忘れない。―贈りものをめぐる十の話 (ダ・ヴィンチブックス)

著者 :
制作 : ダ・ヴィンチ編集部 
  • メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840121224

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  • 忘れない。―贈りものをめぐる十の話 (ダ・ヴィンチブックス)

  • さらさらと流れていく物語ばかりのなかでかろうじて心にひっかかったのが、「ワスレナグサ」「カノジョの飴」「雪が降る」。
    “贈りもの”が主題となっていることに途中で気がついたのだけれど、そしてそうであるならばどれも納得のいく内容なのだけれど、だからこそ、忘れない、というタイトルはいまいちだったのではないかと思う。

    それはそうと、妻の好みも希望も無視してひたすらに自分の贈りたいものをプレゼントし続ける夫を描いた「虹色の傘」の次にくる「メーカーズマーク」で、恋人の妹の恋人(つまりは他人)からウイスキーを貰ったときにもっと喜んであげればよかったと後悔する主人公へ恋人が言い放つ言葉がいい。

    プレゼントをあげるのって結局は自分のためなんだから、貰った側がそんなに気にすることないのよ。

  • 色々な作家の贈り物を巡るアンソロジー。
    短編集の持ち味を再確認。
    知らない場所にできたほくろみたいにそっとどこかに残る話がある。それはある時突然姿を現す。
    ストーリーとしての面白みだとかではなく、物語の手触りに惹かれたのが山本幸久/雪が降る 

    2007年12月14日 ダビンチ編集 メディアファクトリー

  • 山本幸久・福田栄一目当てで読んでみたけど全体的にイマイチでした

  • テーマごとのアンソロジー集。
    今回のテーマは「プレゼント」。
    このシリーズで一番全体のレベルが低いというかコレというのがなく。

    拒食症らしいクラスメイトと主人公とのささやかな交流を描いた生田紗代の「カノジョの飴」が雰囲気もあり、よかったかなあ、くらい。

    ラインナップも失礼ながら小粒だった気が。
    たぶんこの中では一番知名度の高そうな市川拓司は、ああ、いかにもという感じ。
    畠中恵はイメージと違った、そして理屈っぽくてあまり好きではない系統だった。

  • 「プレゼント」をテーマに10人の作家が綴る短編集人の想いが隠れているプレゼントは友達へ家族へそして大好きな人へ想いも相手もさまざま、10人の作家さんが同じテーマで織りなす物語はやはり好き、嫌い、よくわからないもの、共感できるものとキッパリ分かれました、その中で私が気に入ったものを2つ「虹色の傘」夫が妻に誕生日でもなく、記念日でもないのに急に小箱のケースを渡す妻は急なプレゼントに浮気?と疑いつつも、もしかしたらダイヤだったりする?なんて期待を抑えつつ開けてみると中から甲羅がエメラルドのカメのブローチ妻・・絶句!夫はこれまでもいろいろプレゼントはしていると言うよく聞いてみると、出張のお土産の鯖寿司だの万能カッター、子供の工作で作ったような携帯ストラップにへんてこなマグカップetc・・・用は妻の趣味に適ったものであった試がないという事しかし妻は夫のプレゼントに対して、不毛な会話はしないのだただ、妻の心の声がかなり笑えて共感できた。とどめのプレゼントは黄緑色のポロシャツ、これも絶句。息子と夫から「似合う、似合う」とはしゃがれると気持ちは複雑だけど何故だか、ありがとうとう感謝の気持ちが湧き起る・・・なんてなんとも微笑ましいお話です。「クリスマスローズ」結婚して初めてのクリスマスイヴ、仕事が終わり夫との待ち合わせ場所へ行く途中にあった「薔薇専門店」が目に入り昔の許されない恋を思い出す妻。彼が来る日は、部屋を薔薇で飾っていた、彼が帰ったあとの寂しさを埋めるためと、彼にすがらないように自分を抑えるために誇り高き薔薇が必要だった。しかし根を持たない花は必ず枯れるそして育てることができない・・・。彼女は許されない恋を終わらせ、根を持たない花は買わないと決める待ち合わせ場所にやってきた夫から貰ったクリスマスプレゼントは鉢植えのクリスマスローズ「二人で一緒に育てていける花がいいかな」「大切に育てると毎年ちゃんと花が咲く」「真冬に花があるといいよね」。まさにストライク、泣いちゃいますねっ対照的な夫二人ですが妻の事を想ってプレゼントしている事は間違いないんですよね〜私ごとですが、前の会社を辞める時、いきつけのお店のママさんから鉢植えの花をもらいました。花が咲き終わりベランダにあるプランターに鉢変えをしてから、かれこれ11年、手入れは何もしていないのに毎年白い花が咲いてくれます。花を見るとママさんのこと、あの頃の事を自然と思い出します。そして来年もまた咲いてね・・とつぶやいてしまいます。忘れられない贈り物です。

  • 10/07/06 気軽に読める楽しい本。「夜のかさぶた」が良かった。

  • ”贈り物”をテーマに、色々な作家さんによって綴られたアンソロジー。
    本の雑誌『ダ・ヴィンチ』に掲載されていたものが編集され文庫化となっています。

    作品1つ1つによってストーリー性が異なるので、
    電車の移動やちょっとした時間にさくっと読める一冊です。

    タイトルの「忘れない。」にちなんだ話は
    一番初めの市川拓司さんの作品だけかな、とも思いましたが、
    私にとってはタイトルとの関連性はそんなに気にならなかったので...(^^)

    こういうアンソロジーは新しい作家さんと出会えるので
    楽しみながら読むことが出来ました。

  • サナトリウムのような施設ではぐくまれた淡い恋。不思議な眠り病。勿忘草のペンダント・・・「ワスレナグサ」(市川拓司)

    夫からセンスのない贈り物を贈られる幸せ。黄緑色のポロシャツ・・・「虹色の傘」(大島真寿美)

    ウィスキーを飲むと思いだす、妹のかつての恋人。バーボンウィスキーのメーカーズマーク・・・「メーカーズマーク」(樋口直哉)

    学校のベランダで給食の時間を過ごすクラスメイトの孤独と幸福。熊の形のビンに入れられた、色とりどりの飴たち・・・「カノジョの飴」(生田紗代)

    卒業式の鳴らなかったチャイム。タイムスリップ。渡せなかったカセットテープ・・・「四月の風はさくら色」(村崎友)

    若妻が解く、夫の後輩の小さなウソ。老舗の和菓子店。ねだられる茶器のセット・・・「引き出物」(畠中恵)

    机の中の小さな箱。入っていたお御籤が結んだ縁・・・「a fortune slip」(福田栄一)

    夢のように島に現れた、元同級生のニュースキャスター。金色の鱗を残し、彼女は夢のように去って行った・・・「夜のかさぶた」(長谷川純子)

    別れた婚約者の母親との度重なる会食。彼女が残したのは楽しい思い出とスノードーム・・・「雪が降る」(山本幸久)

    薔薇には悲しい思い出が。愛する人がくれたのは、二人で一緒に育てていける花・・・「クリスマスローズ」(小手毬るい)

    映画を見ているような「ワスレナグサ」、じっとりとした不思議な夜の情感をたのしめる「夜のかさぶた」、奇妙な関係の奇妙な友情に惹かれる「雪が降る」がよかった

  • 「贈りもの」をテーマにした10人の作家の短編。

    ひとつのキーワードでこんなにも多様なストーリーができあがることに感動し、自分も「贈りもの」をテーマに文章を書きたくなった。そして誰かに贈りものをしたくなった。
    贈りものって、あたたかい。だから、すべての物語があたたかい。

    「虹色の傘」がよかった。

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