風にもまけず粗茶一服

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838722198

作品紹介・あらすじ

あの、遊馬が修行中?武家茶道坂東巴流の将来を背負って立つ(はずの)友衛遊馬が、いよいよ比叡山に-。「武家茶道って、何?弓道と剣道と交わるところって…」真剣勝負で挑む茶の湯ワンダーランド。「粗茶一服」シリーズ第2弾。19歳が繰り広げる大傑作青春エンターテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 遊馬の、何だか逃げてばかりいる生き方にイライラさせられた前作。
    京都で出会った人々のおかげでちょっとずつ変化してきた彼は、比叡山で修行(?)を始めます。
    おなじみの登場人物に加え、新登場のキャラもユニークな人ばかりで、楽しく読むことができました。
    茶道の世界観なんかも、抽象的なんだけど何となくこんな感じなのかな?とわかるように書かれていて、門外漢でも読みやすい本です。

    それにしても、前作に比べて遊馬もずいぶん格好良くなりました。
    特に三十三間堂の通し矢のくだりは、自分が弓道をやっていることもあって、ちょっと感動さえしちゃいました。

  • 絶賛家出中の「家元」遊馬は、今度は山に修行に。あいかわらずの「ぼっちゃん」なのに、なぜかひょうひょうと「修行」をこなして、どんどんワイルドになってしまっている遊馬たん。そりゃ彼女もぽーっとなるよ(笑)。前作と同じく、ちょっと最初はいらいらするんだけど、だんだんはまってきます。あー面白かった。前作「雨にもまけず粗茶一服」も含めておすすめ!この話は、若者だけじゃなくてじーさん連中も元気なのがいいですね。

  • 茶道を小説で感じてみる!結構、面白いぞ!

  • 相変わらず図書館でリクエストしたのだけど、司書の先生が出してくれはったときに
    「イヤ、私が借りるのはそれじゃないです・・・・」
    と、いいそうになった。

    だって表紙がなんか若いニーチャンになってるんやもの!

    これはどなた?
    韓国系のアイドルやんね?
    ちゅうか、遊馬のつもりなんかな?

    エー、前作の表紙のほうがよかったなー。

    でも、やっぱり面白かった!
    お茶のくだりはサラッと読み飛ばしたけど(この話でお茶のくだりを飛ばしていいのか)、修行のくだりは面白かったわー。
    遊馬のポテンシャルすごいわー。
    一家総出で大事に育てる気持ち、わかる。

    「この子はやればできる子やねん」

    ちゅうのは、最高に親を困らせると思う。

    (やればできるなら最初からやってくれといいたい)
    (そしてやってもできないことは親としても案外諦めがつく)

    武藤家と巴家がつながった瞬間とか、スカッとしたわあ。
    やっぱりこういう世界は狭いのだな、と、思わなくもないけど(笑)、この本はシャッキリしてていいな。
    日本の文化ってほんまにいいなあ。
    日本人なのに日本の文化を知らんのは損してるような気がする。

    あと、京都の言葉を書くのがうまいなあと思った。
    口語調やけど読みにくくなくて、雰囲気がすごいい出てる。
    訛りって表現するのが難しいよね。

    (2015.08.31)

  • 表紙がちょっときつい…
    お茶によるお茶のための物語というよりは、その先を超えて三道が交わる「生」による「生」のための物語と感じた。前作と比べて、かなり用意周到に物語が構築されている。
    なぜだか知らないが「ここ」にいるというまさに「ご縁」。何者であるか強いたり与えたりを、物語で決してしない。する必要がないから。何者であるかは、探しているうちは見つからない。今・ここに在る以上、もうすでに何者かなのだ。気付かないのは、目先の利便さに奪われて、ほんとうにみたり・聞いたりしていないからだ。小さな花が揺れるだけでそこにお茶が宇宙が見いだせる。そよぐ風の中に音楽が弓道が見いだせる。かくも道は、いつも共にあった。
    日本人、という言葉はあまり好きではない。ただ、時間の名残りを眺めると、この日本人というものは何か考えるというよりも、身体で感じることが得意なのだと思う。悩む前に考えろとは言うけれど、悩む前に動いて見よなのだと思う。考えることはしないのに、動かない感じられないようにしてしまったからこそ、「存在」がなおざりにされているのだと思う。身近に「生」があるのに、「生活」によってそれを見つめないでいる。
    遊馬が家元を継ぐかなんてどうでもいい。そうでなくても三道ははじめからひとつだから。
    章段から感じていたが、雪にも負けず~はやはりカンナとその出自・結婚の物語だった。確かにカンナも独特すぎる役者であるが、馥郁はカンナの物語がなかったら生まれなかったと思う。絢爛な花などではなく、触れれば切れてしまいそうなさびれた薄。けれど薄が惚ける秋の野原は何よりも黄金に輝く。
    誰よりも愛が欠けているようで、実は、たくさんの愛に囲まれて凛として彼女はあった。

  • 読んで良かった。

  • 山の生活で遊馬がだんだん逞しくなっていく。
    坂東巴流は茶道と弓道・・・あれっ、剣道はどうした!!

  • 『雨にも負けず粗茶一服』の続編。
    『雨にも負けず~』が思いがけずよかったので、続きを読んでみた。

    遊馬が一見無駄なことをしながらも、自分の道を見つけていくところがよかった。

    けれども、途中で主人公の存在感がなくなり、脇役が強くなってきたような…。

  • ★3.5

  • 面白かった。
    テンポよく読めた。
    続き出るかな、出たらいいな。

    でも何でこの表紙なのか。
    絵じゃ駄目なの?

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著者プロフィール

1990年『僕はかぐや姫』で海燕新人文学賞。92年『至高聖所(アバトーン)』で芥川賞。他に自身の茶道体験を綴った『ひよっこ茶人、茶会へまいる。』、武家茶道を軸にした青春小説『雨にもまけず粗茶一服』『風にもまけず粗茶一服』『花のお江戸で粗茶一服』、古典を繙く『京都で読む徒然草』などがある。

「2019年 『夢幻にあそぶ 能楽ことはじめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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