- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838725038
作品紹介・あらすじ
彼女の仕事はお直し。やぶけてしまったブラウス、虫に喰われたカーディガン、その時その人が着たからこそできたキズに意味を持たせるようにお直しをします。"穴から花""チノパンに芝生""つぶれた指輪""おさがり""赤貧ひとり旅""ポッケのしっぽ"など全65篇。
感想・レビュー・書評
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愛着を持って着られてきた服のお直しのセンスはもちろん、添えられている文章が好きです。自分をしっかり持っていて、だいじなものと大切な人を持っている方だと思いました。
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繕いやお直しに興味があって、繕いの本はほとんど見たことがないので「これは貴重」と思って読んでみたけど、やや期待外れ。ひとつひとつのお直しについて説明がほとんどないので、エッセイに興味が無いと写真を眺めるしかできない。
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ほつれや裂け穴あき引っ掛け、染みなどのお直しの概念が変わった。
真似してみよう。
しっかし何故、本の表紙のイメージがないんだろう? -
日記風のエッセイ本。
「あたし」という言葉にあまり馴染めず。
界隈のほっこり有名人の名前がゴロゴロ出てきます。 -
たいした厚みはないし、活字も大きいし行間も白い、何より写真も沢山なのに、ずいぶん読むのに時間がかかってしまった。
訥々とした感じが面白い -
著者によるお直しがどれも秀逸。
文章も独自のリズムがありますが、
私ははまりました。
写真はホンマタカシ。 -
横尾香央留という人の文章に魅せられたのは、ほぼ日の連載を通してだった。連載の第4回《蕎麦と父》と題された文章に出会い、一気に虜となる。おっとりした人のようである、とそのホームページの紹介からは察せられたが、一針ひと針丹念にものを作り上げていく人ならでは凝縮した思いを短い言葉に載せていく手つきの鮮やかさに魅せられたのだ。それが単行本になるというので、早速手に入れる。わくわくしながら読む。いいなあ、いいなあ、と思いながら読む。
とは言え幾つか残念な思いも同時に味わう。単行本になるにあたって、ホームページ上の佇まいが再現されなかったのは媒体の違いを考えると仕方がないことではあるけれど、少しだけ横尾香央留の文章のテンポのようなものが変わったしまったように思えてしまうのが残念だ。短く改行された文章と解像度の良いデジタルの写真。文章は散文詩のように余白の大きい中に収められていた方が、このぽつりぽつりとした言葉の雰囲気には合っていたし、鮮明な映像で初めて見えてくる「お直し」の鮮度がこの装丁では伝わりにくいようにも思う。しかしそれは、出版の事情を考えると致し方ないことでもあると思う。逆に、ほぼ日の連載時の構成の確かさが解るというものかも知れない。
しかし、出版に当たって文章に加筆修正が入るのは納得できるとしても、その順番が変わってしまったのは、やはり残念な気がする。毎週毎週の連載は、横尾香央留のバイオリズムのようなものがやんわりと反映されていて、エッセイ同士の繋がりはないとはいえ気持ちの繋がりのようなものが、やはり流れているように思うのだ。
そんな思いはあるにせよ、連載分の50回に加えて全部で65話を網羅したこのエッセイ集には、やっぱり横尾香央留の魅力が詰まっている。遅れに遅れている「お直し」が更に遅れることになったとしても、彼女の文章をまた読んでみたいと思う読者が増えればいいのなと思うことしきりである。 -
横尾さんのぼくとつな人柄が魅力となって文字におこされた感じ。彼女の手にかかった作品はどれもクスリと笑えて、愛しい。
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服のお直しとエッセイ。
ただ直すのではなく、ひとひねり。
虫食いからは虫が顔を出し、服の花柄が襟にまで侵食する。シミは柄に飲み込まれた。
ものに対して何も感じない自分には、なんだか眩しい。
裾がほつれても、穴が開いても着続けたい、そんなものを手にしたことがあっただろうか。