アクアノートとクラゲの涙 (ダ・ヴィンチブックス)

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  • メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840132633

作品紹介・あらすじ

死んだはずの彼女に、ぼくは恋をした。海底調査人が深海を調べるように、館にとどまる"ぼく"。死ぬことのできないクラゲのように、哀しみに身をゆだねる水無瀬。二人のたどりつく先とは-。

感想・レビュー・書評

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  • 時間がない!けど何か本を読みたい!という方にオススメです。

    生と死をテーマにしているので「重ためのお話しかな?」と思いましたが、ページ数の割には密度が小さく、さらっと読めました。重いテーマにも関わらず川の流れのように話を進めた作者さんの技量には驚きです‼︎
    あと、ベニクラゲの奇妙な生態については初耳でした。色々自分でも調べてみましたが、勉強になります。
     

  • さらっと読めた
    スープの国の〜 の方が好み

  • 【あらすじ】
    死んだはずの彼女に、ぼくは恋をした。
    海底に暮らす潜水夫<アクアノート>。死ぬことができずただ海をただようクラゲ――。
    祖父がかつて買い取ったという洋館・海月館に、夏休み、ひとりで訪れた百彦。カメラを手に、あてもなくただふらりとやってきたその館で、一人の少女に声をかけられる。
    気の強い、どこかなぞめいた雰囲気をもつ彼女は言う。「わたしはもう、死んでるの」――。
    戸惑いながら次第に彼女に惹かれていく百彦の前に、今度は死んだはずの祖父が現れ、彼女をよみがえらせたのは死んだ百彦の父だと告げる。
    出張に出ていたはずなのに、なぜかうみべのこの地で事故死した父。父と水無瀬の関係とは? そして彼女の抱く真実とは……?

    【感想】

  • 高校生の男の子と幽霊の女の子の忘れられない一夏の恋。切ないけど、とても繊細で綺麗なお話だった。樋口さんの作品では一番好きです。

  • 死や生きることについて考えさせられた。
    重いテーマではあったが、透明感があって明るい雰囲気もあり、読みやすかった。

  • 生と死の境界線、うつりゆく季節と命。人魚姫がモチーフだけあって切ないけど、すごく世界観はすきだった。
    水無瀬が『悪い人がでてこない、みんな必死に生きようとした結果の悲しいはなし』みたいなこといってたのが印象的だった、
    しっとりとした、素敵な読みやすい小説

  • 読みやすいし、
    なかなかよかった!

    人魚姫ぽい

  • 死は何よりも雄弁で甘美。

  • 夏休み、祖父がかつて買い取った洋館・海月館にふらりと訪れた百彦はミステリアスで気の強い少女と出会う。「わたしはもう、死んでるの」と言う彼女にとまどいながらも惹かれていく百彦。死んだはずの祖父が現れ、彼女をよみがえらせたのは百彦の死んだ父だと告げる。出張だったはずなのに、父は海辺のこの地で事故死した。父と彼女の関係は・彼女の抱く真実とは?

  • 17歳の夏休み。
    百彦は父が遺した『海月館』を訪れる。なぜ父はこんな辺鄙な土地で死んだのか、訪れれば何かわかるかもしれないと思っての訪問だった。

    そんな矢先、彼は館で一人の少女と出会う。水無瀬と名乗る彼女は僕にこう告白した。

    −わたし、もう死んでるのよ。あなたのお父さんは、わたしが殺したの−


    穏やかな波打際を思わせるような、静かな空気が全体に漂っている。


    アンデルセン童話『人魚姫』がモチーフなだけあって、水無瀬の姿がそれと重なる。

    けど、贅沢を言うならもう少し話を掘り下げてほしかったなぁ。惜しい。


    −生死の定義は結局アナロジーでしかない。生死の境界線をはっきりさせたいのは人間だけかもしれないな−


    雰囲気は好き。

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著者プロフィール

作家・料理家。1981年生まれ。服部栄養専門学校卒業後、料理教室勤務や出張料理人などを経て、2005年『さよならアメリカ』で群像新人文学賞を受賞し、デビュー。同作は芥川賞候補になる。作家として作品を発表する一方、全国の食品メーカー、生産現場の取材記事を執筆。料理家としても活動し、地域食材を活用したメニュー開発なども手掛ける。『ぼくのおいしいは3でつくる―新しい献立の手引き』(辰巳出版)、『もっとおいしく作れたら』(マガジンハウス)、『低温調理の「肉の教科書」―どんな肉も最高においしくなる。』(グラフィック社)など著書多数。

「2023年 『樋口直哉のあたらしいソース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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