官僚に学ぶ仕事術 ~最小のインプットで最良のアウトプットを実現する霞が関流テクニック~ (マイコミ新書)

著者 :
  • 毎日コミュニケーションズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784839938574

作品紹介・あらすじ

現役のキャリア官僚が霞が関で培ってきた仕事術について紹介。日本最高峰の頭脳集団が実践する、最小のインプットで最良のアウトプットを生み出すテクニック。

感想・レビュー・書評

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  • 主旨:霞が関の仕事をこなす中で培った仕事術の紹介です。質の高い仕事をこなすために必要と思われる人脈術、読書術、営業術を合わせて紹介とあります。

    限られた時間の中で、インプットと、最大のアウトプットをするための試行錯誤が紹介されていると感じました。

    気になったことは以下です。

    ・国会答弁 政治家に説明するための時間は、3分。1枚紙と呼ばれる要点を簡潔に記載した1ペーパーを用意している。
    ・締め切り時刻が過ぎると、意見がないとみなされる。つまり、アウトプットゼロになってしまう。
    ・やるべき仕事リストを作ったら、自分で完結する仕事か、他人が絡む仕事かを確認して、他人が絡む仕事を優先的に処理をする
    ・午前中はできるだけ頭のつかって考える仕事をする(この人が朝タイプなので)
    ・上司や幹部、関係者のコンセンサスを得ていく過程で選定理由について自分が説明責任を負う
    ・資料は、可能な限り文字量を抑え、一目みてわかりやすい資料をつくる。残りは添付するが、それも最小限に情報を押さえる。
    ・官僚の基本は、文書作成、答弁資料だけでなく、原稿、省内配布資料、報告書。大臣が良く使う、大臣ワードを混ぜておく
    ・まずもとめられるのは、量、次に質、仕事の質は失敗なく処理できる程度
    ・大量の仕事は、まず時間内に処理することしかも、できるだけ早く。
    ・ポストは、早ければ半年、多くても2年で異動していく。
    ・出世する人の特徴、忙しい人。それは、できるから。人より処理能力が高いから、多くの仕事、重要な仕事を任せてもらえるから。
    ・たとえ、どんなにいそがしくても、できる人は、余裕を失わない。
    ・上にいけばいくほど、専門的な人とのやり取りが多くなるから、インプットが欠かせない。たくさんの本を厳選しながら読んで予習をしておく。読書家でないと務まらない。
    ・まず、マストな内部人脈をきっちりかためる。そして、仕事の幅を広げるために、ベターな外部人脈をつくっていく。
    ・元上司、元部下には、異動しても気軽に連絡をとりあうようにする。何気ない情報が相手にとって有用な場合も。
    ・人を良く観察し、分析しておく。冗談が言える仲に。上司の性格を把握しておく。論破しない、説得しない。関係を有効に保つこと。
    ・霞が関は、浪花節。挨拶回りや、近況報告も。
    ・普段はメールでも、急ぎや重要であれば、メモや、電話やFAXもうまく使う。
    ・話や本の内容で感動したら、相手に会おう。
    ・速読 スキミング
    ・新聞はよまない。速報性にかけるので。
    ・一次的なフロー情報よりも、深いストック情報。書籍を読む時間を確保する
    ・自分の中に、情報を取捨選択できるモノサシをもつ。アンテナをもつ。

    目次

    はじめに

    第1章 霞が関で求められる仕事術
    第2章 キャリア官僚の人脈術&コミュニケーション術
    第3章 トップ1%になる官僚の読書術
    第4章 世界の現場で通用する英語術
    第5章 仕事に充実させる官僚のプライベートライフ
    第6章 本当に豊かな人生を送るために

    おわりに

    参考文献

  • 読書についての名言あり。
    引用タグ参照。

  • 朝は頭を使う仕事をする

    インプットにはまりすぎないよう気を付ける

    情報を取捨選択する上での基準を持つ

    フロー情報は良質なストック情報に触れることでより深く理解することが出来る

    プレゼンテーションは予習あるのみ

    英語はリスニングから。
    目標を設定して、弱点をTOEICで

    家計簿をつけよう

    ブーメラン効果

  • 図書館の返却コーナーでタイトルだけみて借りて読んだ本です。現在では、官僚が全体として新しいビジネス術で仕事をしているかと思って読んだのですが、実際は、この本の著者(官僚)が実施しているビジネス術の紹介でした。

    官僚は、国会開会中における大臣の答弁作成が最も重要であること、質問が明確になるのが1日前なので、毎回、徹夜態勢で臨む必要があるそうです。また、事前にいろいろな工夫(これがビジネス術なのでしょうね)をして、答弁を作りやすいものにすることが「できる官僚」の要件のようです。

    また、本人の経験に基づいた、読書や英語勉強の仕方も紹介されていて、役立つ部分もあると思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・読書はアウトプットを意識しながら激選して頭に刻み込んだ方が効率がよい(p53)

    ・外部人脈を気にする前に、内部人脈(社内・組織内)をきっちり固めるほうが、仕事上の成果を出すうえでは効果が高い(p64)

    ・上司との関係を良くするには、1)上司の性格を把握、2)仕事以外でもコミュニケーション、3)説得しないで上司との関係を良好に保つ(p69)

    ・メールを書く場合は、件名が重要、具体的なものにする(p72)

    ・マメに連絡する人が効果的に人脈を維持して、新たな人脈も作ることができる(p90)

    ・プレゼン資料の中のテキストは、激選して本当のポイントのみを書く、6wordx6行(p93)

    ・労働力人口のうち、年間ベストセラー1位のビジネス書を読んだ人は、たった0.5%(p104)

    ・外国語習得は、まずはリスニング、次第にリーディング、ライティング、そしてスピーキング(p135)

    ・英語で発言できるか否かは、英語の問題よりは、純粋に問題意識(質問力)である(p157)

    ・1日1万歩が良い理由は、平均的な現代人の摂取オーバーとされる200キロカロリーと、体内に蓄えられた100キロカロリーを消費するのが1万歩なので(p171)

    ・自分で制御できない事には怒らないで、この状況の捉え方を変える方がベター(p204)

    2013年4月29日作成

  • 得るものが少ない一冊。
    官僚に学ぶ、とあるわりにご本人は自他共に認める異色の官僚のようですし半分くらいはテクニックよりも精神論な感じに読めてしまう。まぁ自分自身が仕事術とか整理術系の本は大量に読みあさっているからかもしれませんが。
    日本の官僚制度の実態と無駄がよくわかるので星は1つおまけです。

  • 『仕事術』と言うより、官僚の激務と、留学の経験から著者が学んだ『基本的な考え方』を紹介されていると感じた。激務をこなしていくためのハウツーといった趣は感じられなかった。
    個人的には、仕事術という漠然としたことより、官僚という人達がどれだけ大変な立場でご苦労されているか、のほうが印象に残った(著者の真意の一つにそれがあるのでは、と思う)。いわゆるスーパーエリートである著者が、どんな苦労をしながら、どのような問題に取り組み、そして留学を経て、ワークライフバランスの重要性に気づいた、というのが大きな流れであった。
    著者にとって初の著書とのことで、それゆえなのか、編集者のせいなのか分からないが、話の展開が早過ぎ、若干まとまりのなさを感じた。著者は想いがあり、読ませる文才もあるが、絶対的なポイント!というのがハッキリしていないような気がした。もちろん、読み手側の読解力の無さが大きな要因ではあるが。

  • 本の主題ではないが、官僚の皆様が無駄なサービス残業をしていることがよく分かる。政治家に振り回されてご苦労様です。

    仕事においてはスピードを重視すること、そのためにいかに効率的に仕事をすることが大切であることが書かれていた。

    その他英語に関することやNPOに関することなど思っていたよりも内容が多岐にわたっており良かった。

    しばらく著者のBlogやFacebookを購読し、Twitterでフォローしてみようと思う。

  • 《良かった点》
    ▼ 実用性
    具体的な場面や行動を礼儀列挙している。
    使う場面を想像しやすく、かつ、すぐに実践できる。
    何よりも豊富な経験に裏付けられている。
    留学経験や「新しい霞ヶ関を創る若手の会(プロジェクトK)」など。

    《学んだこと》
    ▼ 目的は何か
    必ず目的を設定し、それを達成するための目標や戦略を立てている。
    目的さえ達成できればいいから、インプットは最小限に抑える。

    ▼ 挑戦し続ける者が強い
    社会の前線で活躍している人やすごいと思える人は常に挑戦している。
    新しい場に身を置き、新しい人・価値観・世界に出会い続けている。
    そして霞ヶ関を飛びてて、自分ができることを認識して実践している。

    ▼ 良質なストック情報に触れる
    新聞やテレビはフロー情報を発信する。時間が経てば価値は失われる情報だ。
    情報収集という目的を達成するためにそれに時間をかけるよりも、ストック情報に触れよう。
    書籍はその最も有効な手段の一つだ。
    つまみ食いでいいから、より多くの本に触れることが大事。

    《ぐっときたフレーズ》
    「今の日本に問題があるとしたら、経済力が低下したことや、旧来の幸せモデルが崩れたこと自体ではなく、それについて悲観しているメンタルの部分ではないでしょうか。」

    《これからの行動指針》
    ▼ 目的意識
    ①目的設定
    ②目的を達成するために必要な目標の設定
    ③目標を達成するための最小限の行動を検討
    ④実践!
    ⑤目的に適っているかを確認して修正

    ▼ 挑戦しているか
    常に新しいことに挑戦する。
    新しい人・環境に出会い、価値観・世界観を広げ続ける。

  • 若手公務員向けの本ですね。

    民間と霞ヶ関の両方を経験した私の視点で見ると、霞ヶ関の仕事は、超短期知識詰め込み、定型的なアウトプットが特徴。話し方も書類も手続きも交渉も配慮も、霞ヶ関and永田町のお作法があり、それに沿う必要がある。

    霞ヶ関のできる人は、そのお作法に沿って、猛スピードで動ける人。彼らはそれこそ東大受験の勢いで、突発的に飛んで来るものを、驚くべきスピードで捌く。

    そんな中で生き延びたい人はこの本を読むとよいだろう。

    民間企業はもっと柔軟でクリエイティブ。最後は利益を出せればよく、その過程はかなりショートカットしたり、自分の色を出したり、新しいことを試したりできる。こちら側の人は 安宅さんの「イシューから始めよ」とかを読む方がずっと役に立つだろう。

    それから、うーん。。。内容が鼻持ちならないですね。霞ヶ関にはこういう人がいる。本人は誠実に話をしているつもりであり自慢する気は全くないけど、東大京大であることが普通の世界なので、経験値や偏差値が普通レベルの一般人が抱く嫉妬や劣等感に対する配慮がない。

    民間の清濁への経験値が低いので、歳のわりに勝間和代系なのもちょっとイタイ感じが、、

    結果として、書かれたものが、読者の(私の?)共感を得ない浅い成功術、成功談、自慢話ばかりに見え、おもしろくはない。

    すごそうに見える自分だが、実はこんなにバカだ、とか、こんな大失敗をした、とかいう話があればおもしろかったのにな。

    でも、ま、学ぶところはあります。

    ・上司と友達になる

    ・全てを知ることはできない。全ての資料を読むこともできない。アウトプットに必要なものを勉強する。

    以上

  • キャリア官僚が、自分の経験を綴ってその学びをまとめた本。所々に意識高い感じが出ていた。
    参考になる部分はあったが、一般的なことの羅列の気がした。

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著者プロフィール

(くぼた たかし)静岡県掛川市市長。


「2019年 『SDGsとまちづくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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