- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840234320
作品紹介・あらすじ
妹の小夜子が事故でこの世を去った八月十五日は、アブラゼミがうるさく、怖いくらいに日没が赤い、まるで世界が焼かれていくような夕方だった。そして、五年後の小夜子の命日。同じように夕陽で赤い空を、雲がせわしなく流れていく。周囲がアブラゼミの鳴き声に包まれる。なにか、予感めいたものがあった。驚くほど暗く、常にざわざわと不穏な音を奏でる森の中、上りかけた月の光が優しく降り注ぐその下に、小柄で美しい少女は座っていた。「-あなたは…だれなの?」少女の声質は小夜子と似ていた-。日没になると必ず眠る少女国崎桜花は、決して小夜子の代わりではなくて-。
感想・レビュー・書評
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天才がスランプを乗り越える王道なのに、読んでて面白かった。
人を自殺に追い込むことも、希望を与えることもできるだけの才能を持って生まれるというのは、きっと私達には想像もつかないような苦労があるのかな、と。
色彩が認識できないからこそ認識できる彼女の世界を見てみたい。
でも、白と黒だけで構成された世界というのも興味はある。
人の精神に影響を及ぼすような彼女が描いた絵を見てみたいと思った。
ライトノベルなのに全然ライトじゃなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は挿絵なしのハードカバーで売ってほしい!
良い本だからきっと売れるはず。
天才少女画家の誕生、失墜、再生の話。
初めて読んだ当時、悩みがストーリー内容にドハマリしててぼろぼろ泣いたのはいい思い出。 -
1巻完結。桜花は「護くん」シリーズの絢子に境遇が似ている。
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ヒロインの描く絵画の表現がとても美しく、それ故想像は難しかったのですがつい読み耽ってしまいました。内容的には従来のラノベと変わらん
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ストーリーの中核をなす桜花というキャラクターが魅力的で、桜花の性質そのものが作品としての良さを生みだしている。とくに桜花がなぜ絵を描くか、そして作中で描けなくなったとき、それをどう乗り越えるか。そういった場面の書き方が丁寧で、文章として表現しにくい『絵』もすんなり受け入れることができた。
全体的に必要以上にドラマを演出しているところが多々あり、それが冗長になっている場面では手が止まりかけたが、読み終えてみると、そういった冗長さも桜花という少女を書くためには必要だったのだろうと納得した。
プロローグから想像できるほど謎らしい謎もなく、刺激を求めるうえでは退屈かもしれないが、一巻読みきりものとして十分に素晴らしい作品だろうと思う。 -
キレイで哀しいお話でした。
某所でラノベ大賞2006年上半期をやってて、
その中で評判よかったので読んだら
うん、よかった。
全色盲の少女が描く絵が人々に様々な影響を与えていくお話。 -
絵がちょっとなあと思いつつ題にひかれて手にとってみた。
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Thanks to I.A.
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妹萌えの正統派。