断章のグリムI灰かぶり (電撃文庫 こ 6-14)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.60
  • (124)
  • (154)
  • (327)
  • (18)
  • (5)
本棚登録 : 1471
感想 : 154
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840233880

作品紹介・あらすじ

曰く、この世界に存在する怪現象は、全て"神の悪夢"の欠片である。この悪夢の泡は人間の意識に浮かび上がると、急速に人の恐怖や悪意や狂気と混ざり合う。そして、現実世界を変質させながら溢れ出し、悪夢の物語を作り上げる。だが、浮かび上がった悪夢の泡が非常に大きかった時、個性が希釈されて物語の『元型』に近くなる。明示的、暗示的、様々な形で『昔話』や『童話』のエピソードに似たものになる-。普通であることが信条の白野蒼衣と、過去を引きずりつつ悪夢と戦う時槻雪乃。人間の狂気が生み出した灰かぶりの悪夢の中で出会った二人が辿る物語とは-!?鬼才が贈る幻想新奇譚、登場。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2015/10/07読了
    Missingまでは読んでいたけどこちら未読だったので。

    すごい、これがラノベか…というくらいの設定(笑)
    いやMissingも後半はだいぶ厨二病くささが満載だったけど、これはもうまさにといった感じ。
    非日常。
    んなアホなwって言いたくなるような←
    Missingは確かに登場人物に凄く厨二病的なものは感じたけど、設定として日常がまだ近いものに感じられたからなのかもしれない。
    これはもうファンタジーに近い。
    確かに作者もあとがきでメルヘンと言っているのでそうなのかなぁ。

    でも、象徴とかシンボル学なんかは好きなので、そういう意味では面白いかも。

  • 《読み終わってから時間が空いていますが感想書きます》


    まず、個人的にはどんぴしゃりな作品でした。
    というのは━━

    1⃣ただただ凄惨な悲劇とそれに抗おうとする悲壮感(ようは鬱)

    2️⃣ヒロインがゴスである

    3⃣主要キャラクターには《断章》というトラウマがある

    4⃣題名通り「グリム」。つまりは御伽噺のメルヘンさと残酷な内容のギャップ


    ……ですかね。僕は悲劇が好きなので、とてもそそる内容だったと思います。グロい描写が多かったのもそれを高めていると言えるでしょう。


    1巻は確か灰かぶり、シンデレラの話だったかと。
    早速凄絶さが極まってますよね。目に刃物が近づくシーンとか、割とガチで悪寒がしました(笑)


    ぶっちゃけもう一度読む“勇気”はないかもですが、嬉しいことに続編があるので、読み進めていきたいと思います!

  • 再読。
    やっぱり痛い!痛い痛い痛い!!

    蒼衣の接し方が新鮮でした。
    最初はぶっきらぼうな男の子な感じの語尾だったんだなー。

    もしかして
    「白」野、「雪」乃、颯「姫」で
    伏線だったー、とか。
    ないか。

  • 怪異を解釈していく流れがいい。この人の作品で一番好きなシリーズかも。

  • 「終わりと始まり」
    プリントを届けに来たが。
    明らかに普通ではなくとも、目の前に突然現れたら対応など出来ず呆然としてしまうだろうな。

    「傷を負った騎士」
    仲間の紹介だけのはずが。
    どんな形であれ関わってしまった以上、簡単に逃げることなど出来ず闘わざるえないのかもな。

    「灰かぶりの欠片」
    皆が知る物語とは違う話。
    些細なことですらトリガーになるのであれば、下手に室内で生活を送る事すら危険なのかもな。

    「魔女と魔女の死」
    何かを抱えて生きている。
    能力の関係上仕方ないといえばそれまでであるが、トラウマを忘れられないのは辛いだろう。

    「葬送そして葬送」
    サクサクと聞こえる音は。
    誰もが異形に飲まれて普通でなくなった時、正気を保ったまま居続けることは不可能だろうな。

    「終わりの始まり」
    灰被りが襲う人の関連性。
    傍から見れば異常な状態で歩き回っていたというのに、誰一人とて気付くことはなかったのか。

  • このシリーズは
    「童話が好き」
    「童話を色々解釈していくのが好き」
    「考えながら読むのが好き」
    「凄惨なシーンに耐性あります!」
    という人にオススメです。本当にグロ耐性ない&場面を想像しながら読んじゃう人は気をつけてくださいって感じです。マジで。

  • 主人公の白野蒼衣(しらの・あおい)は、クラスメイトの杜塚眞衣子(もりづか・まいこ)の家を訪ねます。そこで彼は、目をえぐられた女性を目撃し、彼の日常生活は終わりを告げます。

    その場に登場した時槻雪乃(ときつき・ゆきの)に救われた蒼衣は、骨董商「神狩屋」の鹿狩雅孝(かがり・まさたか)のもとに連れてこられて、これまで知らなかったこの世界の真実を教えられます。この世界は、「泡禍」と呼ばれる災厄に見舞われる人びとがおり、雪乃たちは泡禍を抑えるために活動している「騎士団」のメンバーでした。騎士団のメンバーたちもまた、泡禍を経て特殊な能力をそなえるようになり、蒼衣自身は記憶を封印していましたが、やはりそうした能力をもっているというのです。

    その後、やはり神狩屋のもとに身を寄せている夏木夢見子(なつき・ゆみこ)の能力によって、シンデレラの物語にまつわる泡禍が近いことが明らかとなり、さらにその中心に眞衣子がいることがわかります。

    童話をモティーフに取ったグロテスクな描写を含むストーリーと、ツン度高めのゴスロリ少女が登場するダーク・メルヘンです。ただし、主人公の蒼衣やヒロインの雪乃といった主要な登場人物は、ライトノベルの枠内に収まるようなキャラクター造形になっているので、本格的なホラーはあまり得意ではないわたくしにも、個人的には安心して読むことができました。

  •  実質再読。いらなくなったからともらった本。
     童話を元に起こる悪夢のような出来事。みんなそれぞれに痛みがあって、その痛みを抱えながら生きている。これ以上の痛みを増やさないために。
     ユング、フロイト関係の心理学は専門ではなかったものの、多少はやっていたので、イメージや連想の解釈は前より楽しめた。話し出すと止まらないよね分かる。
     眞衣子の境遇は難しい事案だと今になっても思う。それでも蒼衣の存在は大きかったかなー……。
     少し先までは昔読んだことあるので、神狩屋の過去についての言及は少しどころじゃなくやべーだろと思ってる。

  • これのどこがスプーン一杯のグロテスクなんだろう(笑)どれだけ巨大なスプーンなんだ。かなり耐性はあるがこれは怖かった。童話の解釈とか興味深い。絵が合っていないのは残念。

  • ライトノベル

全154件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1977年、岡山生まれ。津山三十人殺しの舞台となった津山市出身。二松学舎大学卒。民俗学および魔術に関して知識を豊富に持ち、『Missing 神隠しの物語』で電撃文庫デビュー。著書に『断章のグリム』『時槻風乃と黒い童話の夜』『夜魔』『ノロワレ』『霊感少女は箱の中』シリーズなど。

「2022年 『Missing13 神降ろしの物語〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

甲田学人の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
甲田 学人
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×