空の中

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著者 : 有川浩
  • メディアワークス (2004年10月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840228244

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空の中の感想・レビュー・書評

  • 最後にある Fin.
    Fin. という文字がしっくりくる、とても気持ちの良い読後感でした。

    お話は...
    「怪獣物と青春物足しっぱなして空自で和えてる」っていう有川浩さんご本人のあとがき談。
    怪獣に、飛行機に、恋愛物に郷里の野山や水辺、基地祭。
    好きなものがたくさん詰まっていますとも述べられている。

    確かにてんこ盛りでしたw
    てんこ盛りなんだけど、気持ちいいてんこ盛り、とても得した感です。

    有川浩さんの物語に出てくる人は個性がある。キャラが立ってる。
    作者の操り人形的に動いてる感がしない。
    だから感情移入もできるし目がいく。
    話に惹き込まれる。

    「空の中」だと、瞬と佳江、高巳と光稀がいい。
    でもやっぱり「宮じい」には敵わないです。
    宮じいが発する言葉が染み入りました。

    一番ぐっときたのは、宮じいの隣で佳江が
    (瞬を助けてください。)と聞こえるような深く深く頭を下げるシーン。
    ほんとぐっときた。感じ入った。

    「助けてください」と伝えることって難しいことが多い。
    大人は子どもが「助けてください」といつでも伝えることができるように向き合っていたいと感じた。


    有川浩さんの小説って読後感がいつも気持ちいい。
    『自衛隊三部作』の最後「海」も読もう。
    有川浩さんのデビュー作からまだ読んでいない物語を順番に読んでいこう。


    最後に。
    読んだのは小説版。
    な、なんと文庫版には書き下ろし短編『仁淀の神様』では佳江、宮じいと共に瞬のその後が描かれているらしい。
    うー、文庫版読めばよかった。

  •  空の中、高度二万メートルに浮かぶ楕円。それにぶつかる人類。はがれる楕円の一部。拾う少年。解明する大人。


     白鯨のように、人類より高度な知能と破壊力を持つ者の存在を、人類は受け入れられない。高野和明著、「ジョノサイド」でもそうだった。
     人は、自分が圧倒的に敵わないと判断したとたん、相手の意向を無視して突然攻撃を仕掛ける。野蛮極まりない。
     でも、哀しいけれど、これが現実なんだろうな。


     純粋なフェイクが、瞬のために自分の仲間を食べ、殺し、ついには自分自身も消えようとする。自己防衛本能にまみれた人類には、絶対に取れない行動だ。別種のために、自分の種を自分で滅ぼそうとするなんて。


     間違いは認めるしかない。ごまかしは、いつか揺り戻しが来る。あったことは、なかったことにはできない。
     宮じいの言葉の数々が印象的だ。

     瞬も佳江も、高巳も光稀も、そして、真帆も。強がらず、かっこつけず、間違えたらごめんなさいといえる、本当の強さを持ち続けて欲しい。

     フェイク、人間って、本当にバカでごめんなさい。あなたが瞬を思い、瞬に尽くそうとする気持ちに泣きました。
     こんな思いをありがとう。

  •   有川作品3作目。ハマりましたわ、この世界。
     基本的に、未確認生物の話は好きではないけれど、高度二万m・・天空のかなたに、人間よりはるか昔から人間をはるかに超える知能を持った生物がいるのかもしれない・・・有川さんではないけれど、いて欲しいとさえ思えてくる。
     凡人がなんとな~く、ぼんやりと考えていることを、端的にスパッと表現してくれる・・そんな爽快感を感じました。

     そしてやっぱり、光稀と高巳の関係が素敵♪
     「空飛ぶ広報室」で、なぜか著者は男の人だと認識。「三匹のおっさん」を読む途中で女性だと判明し、妙に納得したのはこの辺かな。
     きっと、男性だったら、このある意味SFのストーリーに、こんな恋愛話は入れないと思うのです。それも、こんなに乙女心(・・・・いや、おばちゃん心か)をくすぐる感じで。
     
     「怪獣物と青春物足しっぱなしで空自で和えてる」という有川さんの表現に座布団一枚!ってところです。
     自衛隊三部作と言われている「塩の街」「海の底」・・早く読まなくちゃ。

  • 「海の底」を先に読んでしまったのでストーリーのインパクトは半減してしまった。
    そして私の乏しい想像力だとこのお話に登場するUMAのイメージが沸かず。結局頭を捻って「こんな奴だろうか」とイメージしたのが住友林業の“きこりん”でした。(cf.http://kikorin.jp/)
    たぶん有川作品の中でもっとも奇抜なストーリー展開だと思う。ファンタジーな映像作品にしたら面白そうな世界観だなと思うけど、有川さんのライトな文体には合わなかったように思います。ライトな文体なのでUMAの存在もライトに感じてしまいました。もっとシリアスなSFだったら良かったかも。
    しかも“きこりん”のキャラ立ちのおかげで今思いだそうとしてもまったく細かい人物設定やストーリー展開を思い出すことができません・・・でも「クジラの彼」に番外編載ってたんですね。他の方のレビュー見て知りました。「クジラの彼」は本当に面白い短篇集だったのでこれを機会に再読してみようかなぁ。

  • これが初期作品かー…こういうストーリーだったのね。。。方言がすごく心にしみる。ちょっと読みづらい箇所があったけど、一気読み。第一章から第九章までのタイトルが面白い。(なんか斬新だなーと思った)

    フェイク、白鯨、ディック、光稀、高巳、佳江、瞬、真帆、宮じい

    真帆の気持ちが痛いくらい分かるだけに
    ちょっとつらかった。やっぱり宮じいみたいな安心出来る心の拠りどころが必要だよね…。今の世の中は特に。
    宮じいが言う“雑魚”のシーン(179ページ)が今の日本が失くしてしまった想い(信念)だと思う。なんか、こう、じーん…ときた。

    フェイクが健気で切なかった。
    (白鯨とディック…ファフナーを思い出しちゃった)あとがきが面白かった。

  • 高度2万メートルを飛行していた飛行機が空中で爆発した.航空メーカーに勤める春名高巳は、事故調査員としてこの事故の調査を始める.原因は高度2万メートルに存在する巨大なUMA.地上の電波を拾って日本語を解するようになったUMAと春名たち日本人の、交流と人間のエゴを表した物語.
    高度な知能をもった日本語を解するUMA(未確認生物)が春名高巳とのやりとりを通して人間の論理を理解する様子が、外国語を習得する過程ににていて面白いと思った.

  • これは、とんでもなく壮大な有川浩の照れ隠し小説である。

    どういう照れ隠しかというと、ウルトラマンやスカイドンを本気で好きな有川浩の照れ隠し、である。

    わたしはウルトラマン世代のどんぴしゃそのまんまである。

    小学校低学年の時、少年マガジンの表紙に、周りのビルよりもでっかい姿で戦う、ウルトラマンとバルタン星人の姿を見たときに、こりゃやばい今すぐ何処かへ逃げなきゃ!って本気で思ったのだから。

    浩さんは、そうではなくその後のリバイバル世代だろうから、わたしら程には照れはないのだろうけれど、それでもおもわづこういう面白い小説を書いてしまうくらいには照れくさいのである。

    この本は、そういう本である。 ☆5つぅ!

  • こんな話にしてしまっても良いの?

    『宮じぃ』が良かったから許しちゃうけど!

  • 私にとっての有川浩3冊目、自衛隊シリーズ2冊目。
    自衛隊シリーズと言っても、おなじ主人公が続けて出てくるのではないのですね。
    最後まで面白く、読後感も嫌なところはなく、楽しく読めました。
    さて、つぎは「海の底」
    追記です。つらつら考えるに、空の中に居るUMA。個の意識はもたず、全体として一体性を求め、一体の意思しかもたない。個の意思をもつと、その状況に落ち着かず過激な行動にでる個体もある.... 著者にその意識があるかどうかはわからないが、中国の人民に似ているような気がした。

  • 自衛隊三部作その2。
    白鯨との噛み合わない会話や謎の生態なんかはそのまま「真面目な顔でホラを吹く」という作者の言葉通り。

    ラブコメとして見ていく中では個人的には趣味が悪いと思われそうだけど、真帆が気になってしかたなかった…
    一つの間違いから崩れていく優等生というか、その辺りに強く興味を持ったというか…
    なんかなでてあげたいと思ったり思わなかったりなキャラでした。スピンオフ出してほしいです。

  • 短編集「クジラの彼」に出てきた高巳と光稀が出てくるではないですか!ちょっと嬉しい。
    話自体は最初はSF?児童向け?なんて思いましたが読んでくうちに引き込まれました。ジブリの世界のように大人もハマれるファンタジー。
    長編だけど飽きさせない展開のおもしろさがあった!
    フェイクが記憶とかつての波長を取り戻したときの葛藤がよかった。機械的な忠誠心から本当の友情?家族愛?が芽生えた気がした。

  • 自衛隊3部作やっと読み終えました~。光稀さんかっこいい。平穏な暮らしを望み、他者と争うことを嫌い、自らの生域を上空高くに決めてまで争いを好まなかった存在に対して、その領域を侵し、それでも穏やかな生活だけを希望する相手に対して、人間じゃないというだけでエゴがもう満載で嫌になってしまうけど、悲しいかな否定はできない…。ひたすら一途で無垢なフェイクがたまらなく可愛いです。この子(?)絡みのシーンはもう涙腺がやばい。幸せになれて良かった。宮じいも素敵です。

  • 高校生の瞬と佳江。航空機技術者の高巳と自衛隊戦闘機操縦者の光稀。子ども同士と大人同士の2つのパターンをいっぺんに楽しめる作品!
    自衛隊三部作の一作目「塩の街」でも体感したが、字面だけでここまでドキドキしたりイライラしたりニヤニヤしたりすることができ、とても楽しめる。
    瞬といい高巳といい出てくる男性がかっこいい。瞬は間違いを起こしたりするけど、佳江を想って起こす言動全てがかっこよく輝いてる。高巳は最初はたよりない男なのかと思ったら却って頼り甲斐のあるいい男である。
    佳江は瞬を想ってる姿が健気でかわいらしく、人間味あふれている。光稀は素直じゃない堅物だが、ラストは思わずほころんでしまうようなかわいい一面を見せている。
    空の中にいる未確認生物という架空設定で、ここまで細かく表現できるのかと心底驚いた。それは前作「塩の街」でも同じことだが。
    そしてさすが作家と言わざるを得ないほどの言葉遊び。言葉という伝達手段を手に入れたまだ未熟な生物に対し、一生懸命言葉巧みに説明しながら話を進めていくシーンが大方出てくるが、高巳もすごいが高巳を生み出した有川浩さんもすごいだろう。
    とにかくラストは“思わずほころんでしまう”!読み切って本当によかったと思えるラストだった。

  • なんともクラゲみたいのが出てくるSFで不思議な気持ちで読みました。

    なかなか状態が複雑な場面が多く、言葉遊びのような感じもして、理解するのに同じ文を2回読んだり、なんてことがあったりでちょっと難しかったですが、ちょいちょい入ってくる有川節はやっぱり最初の頃から健在で、まだこのころは控えめな感じでしたが、やっぱり甘くて、とてもよかったです。

  • 限りなく広がる頭上の虚空に、人間よりも知能が高く、人間よりもはるか昔から地球に存在していた生物がいたらどうでしょうか?人間の利己的で自分で自分の首を絞める窮屈な世界が、自然の悠々とした世界に対比され、はっきりと浮き彫りにされる。利己的な攻撃や技術の発達が、自らの破滅を招く。恋愛だけでは終わらない、現代の私たち人間にも示唆をちら、と与える有川浩の小説。宮じいの穏やかな言葉に、胸の奥を突かれました。

  • 【白鯨】と高巳のやりとりが ちょっとまどろっこしかったかなぁ。

    でも 話の軸がしっかりしてる感じで
    安心して読めた。

    クジラの彼を もう一度読んでみたくなったよ。

    あ、宮じいがね かっちょええのさ。

  • 自衛隊三部作の空です。

    航空機の操縦士をしている父親が、ある日実験事故での謎の追突事故で亡くなってしまう。

    悲しみにくれた少年が、同じ海で謎の生命体を偶然拾う。

    そこから、彼と生命体の不思議な生活が始まる。

    亡くなった少年の父親と同じ空間にいた、操縦士は彼が亡くなった事を悔いていた。

    事件の調査に来た人物との調査を始めることに。

    事件が起きた場所に何らかの物体がある事に気付く。

    その物体は知的生命体で、意思疎通が可能だったので、調査に乗り出す。


    有川さんらしい甘さは少なめです。そして、少年の父親を思う気持ちが悲しすぎました。

    でも、空が大好きな方はとても楽しめる作品になっているのではないでしょうか。

  • 図書館の本

    内容(「BOOK」データベースより)
    200X年、二度の航空機事故が人類を眠れる秘密と接触させた。「変な生き物ゆうたわね?そやね?」―秘密を拾った子供たち。「お前を事故空域に連れて行く。話は現場を見てからだ」―秘密を探す大人たち。秘密に関わるすべての人が集ったその場所で、最後に救われるのは誰か。“電撃”が切り開く新境地。

    人を信じる「幼き」ものをどう使うか?
    間違ったときに間違ったと認め謝罪して先へ進める勇気はあるのか?
    そして好きから逃げない気持ちはあるのか?
    そんな疑問を抱きつつ、年配者に導かれ歩んでいく子供と大人。
    作者が恐竜と怪獣の区別がつかない子供だったというのがとてもよくわかる本でした。
    最後は図書館戦争とかぶって一人でニヤニヤでした。

  • 今話題の「有川浩」
    過去、「阪急電車」でハマり、その次に読んだ「塩の街」で若干引いて(苦笑)どうしようかなーって思っていた作家さんの二作目を今回読んでみました。

    ……とにかく長かった。
    話の内容も、個人的に興味が薄くて久しぶりに読むのが苦痛でした(涙)
    本格SFなのかと思うと結構なラブコメ要素が入ったり、青春モノかと思うと教訓ネタが転がったり。
    とにかくいろいろあって、空中分解している印象。
    読み終わってみるとおもしろかったんだけどなー。
    けど、うーん……。
    ラブ要素をここまで強めに持ってくるなら、SFはもうちょっと軽くていいかな。
    SFをここまで本格的にするなら、逆にラブ要素はもうちょっと減らして欲しいかも。
    ってのが本音です。

    まぁ、宮じぃはすっげぇいい味出てましたが。
    真帆のやなやつ感も良かった。

    ってことで、☆3です。
    うーん。自衛隊シリーズはあんまりっぽいなー。
    次は別のシリーズを読もうかと思います。

  • 出会い頭の衝突事故!みたいな接近遭遇なのに、人類となんとか意思の疎通を試みる「白鯨」と、自分の思いだけに凝り固まって、敵と見なした相手とは人間的な会話が全くできない白川真帆とのコントラストがおもしろい!

    とはいえ、とにかくこのお話は、フェイクと宮じい!それに尽きます!

  • 有川さんは、書かれる作品のとんでも設定から生ずるあらゆる突っ込みどころを先回りして埋めるのに長けた方だなあといつも思います。

  • 寂しくて、悲しくて・・・その気持ちを忘れられるなら。
    私はディックをどうしただろう?

    空は広いから、こんな出会い?もあるかも・・・。


    自衛隊三部作のなかで、一番好きかな。

  • 分厚い本だと思ったけど、おもしろくてよかったです。
    登場人物が好きですね。
    正体不明の飛行物体がしゃべっているところがなんとなく可愛いという印象w

  • 飛行機事故が相次ぎ、知能のある生物が発見される。
    自衛隊と、親を亡くし不安定な子供たちが未知の生物に対して対抗していく話。

    中だるみする場面もあったが、知能のある生物が見つかるという設定も面白くて良かった。
    ただまさかこの作品が、ラピュタを見て考えた作品だとは気付かなかった笑

  • 今まで読んだ有川さんの作品とは、ちょっと作風が違うなぁと感じました。。

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空の中の作品紹介

200X年、二度の航空機事故が人類を眠れる秘密と接触させた。「変な生き物ゆうたわね?そやね?」-秘密を拾った子供たち。「お前を事故空域に連れて行く。話は現場を見てからだ」-秘密を探す大人たち。秘密に関わるすべての人が集ったその場所で、最後に救われるのは誰か。"電撃"が切り開く新境地。第10回電撃小説大賞大賞受賞作家・有川浩待望の第2作。

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