アメリカのめっちゃスゴい女性たち

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838726462

作品紹介・あらすじ

逆境こそ、またとないチャンスである。 

女も男も、人種も生まれも関係ない、
やる気と努力で栄光をつかんだ55人の
ワクワクする負けない人生!

レズビアンをカムアウトした、ハリウッドの才女、ジョディ・フォスター
乳ガンの予備切除、国連親善大使も務める、アンジェリーナ・ジョリー

オバマ当選に最も貢献した、テレビ界の超大物司会者/
アメリカ空軍を率いる、世界初の女性指令官/
ゼロックスをよみがえらせた、アフリカ系生え抜き経営者/
「ミズ」という言葉をつくった、モテ系フェミニスト/
『恋人たちの予感』で、コメディ旋風を巻き起こした脚本家/
妊娠中にグーグルから引き抜かれた、ヤフーの新CEO/
歴代大統領11人に、最前列で質問を続けたジャーナリスト ほか

<まえがきより抜粋>

この本は15年間アメリカに暮らした私が「スゴい!」「カッコいい!」と感動した
アメリカ女性たち55人について書いたエッセイ集です。
ただ、ヒラリー・クリントンとかレディ・ガガとか、日本でも既によく知られている女性たちよりも、
「もっと日本の女性にも知って欲しい」と思った女性たちを多めにしました。
 また、最初から恵まれている人よりも、多くの障害を乗り越えた人を多く取り上げました。
女性というだけでなく、人種、民族、貧困、身体障害、親によって絶望的に未来を阻まれたが、
逆にそれによって誰よりも強くなった人々です。

 現在、アメリカの企業の管理職の43%、役員の14%が女性です。
世界的な巨大企業のトップにも女性は少なくありません。
政治の分野では、オバマ大統領が史上かつてないほど積極的に女性を要職に起用し続けています。
女性というだけでなく、少数民族が多い点も画期的でした。

アメリカがこうなるまでには多くの女性たちの長い戦いがありました。
昔、女性は選挙権すら持っていませんでした。婦人参政権運動のデモを男たちが暴力で妨害したこともありました。
人権を奪われた者同士ということで、女性たちは黒人奴隷制に激しく反対しましたが、
男たちはその集会場も焼打ちにしました。
結局、南北戦争で奴隷は解放されましたが、南部ではその後も人種隔離は続き、黒人の参政権は奪われたままでした。
それに対して最初に立ち上がったのも一人の黒人の女性でした(本文ローザ・パークス参照)。
女性たちは戦ってアメリカの歴史を変えてきたのです。
そして今は、企業や政府のトップでアメリカを、世界をリードしています。

しかし、日本の企業の女性管理職率は11.1%。先進国でも韓国と並んで最低です。
女性役員になると日本ではたったの1%、100人に一人しかいません。
ああ、もったいない。
本書にあるように、GMやペプシ、ゼロックスをドン底から救い、生まれ変わらせたのは女性経営者でした。
低迷する日本企業の救世主となれる女性たちは、その才能を発揮することのないまま、どこかに埋もれているのでしょう。
アメリカでは2016年にヒラリー・クリントンが史上初の大統領になることが濃厚な時代に。

男女に関係なく、決して負けない人々の人生は、人をワクワクさせてくれます。元気にしてくれます。
だから映画と同じように、そのワクワクを日本の人たちに伝えたくて、この本を書きました。
女性も男性も、読んでワクワクしてもらえるとうれしいです。

「その国が発展していくかどうかは、女性の扱い方を見ればわかる。
女性が高い教育を受け、女性が平等な権利を持っている国は前進するだろう」バラク・オバマ

感想・レビュー・書評

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  • タイトル通りアメリカのめっちゃすごい女性たちが55人紹介される。
    いやはやすごいね。
    こういうの読んじゃうと日本はまだまだ遅れていると言うか、文化が全く違うと言うか。
    日本で同じ企画で本を作ろうと思っても55人なんてとうてい無理だろうと思ってしまう・・・。
    アメリカは層が厚いなぁ。

    有名どころでは、ジョディ・フォスター、オプラ・ウィンフリーやGMのCEOのメアリー・バーラなど。
    だれもかれも豪傑揃いなわけではあるが、特に印象に残ったのがベティ・アン・ウォーターズ。
    刑務所にいる兄の無罪を勝ち取るために、30代でウエイトレスから一念発起して弁護士になった女性。
    彼女の雄姿はヒラリー・スワンク主演で映画にもなったらしいが、その後はまたウエイトレスに戻ったとか。
    最後までドラマティック。

    この本を読むと元気がでますよ、きっと。
    あまりのパワフルさに圧倒されてしまうかもしれないけど。
    それにしてもアメリカって女性コメディアンの地位が高いことに驚く。この本にも何人も出てきた。
    日本にも女性芸人は沢山いることはいるが、尊敬される立場には程遠いよな、なんて思ってしまった。

  • 日本のめっちゃスゴい女性の話だったら、すんごく親近感わくだろうな。
    表紙が中村佑介さんだから良し。

  • 電子書籍で読みました。(なぜか電子書籍版が出てこない)
    ひとりにつき1、2ページなのでさくさくと読めておもしろかった。説明がとてもわかりやすいので、同時にアメリカの今のリアルな社会状況とか政治についてもおおまかに把握できる感じもしてよかった。
    1、2ページって本当にあっというまで、もっとこの人について長く詳しく読みたいなーと思うときがけっこうあったけど。
    いや、本当に町山氏の本ってわかりやすい。

  • 中村佑介さんのイラストジャケ買い。
    そして、ニューヨークへ行くので私の中でアメリカがマイブームとあって読んでみた。

    さまざまな女性のエピソードを読んで、アメリカの自由で成功できる気質、結構自分に合ってるかもしれないと思った。ただ、文章があまりに端的に書かれているので、そのすごさがイマイチ伝わってこないけど、何人かすごく感銘を受けた人がいた。現に、ノーラ・エフロンの映画を二本も観たし。

    今、私が一番したいのは結婚だけど、その後の人生をイメージして行動しなきゃ。結婚して、それからどうしたいのか。家は?仕事は?

    単に観光で行くだけだけど、なにか今後の人生のヒントをつかんで来れるといいな。

  • 女性自体は凄く興味深いけど、微妙に古い煽り文句が辛かった。

  •  『アンアン』の連載コラムをまとめたもの。アメリカに15年暮らしている著者が、「スゴい!」「カッコいい!」と感動した55人のアメリカン・ウーマンを取り上げたコラム集である。
     一人につき3~4ページの短い文章の中に、人となりや業績、スゴイ・ポイントが、的確にわかりやすく盛り込まれている。ポルトレ(人物素描)コラムのお手本のような本。

     ジョディ・フォスターやアンジェリーナ・ジョリー、キャスリン・ビグローなど、誰もが知るビッグネームも含まれているものの、日本ではあまり知られていない女性のほうが多めの人選になっている。

     そして、「最初から恵まれた人よりも、多くの障害を乗り越えた人を多く取り上げ」ている点が、本書の最大の特長といえる。「人種、民族、貧困、身体障害、親によって絶望的に未来を阻まれたが、逆にそれによって誰よりも強くなった人々」が、数多く登場するのだ。

     サッと読み流してしまったコラムも多いが、いくつかのコラムでは壮絶な人生に度肝を抜かれた。

     たとえば、映画『ディア・ブラザー』のヒロインのモデルになったベティ・アン・ウォーターズの半生。

     典型的なホワイト・トラッシュ(貧乏白人)の家庭に生まれながら、殺人の濡れ衣を着せられた兄を救うために弁護士になることを決め(弁護士を雇う金がなかったため)、すさまじい努力で司法試験に合格する。そして、逮捕から18年目にして兄の冤罪を晴らすものの、その半年後に兄は不慮の事故で亡くなってしまう。

     ベティは、せっかくつかんだ弁護士資格と名声を利用することなく、いまも元々の職場であった酒場で働いている。「私は兄を救うために司法試験に受かったの。自分のためじゃない」と……。

     2012年、シリア内戦を取材中に砲撃され殉職した戦場ジャーナリスト、マリー・コルヴィンの人生もすごい。
     2001年に、やはり取材中にロケット砲の破片を受けて片目を失った彼女は、以後、その片目に黒い眼帯をして取材活動をつづけた。

     生前、自分の勇敢さを讃えられたコルヴィンは、こう言い返したという。

    「これから私がどんな戦場に取材に行こうと、そこで黙って耐え忍んでいる普通の住民以上に勇敢であるはずがありません」

     くーっ! シビれるねえ、この名言。

     このような「めっちゃスゴイ女性たち」が、次々と登場する。 
     女性のみならず男にとっても、読むと勇気がわいてくる本だ。

  • 一人一人のエピソードが薄っぺらくて、サクサク読めると言われれば、サクサク読めるんだけど、誰1人心に残らない。
    映画の要約には良いのかもしれないけど、期待したような内容ではなかった。

  • ダニカ・パトリック Danica Sue Patrick サーキットレーサー
    マリー・コルヴィン Marie Colvin 隻眼の紛争地帯ジャーナリスト ,On the Front Line'
    グレース ホッパー Grace Murray Hopper 「バグ」発見の海軍プログラマー
    ヘディ・ラマール Hedy Lamarr 周波数ホッピング(携帯電話の元理論)発明のオーストリア女優

  • さらっと読めて元気出て、コスパいい本だなぁ、笑。

    また頑張ってみようって思えるのは、筆者がスーパーウーマンたちの人間味をうまく伝えてくれてるからだと思う。それにしてもアメリカ社会ってタフだ。自由だけど、とても過酷。

  • すぐに塾本棚行きです。お子らに読ませたい。女性ロールモデルがアイドルくらいしかいなくてアイドルのまねごとばっかりしてるの、すごく残念なんです。

    本当は日本版とか、世界版とか、もっと職業版とか、なんか欲しいなって思います。

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著者プロフィール

1962年生まれ。映画評論家。1995年に雑誌『映画秘宝』を創刊した後、渡米。現在はカリフォルニア州バークレーに在住。近著に『トランピストはマスクをしない コロナとデモでカオスのアメリカ現地報告』(文藝春秋)、『映画には「動機」がある「最前線の映画」を読む Vol.2』(集英社インターナショナル)、『最も危険なアメリカ映画』(集英社文庫)、『町山智浩のシネマトーク 怖い映画』『町山智浩の「アメリカ流れ者」』(スモール出版)などがある。

「2021年 『町山智浩のシネマトーク 恋する映画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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