- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838716845
感想・レビュー・書評
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ゆっくりと時間が静かに少しずつ消えていく美しい不気味さ。
長崎くんの不安定さは不思議で
まるでコキリコ・ピクニックランドのような不気味さ。
この世ではないような浮遊感。
その中で指だけが現世と繋がっているような、
逆に指だけは異世界に行っているような感覚になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ふわっとした感じもするのだが疲れる。胸がチクチクざわざわ。
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観覧車に乗りたくて仕方がなくなった。
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日常に寄り添って存在していそうな不思議な話。遊園地って、そういうところですよね。
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短編集。独特な世界を持った、少し不思議な物語たち。どれも静かでじんわり体に染み渡る。
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寂れた遊園地『コキリコ・ピクニックランド』を舞台とした連作短編集。
『長崎くんの指』
真面目で優秀な銀行員だった主人公は、
衝動的に金庫の金を盗み、家を出、遊園地に住み込みで働き始める。
遊園地で出会った長崎くんの指に恋する話。
『バタフライガーデン』
仕事をなくし、バツイチの妹の家に転がり込んだアラフォーの主人公。
妹に命じられ姪っ子を連れて行った遊園地のバタフライガーデンの管理人に強く惹かれ通いつめるようになる。
『アマレット』
長い不倫関係を精算し会社もクビになったマリアさんの物語。
遊園地で観覧車を操作する森田老人と親しくなり、遊園地で働き始める。
観覧車の役割がとても美しい。
『道ばたさん』
家の前に倒れていた記憶喪失の女を拾った母娘の話。
『横穴式』
お化けが出るという遊園地の洞窟に取材に来た主人公。
そこで不思議な親子と出会う。
これはホラーな話だった。
『長崎くんの今』
『長崎くんの指』で、終盤唐突に行方をくらました長崎くんのその後が描かれている。
蛇足の感が強い、、、。
『夕暮れひなたの国』
唯一関連性のないおまけの一篇。
いくらでも深読みができる。
現実感の薄い、ファンタジーのような物語である。
それぞれ短い話しながら、裏には濃くて深いものを孕んでいる感じ。 -
掴みどころがなく、不安定で不確定なところがとても好き。
既成事実で永遠にしてしまおう、っていいな。
現実的なんだかロマンチックなんだかね。 -
どう云う出会いだったのかは忘れたが、あたしの借りる本リストに有ったので借りた。
この作品や著者の事は何も知らずに借りたので、失礼ながら何となく割と稚拙な文章なイメージで読み始めたら、まぁ何と云う。
凄く素敵な雰囲気の作品でした。
どことなく小川洋子さんの様な静寂が、とても好み。
長崎くんの指も、とても好み。
しかし、短編集と云う事らしく、あたしの求めている様な方向に話は進まず、がっかり。
途中で期待を持ち直したものの、二度目のがっかり。
一瞬良い雰囲気になりそうでは有ったものの、やはり結果あたしの求めている物では無かった。
長崎くんがとても魅力的だっただけに…。
それぞれ良いお話だったのだけれど、長崎くんに期待してしまったが故に、読後妙なもやもやが残ってしまった。
最後の「長崎くんの今」で、がっかり感が更に増してしまった。
残念。自分に残念。 -
「コキリコ・ピクニックランド」という山奥の
レジャー施設を1本の軸にした短編小説集。
のどかな話あり、心温まる話あり、背筋がぞっとする
話あり、ほけーって感じの話あり。
すべてコキリコ・ピクニックランドが
絡んでいるんだけど多種多様な物語になっていて
すごく面白かった。どの話もたんたんとした
空気は感じられて、なんかこちらの心もたんたんと
する。とっても良い感じの物語達だった。