の中を整理するキッカケになったのでしょうか。
    浅見氏のクズぶりに辟易していたのでフッたところはスカっとしました。最後の方で浅見氏が清に送ってきた手紙のひどさと言ったら……。
    清の弟が四歳上の喫茶店の彼女と付き合っていましたが、今までは弟の彼女に対して辛辣な評価だったのにその子との関係を清が否定しない辺りで清と垣内(同じように清が四歳上で年下の男の子より情けない)の関係をほのめかすような感じがしました。
    だが特に何もなく、手紙での交流は続く程度の、なんとなくいい感じで終わるのもまた良かった。
    作中に出てきた夏目漱石の「夢十夜」は先日読んだばかりでタイムリー。
    生徒なりの「夢十夜」を書かせて見るというのはとても面白い授業だなと思いました。

  • きつい物言いをしてしまった翌日に級友が自殺してしまったことから、大好きだったバレーボールをやめたヒロイン。

    ケーキ教室の先生と不倫したり、瀬尾さんの作品じゃなかったらきっと物凄くドロドロしたお話になってるはず。

    でも爽やかでじんとくる。
    垣内くんが素敵☆

    しばらく離れてたけど、川端さんや夏目さんたちの純文学にも興味がわいてきました。

  • 早川清(きよ)は小学生から高校までバレーボールに魅せられ、ひたすらに打ち込んだ。
    真面目で何事にも妥協をしない清の発言がある日一人の部員を傷つけ、悲しい運命を背負わせてしまう。
    周りからの非難の目に耐え切れずに清はバレーから遠ざかった。
    清は高校を卒業し地元から離れた田舎の私立大学に通い始めたが、バレーボールへの未練が残っていた。
    せめてバレーにかかわっていたいとバレー部の顧問になりたいがために高校の講師になった。
    しかし清に与えられたのは文芸部の顧問だった。しかも部員は垣内という男子生徒ひとりだった。

    大好きなバレーボールを止めざるを得なくなって最初はすごくなげやりで
    いい加減な教師の姿を呈していた清だったけど不倫関係にあった浅見や同僚の松井、文芸部の垣内、
    弟の拓実に接していく中で何かを掴んでいく様子がとてもほのぼのと描かれている。
    この中の登場人物の何人かが言うとおりスポーツ系の部活に比べて文科系の部活は地味で
    活動自体大してしていないようにな気がする。実際私自身中学生のころは放課後は図書館で過ごすよりも
    体を動かすほうだったから同じように感じていた。何をするにつけ自分自身が大好きで懸命に取り組んでいるものならば価値は同じなのだと思わせられた。国語教師でありながらまともな文学を読んでいない清に
    色々と作品を奨める垣内とのやり取りが教師と生徒が逆転しているようで可笑しかった
    「黙るべき時を知る人は言うべき時を知る」という格言が印象深い。

  • バレー部のチームメイトの自死を機に、思い描いていた未来をあきらめて高校講師になった<私>。興味のかけらも抱いたことのない文芸部の顧問になり、たった一人の部員・垣内君を相手に、放課後の図書室から海を眺めて過ごします。この垣内君との会話が、なんということもないのですが、毎回ほっとした気持ちにさせてくれます。
    バレーを遠ざけたつらい過去、気楽なつもりだったけど本当はしんどかった不倫の恋…。苦しむ<私>が、毎日の生活の積み重ねの中から少しずつ、心を立て直していく過程に寄り添いたいです。

  • 「文学を通せば、何年も前に生きていた人と同じものを見れるんだ。・・・そこにいながらにしてたいていのことができてしまう・・・マゼランは船で、ライト兄弟は飛行機で新しい世界に飛んでいく・・・僕は本を開いてそれをする」文芸部の垣内君の言葉にグッと来た。
    キヨは教師になることで新しい世界に出ていくことを決めた。
    垣内君といい、弟といい、キヨはいい子たちに囲まれて幸せですね。

  • じわーっと、後から来る余韻にひたる。
    置かれた場所で頑張るということだ。
    挫折した清の遅れた青春物語。

    元バレーボール部の女性講師・清の日常物語。
    不倫関係、希望とは違う文芸部の顧問、なじめない教師環境。
    部活奮闘、順風満帆に思えた学生時代。
    しかし、一変。
    部員の自殺。
    大好きなバレーボールを離れることになってしまった。

    フワフワとした生活。
    モヤモヤする毎日。
    充実感の無い日常。

    けれど、違った。
    一生懸命だけが全てではない。
    一生懸命過ぎてはいけない。
    けれど、時には、一生懸命になることもいい。
    楽しむことが大事だと。

    国語講師でありながら、読書嫌いというのが笑える。
    たった一人の部員であり部長の垣内君に影響されて読書にハマる。

    冷静沈着でいながら、熱い心を持っている垣内君。
    周りをよく見ていて優しい弟・拓実。
    脇役二人が大好きになった。

    ちょっと重たい書き出しで、読むのをためらったけれど、
    垣内君と拓海とのやりとりが、心地よくて、最後には
    なんか感動してしまった。

    『神様のいる場所はきっとたくさんある。
     私を救ってくれるものもちゃんとそこにある。』

    『置かれた場所で咲きなさい』という本がベストセラーになったけれど、
    そういうことなんだろうと感じた。

  • 瀬尾さん、二冊目です。
    やさしくて、心が温まるような、穏やかな気持ちになりました。

  • 海の見える中学校に国語の臨時職員として赴任した清(きよ)は、そこで文芸部の顧問となる。唯一の部員・垣内君と交流を重ねるなかで、清の今までの価値観が少しづつ変わり始め、教師として人として成長していく。

    学校、図書館、文学、青春、スポーツ…この作品で登場するキーワードは、どれも屈託なく眩しい。そんなキラキラした世界に対し、清は最初飛びぬけて捻くれ壁を作っていた。そんな彼女が徐々に本との距離を縮め楽しさを見出していく姿に、本好きの人は共感する部分も多いはず。
    文学に対しひと際熱意と知識を持った垣内君に、読者もこの本を通して様々な本を教えられ、派生して別の本にも手を出したくなるのもこの作品の魅力のひとつだと思う。
    垣内君、本当によくできた男の子です。

  • 正しくて清いことと、大切なことは、同じようでいて違う。
    正しさをふりかざすのではなく、その時に向かい合っている相手に対して
    全力で、全心で接したい。自分の言葉で。

    垣内君の言うこと、行動がとてもいい。
    ひょうひょうとしながらも自分がしっかりあって、さりげない優しさもあって。
    優しさを押し付けないところ。人が気を許すようなキャラクター。
    「先生の明日と明後日がいい天気であることを祈ってます。」

    瀬尾まいこの小説に出てくる人は、皆優しい。深い優しさ。
    瀬尾まいこはどんな人なのか、読むたびに会ってみたくなる。

  • 名前は清(きよ)
    その名の通り清く正しく、勉強もスポーツも
    何事にも真っ正直に生きてきた清。
    キャプテンをしていた高3のバレー部の時に、
    部員の自殺する事件が、それを機に、描いて
    いたものから外れた道を歩き出した。

    部活もやめ、体育大学へ行くはずが地方の
    大学へ進学、性格もいい加減さを増し、
    投やりの気分のまま高校の講師に就く。

    講師となったものの部活動の顧問は、全く
    気合いの入らない文学部、私生活ではケーキ
    教室の講師と不倫。

    気持ちが清く正しかったころは極度のアレルギー
    退室だったので、それが、清さも正しさも薄れる
    につれて身体は少しずつ丈夫になっていく。

    文学部の部員は、垣内くんひとりきり。

    年齢もまだまだ近いふたりのやりとりや、
    文学との触れ合いを通じて、忘れていた
    何かを思い出すように再生していく。

    まだまだこれからだよ~と言いたくなるよな、
    青春ストーリー

  • 登場人物がみんな素敵。

    正しい人間ってなんだろう。
    いつも正しくあることに一番重きをおく。まじめにまっすぐ、ルールに従って。
    でもそれだけじゃだめなんだよね。人間って難しい。

  • 大学の図書館で借りた。
    友人の自殺をきっかけに「清くまっすぐ生きられなくなった」主人公のきよ。
    文学部の垣内君との会話がすごく良い。

    そして姉思いの優しい拓未も好きだな、と思った。
    読み始めは、先生退屈にやってんじゃねーよ。って思ってたけどなんか読むのがやめられないんだよね。ついつい夜更かし。

    瀬尾さんの小説は初めてでした。思わずメモを取りたくなる文章がちりばめられていてきゅんとしたことがあった。

    清と垣内君と拓未がこれからも弱くなりながらも強く未来に進んでほしいと思った。

  • 教師になりたくて教師になった私としては、
    こんな感覚で教師になられても・・・と思わずにはいられないが、
    そのポーズの向こうにある清のまっすぐな精神は、
    やはり教師に向いていると思う。

    講師をしていた時に、数学の先生が、
    「長く教員をしていると、
    教師と生徒の枠を超えて接することができる生徒が
    一人か二人は出てくるんだよねぇ」
    としみじみおっしゃっていたことがある。
    (変な意味ではないよ、あしからず)
    垣内くんは清にとってはそういう生徒だったんだね。
    人間として対等に向き合い、刺激をもらえる相手。
    基本的に生徒はなんだかんだで、やはりかわいい。
    でも、そういう運命の生徒にはまだ出会えてない気がする。
    清が羨ましい。

  • 瀬尾さんの作品はいろいろ読んでいるけど、なぜか読んでなかった。
    瀬尾さんのどの作品にも吹かれている風をこの作品でも感じた。
    最後、ふたりがグラウンドで走るくだりがとても好き。青春だなぁ。
    いつもながら、この人の本は
    おもしろいくらいスラスラ読める。
    風邪をひきながら読んでたので(笑)苦しかったけど。

  • 瀬尾さんの ふわふわぁ~っとした感覚の作風が 好きです。
    高校の時に一度挫折した主人公が 自分の望んでいた将来とは
    違う道を歩みながらも 生きる活力を見出し始めたという内容を
    さら~っと表現されていて おもしろかったです。

  • 高校講師である清(キヨ)が最初は嫌々の文芸部の活動を通して人間的に成長していく物語。主役は清なんだけど、一人だけの文芸部員である垣内くんの爽やかさからなのか、清の高校時代の話も多く出てくるからなのか、『青春』の話だったなぁと思う。
    不倫相手には相当イラッとしたけど。どうせならもっとギャンとさせたかったけど。

    ところどころにそっと置いてある文学の話もよかったな。漱石の夢十夜、今度読んでみよう。
    垣内くんの言葉、とても丁寧で好きです。自分の身近にこんな大人びた文学青年がいたらなぁと思うけど、魅力にはきっと気づけなかったのが高校時代の私なのでしょう。

  • 学生時代バレーボールに打ち込んでいた清。ある事件をきっかけにやめてしまい、今は不倫に走っている。
    バレーボールに触れたいだけで高校の講師になり、不本意な文芸部の顧問になってしまう…。
    さわやかな青春物語。登場人物もいいけど、少しだけちりばめられている文学も良い。

  • え?!って事で
    傷付けて
    傷付けられて
    でも普通に生きて行く

    大なり小なり
    誰でもが抱えていること

    それがホンワカ語られる
    そんな本

  • 高校講師の経験あるから、あの感覚はじいんとくる。

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