タイム屋文庫

著者 :
  • マガジンハウス
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本棚登録 : 399
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838718696

作品紹介・あらすじ

たったひとりの客を待つ店。それが「タイム屋文庫」…考えなしで抜け作の三十女・柊子が時をまたいで仕掛けた、あの、恋のつづき。注目の著者の最新刊は、ロマンチックが全開。

感想・レビュー・書評

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  • たった一人を待つために「タイム屋文庫」を開店した三十路女性が主人公の恋愛小説。
    ふわりゆるやかな時間が流れていて、読み終えて穏やかな気持ちになる。祖母ツボミの存在感が大きい。
    こんな貸本屋さんがあったらいいなー。常連になりそう。

  • 「タイムトラベルの本しか置いていない本屋があったらいいな」


    海辺の街で、龍の舌の先を見つめながら貸本屋をやっていく女の人の話。
    叙述はわかりづらいし、時系列はぽんぽん飛ぶし、主語は略されるし、突然突拍子のない比喩は出るし、正直何度かおいていかれたりしつつ読み進めていました。
    けど、やめられない。
    ついページを繰ってしまう。

    この作品には、過去と現在と未来、現実と夢、他人と恋人と家族、冷静と狂気と焦燥、飽和と空虚の香りがする。
    最初から最後まで詩的で、ときおり恥ずかしくなるような純粋な表現まで出てくる。
    優しい文章。


    読み終えて、恋がしたくなった。
    燃えるようなどきどきじゃなくて。
    そっと手を重ねる、ぬくもり。少しかさついて、私より大きく、かたい指の感触。よりかかってもびくともしない背中。
    愛した人の温もりが思い出される、そんな作品。

    私は、好きです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「貸本屋をやっていく女の人の話。」
      しかもタイムトラベル?
      それなら読まなきゃ!(表紙のイラストも良い感じです)
      「貸本屋をやっていく女の人の話。」
      しかもタイムトラベル?
      それなら読まなきゃ!(表紙のイラストも良い感じです)
      2013/05/11
  • たった1人を待つ貸本屋。
    ゆったり時間が流れている感じの本でした。

    素敵な男性と無事、結ばれてよかったと思いました。

    リスちゃんはどこかでまた暮らしてるのか、それともおばあさまだったのかな。

    優しい時間が流れてました。

  • 図書館で目に留まったので借りて読んでみた。自分の居場所を見つける物語り・・・かな。母を亡くしたばかりの私にとって、何となく頷けるシチュエーションもあって、しみじみとした思いにもなった。ただ、何となく物足りない感もあるかな。

  • タイトルに惹かれて借りた本。薄い本なのに文章のリズムが合わなかったのか、何だか読むのに時間が掛かった。伏線や謎をばら撒くだけばら撒いて全然回収しないまま終わってしまった感じ。ただ、初恋の彼とのエピソードは16歳ってそんな感じだったなぁ…と思い甘酸っぱい気持ちになった。ふっと現れては消える黒猫がなんともいえなく可愛い。2011/247

  • ちょっと分かり難い表現も有ったが全体的に好きです。 謎の少女リスが可愛かったー。最終章で正体を何と無く匂わせた気がするが、リスって名前のヒント的なモノが見当たらないので、やっぱ謎やな。 自分が今まで読んだ中では『食堂かたつむり』に近い。 温かい作品でした。お祖母ちゃんのツボミさんが何か可愛らしいので、お祖母ちゃん子やった人は是非。

  • 「タイムトラベル」に限った貸本屋を、亡くなった祖母の家で開店しようとする主人公をとりまく話と聞くと、ゆるい時間だけが流れていると思うが、仮に貸本屋を開くにも色々現実があるのは確かだ。
    それが成功を切り拓いてく面はあまり描かれていない、ただ現実に向かい合うことが多く盛り込まれていて良かった。

    だが、多く盛り込まれているのは現実だけではなく、ゆるさを取り巻く環境にもあり、全体的に伏線を回収しきれていないのではないかと疑念を抱く。
    一貫して、ぼやけた感じがした、それを良いと言う人もいるかもしれない。

  • 時間の概念というか、表現が独特。
    こんな貸本屋さんが近くにあったら、近くなくても、行ける場所に有れば良い。

    誰かと静かに対峙したくなる一冊。

  • うーん。。悪くないんだけど・・・って感じ。
    なんだろう。詰め込みすぎなのかな~。なんだか惜しい。

    「ぱっ。市居柊子は目をあけた。」で始まるのは気持ち悪いな~。一章だけで終わったから良かったけど。

  • あまり頭に残ってない感じでとりあえず読んだ感じです。
    でも登場人物の樋渡さんは実際にいたら好きになっちゃうかもって思いました( *´艸`)

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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