カクレカラクリ—An Automaton in Long Sleep

著者 :
  • KADOKAWA(メディアファクトリー)
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840116008

作品紹介・あらすじ

廃墟マニアの郡司朋成と栗城洋輔は、同じ大学に通う真知花梨に招かれて鈴鳴村にやって来た。その地にある廃墟施設を探検するためだ。だが彼らを待ち受けていたのは奇妙な伝説だった。鈴鳴村にはかつて天才絡繰り師が住んでいたが、120年後に作動するという絡繰りを遺してこの世を去った。今年はまさに絡繰りが作動するその年にあたるというのだ!2人は花梨と妹の玲奈の協力を得て、隠された絡繰りを探し始めるのだが…。

感想・レビュー・書評

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  • 120年前にしかけられたカラクリを探す話。それにしても、120年先の未来の子孫たちにメッセージを伝えるためにカラクリをつくるってなんか推理小説ながらもロマンを感じた…。森さんならではの倫理的展開もよかったです。

    2014.9.28(1回目)

  • 廃墟や廃屋などの古びた構造物がこよなく好きな大学生、
    郡司朋成と栗城洋輔の二人は、同じ大学に通う真知花梨に招かれ、
    彼女の実家がある鈴鳴村へとやって来た。
    花梨に接近できたことに浮き足立ちながらも、
    村にある廃墟となった工場を探検することも怠らない二人。
    彼らは、花梨とその妹の玲奈から、村に残る言い伝えの話を聞く。
    それは、鈴鳴村にはかつて天才絡繰り師がいて、
    120年後に作動するという絡繰りを村のどこかに隠したというもの。
    そして、今年はその絡繰りが作動すると言われている
    ちょうどその年にあたるというのだ。
    二人は花梨や玲奈らの協力を得て、隠れ絡繰りを探し始めるが――。

    コカ・コーラ120周年を記念して、2006年に書き下ろされた作品。
    森博嗣作品の中で初めて映像化された作品でもある。

    確かこの作品は初めからドラマ化が決定したうえで書かれたもの。
    なので、普段の森博嗣作品とは明らかに雰囲気が違う。

    まず、抽象的なシーンというものがまったくない。
    具体的な場面がばっちり思い浮かぶ描写ばかり。
    さらに、描かれている風景がどれも非常に絵になるのだ。
    非常にヴィジュアルを意識して書かれた作品と言えるだろう。

    また、全体的に極めてほのぼのとした雰囲気が漂っている。
    ここまで徹底的にのどかな作風のものは、
    これまでの森作品にはなかったものだろう。

    非常にサービスしてくれているというか、
    シビアな要求に忠実に従った結果こうなったというか、
    とにかく、コカ・コーラ120周年とか、ドラマ化とか、
    そういった大規模でメジャーなプロジェクトの一環として
    書かれた作品だからこそこのようになったことは確かだろう。

    もちろん、クオリティはとても高い。
    人間が成したことや、人間が生み出したもの、
    そこから伝わってくる人間の意志の迫力。
    そうして人間の意志が伝わることの素晴らしさ。
    こういったことがラストで描かれるが、
    その考え方は自分の思想と近いところがあり、
    共感を覚えるとともに、感動も覚えた。

    ところどころに遊び心を潜ませているし、
    キャラクターたちの人間関係はやけに爽やか。
    だが、人物造形には森博嗣らしさが顕著に現れている。
    おそらく、ドラマ化した際、この原作を
    忠実に再現することは無理だっただろうと思われる。
    なぜなら、登場人物はほぼみんな頭が良いから。
    あのインテリジェンスを、不自然さを感じさせずに
    表現できる役者というのは、おそらくいない。

    まるで児童書のように当り障りのないストーリーのため、
    濃いどろどろしたものをお望みの方には物足りないだろうが、
    あっさりとした佳作をお望みの方にはオススメ。
    もちろん、森博嗣のファンなら必読である。

  • コカ・コーラどんだけ飲むんかと思ったら記念作品だった。内容は普通。

  • コカコーラとのタイアップ作品ね。既読だったわ。

  • Quote
     "空に浮かんでいる星と同じで、見ている者には綺麗だけれど、近くで見れば、必ず主のある物体なのだ。"

    本の内容とは関係ないけれど、この部分、思うところあり、刺さった。

    小説としては、、、うむぅ、微妙に中途半端な気が・・・

  • 少年少女向け小説。
    肝心の絡繰りの下りの文章を映像化できず、あまり楽しめなかった。

  • こういう誰も傷つかないミステリーがタイトルで見分けられるようになりたい

  • 著者の森博嗣さんのミステリ小説では、デビュー作でTVドラマや漫画、アニメなどメディア展開もされている「すべてがFになる」から始まるシリーズが、よく知られています。 「カクレカラクリ」も森作品初のTVドラマ化されており、知っている、見たことがあるという人もいるのではないでしょうか。原作小説も非常に読みやすくなっていますので、今まで小説を読んだことがないという人にもオススメです。また,ドラマは見たことがあるけれど、原作は見たことがないという人は、違いを探してみるのも面白いかもしれません。
    (教員推薦)

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    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00542051

  • 期待したほどじゃなかったけど、面白かったです

  • 【あらすじ】
    同級生の真知花梨とともに鈴鳴村を訪れた郡司朋成と栗城洋輔。彼らを待ち受けていたのは村に伝わる奇妙な伝説だった。天才絡繰り師・礒貝機九朗は、120年後に作動する謎の絡繰りを密かに作り、村のどこかに隠した。言い伝えが本当ならば、120年めに当たる今年、それが動きだすという……。

    【感想】

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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