怪談実話コンテスト傑作選 (MF文庫 ダ・ヴィンチ か 2-1)

制作 : 『幽』編集部 
  • メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840132909

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  • 『怪談実話コンテスト傑作選ー黒四くろよん』 (メディアファクトリー文庫)


    怪談専門誌『幽』の公募による、「第一回『幽』怪談実話コンテスト」の入選作家8名の、書き下ろしを含めた16編の作品が収録されている。

    さて、大賞受賞作は。本のタイトルにもなっている「黒四」という作品である。

    実はなんと、作者の三輪チサさんは、私の高校の部活の先輩なのだ!
    私たち後輩が一番喋りやすかった優しい先輩で、その人柄は文章にもにじみ出ている。

    タイトルの「黒四」とは、黒部第四ダムのことだ。

    話の舞台は昭和31年の黒四ダム建設現場。
    幾度も映画やドラマにもなるほど、同時代に類を見ない過酷な工事だった。
    「父」というのは先輩のお父さんだろう。
    お父さんが実際に体験した本当の話である。

    「雪と氷に閉ざされた山の中、岩盤から染み出す雪解け水に腰まで浸かっての掘削作業」

    「凍った作業服」

    そんな描写で、もうすでに現場に自分もいるような気分になってしまい、思わず身震いした。

    そんな冬のある日、機械を修理するために水の中に腕を差し入れたお父さんは、その手の先に、冬の初めに重機に挟まれて死んだ仲間の顔を見た。
    翌日、その男の幽霊が、大事故から現場の仲間たちを救う。


    実話だというだけでじわじわ怖い。
    真面目で朴訥な語り口や方言が心に響く。

    こういう作りモノではない説明のつかない現象は、悲鳴を上げるような怖さとはちょっと違う。
    誰かが後ろからそっと自分を見ているような……
    そういう身近さが実話怪談の怖さだと思う。

  • 母や祖父の話あるから出してみよっかな〜と思ったけど、
    なかなか怖くするのって難しいなあと感じた。

  • 黒木あるじさんの話がダントツに面白かった。
    以前アンビリでみた『見ると死ぬ面』(呪われる だっけ?)を思い出す。

  •  うーん。怖くなかったw
     実話縛りのせいだろうか。

     それとも、私が「怖い」と感じるのは、未知なるものではなくて、「他人を怖がらせよう」と思う気持ちなのかもしれないね。

  • 巻末の選考会が楽しい。

  • 表題作の黒四とギターの話が面白かった。

  • 「黒四」と「ささやき」が面白かった。選考会の様子がわかるのもいい。

  • 雑誌「幽」で開催された怪談実話コンテストなるもので、傑作選を拾って1冊の本にまとめた、というもの。名だたる「超怖」シリーズやら「新耳」「九十九」あたりと比較してしまっては相当に分が悪い、というところは否めないが、それでもそこそこ怖いし読ませる話もある。タイトル作は高評価だったようだが、個人的にはさほどでも。

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