通史の方法―岩波シリーズ日本近現代史批判 (歴史学叢書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784839003425

作品紹介・あらすじ

戦後65年になる今日、歴史学界のみならず広く国民的にも新しい通史が求められている。岩波の「シリーズ日本近現代史」第一巻から第九巻は、このような要望に答えるために企画・出版されたものである。しかし、明治維新史を中心に日本近現代史を専攻し、通史叙述にも強い関心を持って来た著者は、このシリーズ全巻を検証する。第一巻の「成熟した伝統社会論」、第二巻の「国民国家論」、第七巻の「総力戦体制論」などが批判的に取上げられるが、とりわけ明治維新論や福沢諭吉論などの批判的論述は詳細であり、その論拠と自説とが緻密かつ実証的に展開される。

感想・レビュー・書評

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  • 国民国家論に対し厳しい非難を浴びせているのが印象的。ただその批判の矛先が、はたして届いているかというと、ちょっと疑問があるなあ。

  • 岩波新書の「シリーズ日本近現代史」の総括と書評的な内容です。

    章ごとのボリュームの濃淡が激しく、読むのがしんどいところもあ​りますが、読み応えはありました。

    著者の通史に対する熱い思いが伝わってくる一冊だと思います。

    個人的には、シリーズを編集する過程や、各巻の整合性を埋​める努力が如何にされていたのか、といった通史物作成の内情につ​いて、むしろ知りたかった気もします(笑)

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著者プロフィール

1944年生まれ。
東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。
専攻、日本近代史。
元国立歴史民俗博物館館長(名誉教授)・東京大学名誉教授。

主な著作
『日露戦後政治史の研究』(東京大学出版会、1973年)
『幕末維新風雲通信』 (東京大学出版会、1978年)
『天皇制の政治史的研究』(校倉書房、1981年)
『国際政治下の近代日本』(山川出版社、1987年)
『幕末維新期の文化と情報』(名著刊行会、1994年)
『幕末維新期の社会的政治史研究』(岩波書店、1999年)
『歴史のなかの新撰組』(岩波書店、2004年)
『通史の方法』(名著刊行会、2010年)
『幕末維新変革史』(岩波書店、2012年) 
『歴史のなかの『夜明け前』 平田国学の幕末維新』(吉川弘文館・2015年)

「2018年 『幕末維新像の新展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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