海の底

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  • メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (451ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840230926

感想・レビュー・書評

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  • 特撮ヒーロー物の世界かな(笑)夏木さん青いね〜とか思いながら読んでました。冬原さんと夏木さんのコンビ最高でした(^^♪
    多分望ちゃんも冬原さんと同じタイプですけど夏木さん良いんですか?(笑)尻に敷かれるの決定ですよ(笑)

  • 有川浩の小説です。

    ”クジラの彼”を先に読んで、どうしても読んでみたくなりました。

    舞台は横須賀。

    桜祭りの当日、潜水艦”きりしま”に緊急出航の指令。
    しかし、既に出航できない状況になっていた。

    その頃、陸上では、大型ザリガニのような生物が多数上陸して、
    人々を襲い始めていた。

    ”きりしま”の乗員、”夏木”と”冬原”は総員退艦の命令に沿って、
    離艦して上陸したところ、巨大生物に襲撃されている子供の集団に遭遇。
    立場上、見捨てるわけにもいかず、艦長と共に救助に向かう。

    艦長が犠牲になるも、子供は無事にきりしまへと避難する事ができた。
    そこから、救出までの間、潜水艦のなかでの歪な避難生活が始まる・・・。

    ”塩の街”を含む、有川浩による自衛隊3部作の一つです。

    読もうと思った切欠は、”クジラの彼”で登場する、
    ”冬原”と”夏木”が本編である”海の底”でどのような
    活躍をしてきたかを知りたかったなのですが、

    想像通りの活躍で非常にうれしく思います。

    しかも、この”夏木”と”冬原”が”図書館戦争”の
    ”堂上”と”小牧”のコンビとダブるところがあって、
    非常に楽しめました。

    それに物語である筈なのに、日本における”自衛隊”もしくは
    ”自衛官”の立場を正確に描かれている点、
    有事に際しての政府の腰砕け状態など、しっかりと取材して
    いるんだろうなと伺える点が多くあり、説得力を
    強めていると思います。

    ただ、残念なのは、”夏木・冬原”のコンビの活躍が、
    艦内の保父的役割が多く、戦闘での活躍が少ない点です。

    もう少し英雄的な戦闘などの描写も欲しかったですが、
    艦乗りなのでいたし方ないのかな・・・。

    そんな事は差し引いても非常に読み応えのある小説でした。

  • はじめて読んだ有川さんの本を、文庫本で再読。怪獣と戦う機動隊のメインストーリーに、閉じ込められた潜水艦の中の、子ども達の日常的な人間関係の話を挟み込む塩梅がとてもうまい。現在のような「日常×日常」路線ばかりではなく、またこの作品や図書館戦争のように、「非日常×日常」路線の作品に帰ってきてほしいなあと強く思った。エピローグにおける子どもたちの成長具合や、現在のベタアマ路線のさきがけのようなエンディングも良かった。このくらいにほろっとやるのがやっぱりいいんじゃないかなぁ。

  • 巨大エビが人を襲ってくるというパニックもの。
    何かの特撮かと思う大胆な設定は面白かったと思う。
    個人的には潜水艦内部に取り残された子供達の団地のイジメうんぬんよりも、警察側の明石や烏丸などのやりとりの方が興味深く読めた。
    何故自衛隊がすぐに危機的状況にあっても出動できないのかとかそういった微妙な部分をもっと読みたかったです。
    個人的な好みとして、冬原のようなスラスラと皮肉が口から出てくるような話し方をする人は、その中身が正論だったとしても個人的には付き合いを持ちたくないなぁと正直なところ思いました。

  •  期待を裏切らない有川さん・・って、すごい!これだけの展開を、飽きさせずぐいぐい引っ張るパワーにのせられて、睡眠時間削られました。
     
     「それにしてもなぜ毎回、怪獣にベタな青春だの恋愛だの混ぜんのよ、と思われる向きもあるかと思いますが、私にこれ書くなってのは息するなってのと一緒なのですみません」
     いやいや、それにやられます!!(笑)

     やっぱり非常事態には国は日和る。そして報道は邪魔をする。でも、冬原や夏木、明石や烏丸のような”平時にいびつ、でも有事に必要な人材”がしっかり動いてくれる・・・いろいろあっても最後にはちゃんと印籠が出てくる。これが読後の爽快感を呼ぶのかな~。

     大人だけじゃないな、まとめ役の望や補給長となった茂久、圭介もそれぞれにそれぞれの働きをしたんだ。
     実は、世の中そんな風にまわっているのかも。我が家の子どもたちだって三人三様・・それぞれに役割を与えられて、この世に生を受けているんだ、きっと。お勉強も運動も出来て、性格もよくて、・・・そんな優等生を望みがちだけど。んー深い。

     自衛隊三部作・・「空」「海」をまったく順序がバラバラに読みまして。「塩」を早く読みたいけど、やらんといかんことが山盛ですっ!

  • 自衛隊三部作の一つ、くらいしか前情報なしに手に取ったので、はじめの展開にびっくりした。しかもこれ三部作のうち三番目という。話がつながってるわけじゃなさそうだけど、せっかくなら順番どおりに読みたかった。ちゃんと調べとけって話だけど(´Д`)

    説明が多くてかったるくなりかけたけど、どの登場人物も個性的で楽しめた。巨大エビと言われても、頭の中でどうしてもでっかいザリガニしか想像できず、もし本当なら相当ホラーだなーと思った。
    どなたかのレビューにもあったのだけど、私も圭介のその後が気になった。もちろん圭介だけじゃないけど、あの事件でその後の人生が最も大きく変わったのは彼な気がする。

    ぜひ他の自衛隊三部作も読みたい。あと後日談があるという「クジラの彼」も!

  • 自衛隊三部作。
    他の二作に比べて、話に勢いがある。物語の早々に巨大エビが登場して、すごい勢いで話が展開するので、グイグイ読める。

  • 誰ですかライトノベル作家なんて言ったの。
    クジラの彼から入って、三部作を読め読め誰しもの感想に書いてあって。やっと読めました。
    でもライトじゃないよ!全然!

    海自よりも地上のレガリスの脅威を防ぐための警察内部と機動隊の話&自衛隊のが長いです。そしてそのシーンを延々と事細かに書ける素晴らしい情報収集力。そして海自陸自警察と機動隊全部ごっちゃになってる私のような読者にも興味を持たせてなおかつ理解させる技量。
    夏木さんじゃないですけど言葉を選ぶのがあんまりうまくないのできれいな感想が書けないのがもどかしいですが。

    最初から腕だけ遺して食われ死ぬシーンとかかなりハードです。。残酷でものすごくリアル。足はさみで切られちゃったり... 関目さん(クジラかなんかで出てきたと思うのは気のせい??)の腕の骨折のシーンとか... 自衛隊出動で数時間で殲滅となった時の住之江さんのいたたまれさが本当に胸にきました。これはフィクションだってわかってるけど、基本日本の防衛は規則でがんじがらめになってると思います。中国との尖閣問題でも中国漁船に衝突されて注意と威嚇のみって。
    これ読んで、少しでも国の対応のもどかしさを喚起された人がいたらいいな。防衛庁か政治家になって欲しい。とは行き過ぎかもしれないけど。

    この横須賀レガリス事件は結局クジラの最後のシーンで冬腹が彼女の上司を臭さで撃退(笑)するところなんですね。
    冒頭で亡くなった艦長がまさかその彼女の友達の叔父だったとは。いたたまれない死に方だったからなおさら。
    しかし、これだけ全国ニュースで流れてた体なのに、彼女はレガリスの話を知らなかったのかな?どういう設定だったか忘れちゃった。最初から最後まで冬原も彼女いない感じで振る舞ってたからクジラ〜の前の話かと勝手に思ってたし。絶対もう一回読み直さないと。
    クジラに収録されてる夏木さんと望の話もこれを読んだあとに読むと万感なんだろうなー翔がしゃべれなかったのも知らなかったし、どういう風に成長したのか読み直したい!冬原が結婚して子供できても夏木と望は始まってなかったっていうのはまあ驚きだったけど.. 笑
    なにはともあれ、潜水艦の中に逃げるというのは良い策だったと思うんですが。普段から何十人もの人が寝起きしてる場所だから、食料とか必要最低限の生活の保証はされるし、レガリスの攻撃からも守られるから絶対安全だし。
    フィクションだってわかってるけど、ニュースのコメンテーターでそういう話が出てても良かったのに!ってフィクションにすごいイライラしてました笑

    クジラ〜で海が一番楽しみだったんですが、塩と空も読まないと!

  • ほんとよかった、有川先生ついていかせてください。とくに最後が好きだなあ 圭介の描き方がかなり好きだ 阪急列車(映画)のちょっとわかりやすい構図が気になってただけに圭介の描き方で、この方ついていきたいって思った

  • 自衛隊三部作の三作目、海自編。

    海自的要素は想像以上に少ないですw
    ちょっとテンポが良くないですが、合間に入るミリタリヲタのチャットログが良い閑話休題になりました。

    レガリスの描写はなかなかグロくて大好きなエビが暫く食べられないやも・・・と危惧しています。(まぁ多分食べますがw)
    レガリスまんじゅうには人の図太さを感じましたが、茂久父の「レガリス丼」は爆笑しましたw

    夏と冬の掛け合いは時に漫才に、時に男の友情物語になりアツイです。
    先にこの二人のスピンオフで恋愛小説読んでるので、思い出してニヤニヤしてしまいました。

    でも三部作の中ではやっぱり勢いと吸引力のあった「塩の街」の出来が良すぎて残る二作品は若干出来が落ちます。
    「塩の街」がラノベだったことも大きいかもしれませんが。
    長編をぐいぐい読ませるにはまだちょっと筆力が足りないのか。
    助長的になりがちなことは否めません。
    今回はLOVEの要素が少なかったのもあるかな?w

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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