※キノの旅2 the Beautiful World (電撃文庫 し 8-2)

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  • メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840216326

感想・レビュー・書評

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  • 1巻の方が好きだけど面白さは安定していると思う。
    絵描きの話が好き。

  •   どの話も、最初のページにあるように「何が正しいのか?誰が正しいのか?」を見つめた話だった気がします。窮地に立たされた時に、悪と悪のどちらかしか選択ができなかった時に、一体どちらを選ぶのが正しいのか。時には正しい答えがない時だってあると思うんです。

      「優しい国」の話が一番好きでした。ほっとしました。この話読んでほっとするのも変なのかもしれないけど、さくらちゃんの手紙を読んだからほっとできたんです。あの手紙は、さくらちゃんがあの晩起こることを知らなかった、とも読めるんですが、知ったいた、とも読めるんです。いくら子供だとしても周りの大人たちの態度が変わったりしたのを全く気づかなかったはずはありません。
      最初に親の手紙を読んだ時は大人のエゴに対して凄く嫌な気持ちがしたんですが、その後の手紙を読んでそれはなくなりました。さくらちゃんが自分の決断で国に残ったとのだとすれば感じるものは全く違います。かなり自分の都合のいいように解釈しているのかもしれないけど、私はそう思いたいんです。

      皮肉のこめられた英語の副題も魅力の一つだと思います。
    というより、皮肉は全体的にこめられていましたが。「過保護」とか、子供が可哀想で仕方なかったです。子供の意思はどこへやら、ですね。"受験戦争"を好んでやってる子供なんていないでしょうに。いい会社や学校に入ることってそんなに大切なことなんでしょうか。結局、「何が正しいか」はその人が何を信じているか、次第なんでしょうけども。

  •  砂と岩の砂漠の真ん中で、キノは空を見上げていた。晴れている。
     頭を下げて、石造りの口を開ける井戸を見た。涸れている。
    「だから言ったとおりだよ。最初からこれじゃあ旅なんて無理だよ。キノ。旅人に一番必要なのは、決断力だよ。それは新人でも、熟練の旅人でも同じ。違う?」「いいや、エルメス。それはきっと運だよ。旅人に一番必要なのは、最後まであがいた後に自分を助けてくれるもの。運さ」
     人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、今までにない新感覚ノベル第2段!!

  • 安定した面白さです。

  • 狙撃兵の話(師匠と弟子)
     狙撃される森から、狙撃されるかもしれない森へと確率変動した話。

    砂漠の真ん中でa、b
     旅人には最後、運が必要だという話。

    人を喰った話
     人が生きていくためにどれだけの他者を蹂躙しているのかという話。

    過保護
     結局自分の考えを押し付けてそれが子どものためになっていると考える親の話。

    魔法使いの国
     お国自慢が激しい銅像町長と飛行機の話。

    自由報道の国
     同じ話を同じ国の別の新聞がそれぞれ書いた話。

    絵の話
     戦車の絵描きと戦車の絵によって過去の戦争を戒めようとしている国の話。

    帰郷
     「よけなければ当たる、よければ当てる」。流行病とジャム屋の少年の話。

    本の国
     読書専科の国に産まれた創作をしたい青年の話。

    優しい国
     『さくら』とキノが3日以上の滞在を希望した素晴らしい国の話。

    続、絵の話(シズと陸)
     戦車の絵描きと戦車の絵によって過去の戦争を戒めようとしていた国の話。

    あとがきは処方箋風。




    様々な国の話は面白いし、簡単に読めるからいいのだけれど、惜しむらくは何巻に何の話が書いてあるのか、今自分は何巻までを持っているのかが分かりにくいのが残念。でも時雨沢恵一さんのせいではない。


    本をあまり読まない人にも、読む人にも薦められると思う

  • 「絵の話」「優しい国」が良かったです。この状況になって変われた哀しさとこの状況になってしか変われない哀しさ、そして故郷を捨てられない哀しさと美しさ。胸にきます。「絵の話」は…誰もそれほど悪くないんだけど…とやるせない気持ちに。だけどその不条理がリアルです。

  • 面白い、の一言に尽きる。ここまでシニカルに魅せる、って凄い。

  • (2004年読了)

  • 世界は正しくなんかない。

    二作目。師匠初登場。

    【人を喰った話】
    吹雪で立ち往生する"人材派遣業"の男達は、新しい商品を求めた。

    「怖かったよ。終わってしまうかと思った」

    【過保護】
    戦争に行く子供に、防弾チョッキは必要なのか議論する家族に出会う。
    親の限られた選択の中で自由にさせるのは、結局過保護だ。
    この服のどの色を買おうか、ってレベル。

    「僕は、戦争には行きたくない」

    【魔法使いの国】
    理論上、飛べるはずの飛行機は、銅像のせいで離陸できなかった。

    「魔法使いだったんですね!」

    【優しい国】
    火砕流で滅ぶことを知りながら、国と共に滅ぶことを決めた国民。
    これが一番好き。アニメでもこれがグッときた。
    「森の人」と出会ったのもこの話。

    『わたしたちのことを、忘れないで。さくら』
    「エゴだよ…これはエゴだ」

    大掃除で捨てることにしたけど、その前に1-13を全部ここに書こうと思って。
    でも、かなり時間がかかるだろうし止めた。
    大学1年くらいかな?読んだのは。良い思い出です。

  • 1巻同様の短編の集まりで、新聞の4コマを読んでいるような感覚。
    要はこういうのに詳しい感想は不要なんだよ(ぇ

    それでもあえて掘り下げて言うなら、やはり優しい国だろうか。国が消えた後のキノとエルメスの淡々とした感じも・・・

    2巻のあとがきで早くも不穏な感じがしてきたが・・・あとがきに定評のある作家と聞いていたが2巻で既にこんな状態とは。

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著者プロフィール

2000年『キノの旅 the Beautiful World』でデビュー。アニメ『ソードアート・オンラインII』の銃器監修も担当。

「2023年 『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインXIII ―フィフス・スクワッド・ジャム〈下〉―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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