社会人大学人見知り学部 卒業見込 (ダ・ヴィンチブックス)

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  • メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840151948

感想・レビュー・書評

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  • 「スタバ」で「キャラメルフラペチーノ」の「グランデ」を飲みながら、まさにこの本を読んでいて、思わず笑ってしまった。(しかし窓を突き破るにもここには窓がない)

    芸人「若林正恭」が大好きで、しかも彼のネガティブな一面(一面と言うよりそれが全面な気もするが)にとても興味を持っていたので、発売日に本屋さんに走りました。

    気楽に読める、ゆるいエッセイをイメージしながら読んでいたのに、読み終わってみれば三角折りしたページがあまりに多く、すこし分厚くなってたことに驚いた。胸に響いた言葉も思いがけずたくさんあった。

    今の世の中、この社会の中で「生きづらさ」を感じている人は、もちろんその気持ちの大小に差はあれど、少なくないと思います。
    そんな人(もちろん私を含め)の背中を押してくれる…というほど力強くはないけれど、倒れないようにそっと背中を支えてくれるくらいのちょうどいい力で、でも確実に元気をくれる1冊です。

    もっと自然体で、社会をすいすいと泳ぐように渡っていける人もきっといて、そんな人は得をすることも多いだろうし、かっこよく見えるんだろう。
    でも私は、彼のように生きづらさを感じながらも、少しずつ自分を更新して、それでもまだ3歩進んで2歩下がる、くらいのスピードで時には道にも迷いながら社会を渡っていく人がとても好きだ。

  •  もともと「黒若林」はラジオでは有名だったらしいが、普段あまりラジオを聞かない僕は、彼の面白さを知らないでいた。しかし、アメトークの読書好き芸人、女の子苦手芸人や、たりないふたり、などで徐々にピンの露出が増え、極めつけは平野啓一郎×マキタスポーツの「ボクらの時代」でのぶっちゃけトークがめちゃくちゃ面白くて興味を持った。

     そんな彼の3年近くにわたるダ・ヴィンチでのエッセイ集。
    ザックリ言ってしまえば、細かいことが気になってしまう人。「案ずるより産むが易し」というのは彼のような人のためにある言葉だ。行動する前から、あーでもないこーでもないと考えてメンドクサイ奴だなあと思いつつも、それをちゃんと言葉にしてくれると「あるある」と思う。
    しかも、M1で急に売れて「社会に参加=社会人」になってからの彼自身の考え方の変化や変わらない部分が描かれていて、それがまた興味深い。
     「酔っぱらうと妙に熱くなる」とか、「オフにせっかく温泉に行ったのに、こんなことしていていいのか、この先どうなるのか」と考え込んじゃったり、自分と似てるなあと思う所もあったり、全盲の青年の落語から起きた「笑い」と「笑い待ち」に共感という相互の感情の確認を知った話など、そういう繊細な感受性から得られた若林ならではの視点に驚きと感動を思えることもあって、一気に読んでしまった。

     特に最終章の書き下ろしは、「社会人大学」を卒業するまでの彼の半生が描かれていて、(もちろんデフォルメはあるでしょうが)その素朴な語り口にとても共感を覚えた。小さい頃から感じた「社会」が持っている「押しつけ」や「当たり前とされること」に対する「違和感」、そういうものと真面目に向かい合って、自分で考えて一歩一歩積み重ねてきたそんな彼が今社会に対して感じ、言葉にしていることは、今まさに社会に向かい合って生きづらさを感じている人にとってとてもシンプルな応援歌になっているんじゃないかなあ。

    • スピカさん
      こちらこそフォローありがとうございました。「社会人大学~」は私も絶対読もうと思っています。ラジオの若林も面白いですよ。
      こちらこそフォローありがとうございました。「社会人大学~」は私も絶対読もうと思っています。ラジオの若林も面白いですよ。
      2013/05/21
  • ―――ぼくなのだ。ぼくが!見ているのだ!―――

    漫才で湯船を勝ち取って、自分のファインダー越しの他人の目が気になり、中島みゆきの「ファイト」の歌詞に感化され、後輩に変なメールを送る…。

    オードリー若林のダヴィンチ連載が一冊の本にまとまった。
    ラジオで聞いた話も改めて文章に起こされたものを読むと新鮮で、あたらしい気持ちで笑ってしまった。
    ひとこと、おもしろかった。
    読書芸人は又吉もそうだけど文が達者だなあ。
    なんとなくわかる部分と、全然わからない部分と、すごくわかる部分があって、全然わからない部分の根っこにある闇は深いとおもった。
    最後のほうに書いた春日の話がとってつけたいい話感満載で、オードリーみたいなコンビに長生きしてほしいとおもった。
    こういうレビューを書くとまたきっと「どいつもこいつも」と思うんだろうけど。

    嫁の顔が見てみたい。

  • 日々感じていた心のモヤモヤが言葉としてかたちになったかんじ。
    何も疑わずに素直に大人になったひとよりも、考えて考えて、散々ねじれて大人になった人の方が魅力的。

  • 社会ってなんやねん。空気よめないといけないのか!?
    でも、社会に混じりたい自分も居て…なんてめんどくさい自分をお持ちのあなたにオススメです。

    【入手経路】

    オードリー・若林正恭のファンとして買わないわけにはいかない!ということで、
    発売日に購入!

    【概要と感想】

    社会に出ることって大変。いや、そもそも社会に出るってどういうことなのか。
    人見知り芸人として有名なオードリー・若林さんが社会に出て馴染んでいこうとする苦難を
    ダ・ヴィンチという雑誌に連載していた。その連載コラムに加筆修正した1冊。

    社会とは風呂なしの部屋を探している人にはコーヒーが出なくて、
    風呂ありの部屋を探している人にはコーヒーが出る。

    お金を持っていると高いレベルの医療が受けられる。
    そんな厳しい場が社会。

    趣味は仕事と言ってしまうのはなんか恥ずかしくて、
    でも、趣味は持てない。それが社会。

    社会に合ってない気がする自分。でも、社会に合う必要なんてあるのか。
    なんて考えている自分。キラリ。

    ただ、少しずつ社会に馴染んでいく。

    めんどくさいからいろいろ考えないで受け入れることにした。
    外から見ると馴染んでるように見えるけど、中身は変わらない部分がある。

    4年目に突入したオードリーのオールナイトニッポンでは、
    「若林学部」というコーナーがあって、若林っぽいことを投稿していく。

    コーナーを聞いていても、この本を読んでいても、若林っぽい部分は多くの人にあるのかもしれない。
    大学のサークルに入りたいけど、カッコ悪いと思って入らなかった過去があるあなた、
    女性へのプレゼントを買うのが恥ずかしすぎるあなた、
    自分が、腕枕をするなんて…と思ってしまうあなた。

    人見知り学部に入って一緒だ!と思う部分に共感して、
    他にもこういう人いるのかぁ!と思って、社会で戦うのもいいかもしれません。

    そして、最後に若林が春日について語る。
    若林は春日に憧れているけど、春日にはなれない楽しさと良さを感じてほしい。

    【引用】

    「勝ちとった。漫才で湯船を勝ち取った」本当にそう思ってとても嬉しかった。(15)

    人が本を読むそもそもの理由に自己啓発は多少なりとも含まれていると思う。(74)

    あー、めんどくさい。俺はもう星も齧るし、大袈裟に笑ってやる。己の矜持のようなものを徹底的に雑に扱ってやると決心した。ぼくが憧れていたスーパースターはみんなきっとそうしないだろうが、だってもう、めんどくさいから。(130)

    腕枕を自然に出来る男は自信の塊のような男に違いない。(174)

  • クスッとなどない。真剣そのものだった。自分と社会に向き合い、考え続けている。おばあちゃんと全盲の高校生、春日が印象に残った。

  • 若林さん魅力がいっぱい(>ω<)プッて笑ったり、ものすごく同感し頷いたり..自分はどっちかというとネガティブより結構ポジティブだけど、そんな私にもネガティブモンスターはいる(笑)まだまだ読みたい

  • 私自身が、ネガティブな人見知りなので、共感できるところがあった。
    そこにこだわるの?って思うこともいろいろあり、読みやすい文章で、クスクス笑いながら読めた。ネガティブさも、自分の偏った考え方も、社会を知っていく過程も自分の言葉で語れるところを尊敬します。

  • 「ダ・ヴィンチ」で連載されているときから、面白いなあと思っていた。
    書籍化されたと知ってどうしても読みたくて購入。

    彼の人見知りは、自意識過剰と考えすぎから来てる。だからすごくよくわかる。私もそうだから。
    こうやって感想を書くときでも、「こんな言い方は傲慢じゃないだろうか」とか「一緒にするなよ、って思われちゃうかな」とかいろいろ考えてしまう。
    「考えすぎだよ」といわれることがいちばんつらいことなのだ。逆に「なぜ考えない?」と思ってしまう。

    彼の文章が好きだ。言葉の選び方もいい。
    現在も連載が続いているので、また書籍化してほしい。

  • 一気に読んだ。
    共感するところもあり笑うところもあり
    そしてやっぱり文章がうまいなと思った。
    何度も読み返したい。

著者プロフィール

1978年9月20日生まれ。テレビ朝日『しくじり先生 俺みたいになるな!!』、日本テレビ『スクール革命!』、NHK『マサカメTV』、ニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』等テレビ、ラジオで活躍中。ダ・ヴィンチの好評連載を単行本化した『社会人大学人見知り学部卒業見込』を2013年に刊行。

「2017年 『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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