呼ぶ山 夢枕獏山岳短篇集

著者 :
  • メディアファクトリー
3.11
  • (2)
  • (14)
  • (30)
  • (4)
  • (4)
本棚登録 : 152
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840145558

作品紹介・あらすじ

著者初の山岳作品集。柴田錬三郎賞受賞作『神々の山嶺』のスピンオフ作品を単行本初収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • たいへんおいしくいただきました。
    「鳥葬の山」は文庫版を持ってるから再読になるけどシェルパのモデルがこんなところに!
    「呼ぶ山」の主人公はあの人!スピンオフ!

  • 昨日が発売日になっている新刊図書である。
    しかして、新しい作品は「呼ぶ山」1作品だけである。
    あとはみんな過去作品の寄せ集め・・・。
    (なんとか集・・・って書けば、そうなんですよ、って・・・わたしには解らんかったど)

    こういう本を出すときの出版社って、いったいどういうつもりなのであろうかね。

    作者はあとがきを書いている。
    そこでは特になんとも言っていない。いや懐かしい作品だ、と言う程度のことは書いていたか。

    まあ、面白ければいいのだけれどね。

    ちなみにわたしの場合は約1/3が既読の作品であった。
    まあ、何度読まされようが面白ければいいのだけれどね。
    おもしろければね。

  • ねっとりとした濃密な空気が味わえる一冊。
    山も怖いが人間はもっと怖い。

  • 山をテーマとした幻想的でややホラーめいた短編集。山の持つ霊気のようなものをひしひしと感じられる作品ばかりです。
    お気に入りは「歓喜月の孔雀舞」。これが一番幻想的で美しく思えた作品。浮かぶ情景のどれもがとにかく綺麗。呪法も恐ろしいものというよりは、うっとりさせられ魅せられるもののように思えます。
    「ことろの首」もいいなあ。タイトルがとにかく不穏。そして一番ホラーだと思えた作品。なのに、どこかしらユーモラスで可愛らしく思えてしまうのはなぜなのでしょう。

  • 短編5作が入っていた。思いのほか面白く、山の神を感じた。
    最後の歓喜月の孔雀舞(パヴアーヌ)は以前何かで読んだが、思い出せない。

  • 時代伝奇物がメインの夢枕が、山岳短編集というので気になって読んでみたが・・まぁ、こんなもんかなってレベル。特に面白くはないが、暇つぶしにはなる。ただ、第二巻があっても読まないなぁ~(笑)
    最初の「深山幻想譚」で、もしかしたら前に読んだのかなって内容。ただ、似た内容のは時代物だったと思うから、夢枕の焼き直し作品かな?後は暗いし、読むのに疲れる感じが多かった。まぁ、山岳だと基本地味だしねぇ~

  • 山にまつわる不思議な話を集めた短編集。民話のような、詩のような最後の一遍が印象に残った。

  • 幾つかは別の短編集、雑誌掲載時に読んでいた。それぞれは短いものの、眼前に映像を映し出すような力強さと妖しさを持っている。

  • 山にまつわる短編集。

    ただでさえ作者の文章はスピード感が半端ないので、短編てことになるとあっという間に読み終えてしまう。(それがいいのだけども)

    古い作品はオチはさすがに今となっては斬新さは感じないが、山登りをする身としては共感する部分も少なくない。

  • これまで他の本に収録された山の短編を集めた短編集。
    いくつか読んだものがありました。

    それほどポピュラーでない山の正規ルートでない場所に逗留している主人公。
    思いがけずそこに一人の男性が現れる。
    男はどんな山にも「気」というものがあり、自分はそれを集めてまわっているという話を始める。(深山幻想譚)

    職場で上司をからかった男が逃げるように入った山で恐ろしい体験をする話。
    チベットで鳥葬を見た男がその後体験する恐怖。
    ヒマラヤの土産もの屋で子供の頭蓋骨を盃にした、カパーラを買った男の話。

    日本の山。
    外国の山。
    有名な山。
    それほど高くない山。
    山はそれぞれ趣きが違う。
    それと同じようにこの本に収録されている話も、幻想的なものや残酷なもの、何が何やら分からないものと印象はそれぞれ。
    共通しているのは、それぞれの山の描写、山にいる人間の心理描写が素晴らしいということ。
    これは作者が実際に山に登る人だからこそ書ける表現だと思いました。
    こちらに伝わってくるんです。

    山というのは足を踏み入れると下界とは別世界が広がっている。
    登山ブームで、誰もが気軽に登るようになったけど、いったん正規のルートから外れて、誰もいない場所に一人でいたらどんなに不気味だろう。
    さらに、そんな場所で他の人間に会ったら・・・。
    非日常的な場所で生じる恐怖、心理状況。
    自分が主人公の状況ならどんな心理状態になるかという事を想像しながら読み進めました。

    山の気配を感じられる、実感できる本で、それだけでもある程度の満足感を得られる本でした。

全32件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夢枕獏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×