ヴィリ (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)

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  • Amazon.co.jp ・マンガ (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840119689

感想・レビュー・書評

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  • 山岸先生のバレエ漫画。飛びついて読むはずのものに今まで手を出さなかったのは、「テレプシコーラ」第1部の衝撃があまりに強かったから。この「ヴィリ」は第1部終了のすぐ後だったのだ。

    「ヴィリ」を読んだ後、辛くてずっと読み返せなかった「テレプシコーラ」をパラパラめくってみたけれど、やっぱりダメだ。千花ちゃんが出てくると、もうたまらない。第2部は何度も読み返しているんだけど。

    本作の方がずっと山岸マンガらしい。もう若くない女性の葛藤が、鬼気迫るタッチで描かれていて、ホラー要素もある(これが怖い!)。こういうのを描ける人は他にないだろうなあ。

    限りないリスペクトを捧げつつ、気になった点を一つ。背景が白っぽいのはわざとだろうか? 建物や、室内の様子とか、車とか、線描のような感じで質感に乏しい。もともとすごく描き込むタイプではないけれど、それにしてもこれは…。

  • バレエ、心霊、心理劇――。これぞ山岸さんの漫画!って感じの読み応え。希望が持てるラストもいいです。

  • テレプシコーラを読んでからこの作者のバレエもの全部読みたくて借りた本。前半やや眠たくなるくらいの展開で最後まで読めないかも、と思っていたら急展開、最後まで一気に読みました。

  • 救いのあるラストです。恋と我が子、バレエまで失って、何もかも無くなったと思いきや、他の人は去っていかなかった。その有難みを噛みしめていたら、麻痺していた足に感覚が? もし礼奈がバレリーナとして復帰できたとしたら、赦すジゼルを踊れるでしょうか。

  • 「テレプシコーラ」にチャレンジしたいなぁ……と思いつつ、
    横にあった本書に手を伸ばす。
    彼女の自選短編集では、中年女性の情念を少女が見てしまう、という構図が多かったが、
    今回は四十三歳女性が主役。
    はっきり嫉妬を持ちながら、かなり理性的なところが、よい主役といえる。
    さらに怪異談でもホラーでもある、しかもさわやかな面もある、という佳作。

  • バレエ界が垣間見える。
    山岸バレエの話はいつも似ていて飽きてきたかも。

  • バレエ団を経営し自身もバレリーナである43歳の女性。
    彼女はパトロンであるIT社長に恋をしていた。

    「ジゼル」の公演を真直に控えバレエ団が活気づく中、彼女の娘はレッスンに身が入らないようす。
    そんな折、海外で修行を積んだ若いバレリーナがバレエ団に戻ってくる。
    実力をつけた彼女の踊りに軽い焦りを感じる主人公。

    さらに多分自分と同じ思いであるだろうと思っていたパトロンの男性から彼女につきつけられた現実はあまりに残酷なものだった。
    そんな身も心も疲れ果てた彼女に舞台公演を前にして襲った出来事は-。

    主人公の女性が同世代なので共感できました。
    いつもの山岸凉子さんの本に比べるとちょっとおとなしめな内容でした。
    ちょっとだけ恐い。
    だけど読後感は明るくていい。

  • 母と娘の葛藤がバレエを通じて描かれます。結構ドロドロしているのに読後は爽快に。

  • 夜読むと怖くて眠れなくなります!!
    絵がリアルで余計に怖いです!!!

  • ヒロインの失望とショック……その後が意外に真っ当。
    過剰な思い込みをしていた自分自身を恥じるんですな。
    人間として恥ずかしい、と。
    予想外ですが説得力満点。
    また、そうでなければ、
    あの微かな希望を匂わせるラストには繋がっていかないわけで。
    人の欲や業が描かれていますが読後感はスッキリ。

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著者プロフィール

山岸凉子(やまぎし・りょうこ)
1947年北海道生まれ。69年デビュー後に上京。作品は、東西の神話、バレエ、ホラーなど幅広く、代表作に「アラベスク」「日出処の天子」「テレプシコーラ/舞姫」など。

「2021年 『楠勝平コレクション 山岸凉子と読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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