深泥丘奇談 (幽BOOKS)

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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840121743

感想・レビュー・書評

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  • この世には不思議なことなど何もない―とは、おそらく今この国で最も有名な古本屋の決め台詞だが、本当にそうだろうか、と近頃しばしば思うようになった。

    というわけで、綾辻行人さん『深泥丘奇談』です
    ご自身をモデルとしたミステリー作家の「私」の摩訶不思議な体験記という体裁

    全編に渡って登場する”九州生まれ”の奥さんがオカルトの類を全否定していたり、京都を思わせる舞台の地名が変な変換をされていたり、”あの人”への挑戦的な書き出しの短編があったりと遊び心満載

    ホラー小説の定番とも言える何も解決されない結末が消化不良なんですが、謎めいた奥さんとのやり取りが睦まじくも感じられ近隣図書館の「いい夫婦の日」企画にぴったりな選書だったのかとも思ったりしました

    やるなーわが町の図書館の司書さん
    ★3だけどw

    • 1Q84O1さん
      わが町の図書館の司書さんも何かしないかな〜w
      わが町の図書館の司書さんも何かしないかな〜w
      2023/11/23
    • ひまわりめろんさん
      いつも行くところはすごく小さな図書館なんだがけっこう色々やってるね〜
      熱心な人が多いみたい
      けっこう楽しい
      いつも行くところはすごく小さな図書館なんだがけっこう色々やってるね〜
      熱心な人が多いみたい
      けっこう楽しい
      2023/11/25
    • 1Q84O1さん
      昨日、図書館行きましたが今は何もしてなかったです…
      これからも気にして見てみます^_^
      昨日、図書館行きましたが今は何もしてなかったです…
      これからも気にして見てみます^_^
      2023/11/25
  • 綾辻さんの作品の中でも、そんなにおどろおどろしいもにでもなく、ただただ不可解で、次のお話がどんな風になっていくのかがとっても気になる…そんな作品です。装丁がいいですよね、表紙だけでなく、挿絵的にその時々に関連する絵が随所に散りばめられているような感じです。

  • 何この装丁!凄い!と思ったら、案の定祖父江さんのデザインだった。

    単行本で買って良かったです。
    カバー下だけでなく、中身まで凝りに凝ったデザイン。
    こういう素敵な本を手に取ってしまったら、電子書籍は味気ないですね。

    可愛らしい表紙絵に似合わず、なかなか奇妙なお話でした。
    京都という場所は、不思議とこういう怪しい雰囲気が似合いますね。

    綾辻さんご自身をモデルにしたと思われるような、作家の主人公。
    (となると、奥さんは小野不由美さんかしら?)
    日常と幻想のあわいにいるような描写に、読者までくらくらしそう。

    病院の壁から浮き出る不気味な顔。
    その顔から発せられる得体の知れない「ちちち…」が妙に怖い(笑)
    歯の治療に使う"サムザムシ"も、別の意味で鳥肌が立ちました…。

    どのお話もはっきりとしたオチがなく、曖昧なままで終わるのですが、
    それがまたこの作品の雰囲気にマッチしていました。

  • 妻も病院の人間も気味が悪くて、すごく厭なホラー。話全体も現象も、なんていうか物語の底辺から気持ち悪いね。読んでて不可解なところが多かったけどある意味そういうぐちゃぐちゃな感じにしてるのはすごい。ホラーってか「怪談」のが近い気がする。周囲がこんなだったら人間不信になりそう。

  • 2時間ほどで一気に読了しました。形状しがたく圧倒的なもの、そこはかとないオソレのようなもの、記憶の古層になんとなくモヤモヤと残るもの…。今を舞台とした小説ですが「昔は案外このように恐れ鎮めていたのではないか」と妙に感じさせられました。

  • イラスト:佐藤昌美さん
    デザイン:祖父江慎さん+コズフィッシュさん

    文庫もあるけれど、このかわいらしいイラストを見てほしい。

  • 図書館。
    高熱が出た時に見る夢の中の京都、という雰囲気。一話目を読み終わった時は、なんだ、綾辻行人ってこんな不可解な作品も書くのか、と拍子抜けしたけれど、読み進めていくにつれ、悪い夢の中の古都に引き込まれていった。結構好き。

  • 予想と異なっていた。怖いわけでもなく、伏線回収するわけでもなく、不思議なことの解説があるわけでもなく、モヤモヤ感が残る消化不良な話が多い。

  • 以前に読んだ「傑作ミステリーアンソロジー 京都迷宮小路」の中に収録されていた作品が面白かったので、元のシリーズを手に取りました。
    架空の京都が舞台だけれど、例によってスマホ片手に地図検索。
    当たりをつけながら読むのも謎解き。

    ちょっと懐かしい感じの怪奇小説とか、土地の霊が出てくる遠野物語系なども彷彿とさせる。
    グロテスクになってしまう一歩手前で止まっているのも好ましいし、会話のやり取りや、オチがクスリと笑える要素があるのもいい。
    「開けるな」のオチは、思わずスライディングしてしまいそうな…
    『続』と『続々』も、もちろん読みます!


    「顔」
    その後、順調に育っているのでしょうか。

    「丘の向こう」
    何かがやってくる系。

    「長びく雨」
    アンソロジーに載っていたもの。
    怖いけど、「ウソでしょう?」って、思わず笑ってしまう。

    「悪霊憑き」
    これはちょっと毛色が違う。
    グロテスク、ベチャグチョドロ系だけれど、オチは筋の通った説明がつく。

    「サムザムシ」
    一生虫歯にならないって言われても…
    いやあああああ…

    「開けるな」
    石倉医師、結構好きです。

    「六山の夜」
    何かがやってくる系、その二。
    何だったんだろう、私、気になります。
    山に描かれる文字や記号もいろいろ勘ぐってしまうし、点火の順番も、一番目は同じだけど、次は逆からとか…

    「深泥丘魔術団」
    "私"はもうすでに取り込まれているのでは…というか、おもちゃにされているのでは…

    「声」
    ワタシは、オクサンの正体が気になるのです。

  • 今月は面白い本をたくさん読めてラッキーです。
    「悩みどころと逃げどころ」「簡単にくらせ」「魚神」にこの本、いっぺんに読んで、どれもこれもが「もう一度読みたい」と思うものばかりで、でも時間は有限なんで困りました。
    これは短編連作、好みなジャンルの作風なんで、図書館に返す前にもう一度読みました。
    (「優しいもの哀しい」作品も「哀しいホラー」もモチロン好きですが)、この「気持ち悪い感じ・どこか狂った世界」チックな物語も好みなんですよね。
    続編が出てるようなので、借りて読もうと思います。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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