鳥籠荘の今日も眠たい住人たち〈1〉 (電撃文庫)

著者 :
  • メディアワークス
3.74
  • (140)
  • (137)
  • (256)
  • (12)
  • (0)
本棚登録 : 1195
感想 : 126
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840236058

作品紹介・あらすじ

"ホテル・ウィリアムズチャイルドバード"、通称"鳥籠荘"には、普通の社会になじめない一風変わった人々が棲みついている。妄想癖の美女、ゴスロリ小学生、ネコの着ぐるみ、不気味な双子の老人、そして響き続ける正体不明の金切り声。そんな"鳥籠荘"の住人の一人・衛藤キズナが、5階に住むひきこもり美大生・浅井有生と知りあったのは16歳の冬。そして、誘われたバイトは、絵のヌードモデル。やってみることにしたキズナは、油絵具の匂いがこもる雑然としたアトリエで浅井と一緒に過ごすうち、その時間が自分にとって次第に大切な日常の一部になっていくのを感じて…。"鳥籠荘"のちょっとおかしな住人たちの、ちょっとおかしな、けれどいろいろフツーの日常をつづる物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 衛藤キズナという少女が中心になって、鳥籠荘と呼ばれるアパートでの日常風景というところでしょうか。
    一応はラブロマンス的な話なんでしょうかね。
    衛藤キズナと浅井有生との。
    基本的にまともな人物は出てきません。
    レギュラーである主人公衛藤キズナは元不良少女のヌードモデル、浅井有生は偏屈の画家、井上由起は女装家だったりするし、1話のジョナサンは脳障害、2話のサチはキズナの仲間だった不良少女、3話の山田華乃子はうそつき少女に、そのパパは年中着ぐるみ、4話のミナコは空間恐怖症と、登場人物のことごとくがクセモノばかりです。
    基本的にしんみりした話ばかりですね。
    ハッピーエンドは無いですが、いいお話ばかりです。

  • 不思議な感覚。著者もあとがきで言ってたように、何も大きな事件的なものは起こらない。なのに、読んでるとちょっと心臓ひりひりする。

    壁井さんワールド全開!!

  • 少し切なくて不思議なお話でした。登場人物のひとりひとりがすごく可愛いです。

  • ほんわかファンタジーと思いきや、障がいを持った青年、夜の街で「ゲーム」する少女たち、みんなと違う父親、失った恋人の幻影に囚われる、となかなかのハードぶり。
    電撃文庫での刊行ということに、ラノベジャンルの奥深さを思い知る。読み応えあり。

  • イギリスかぶれた雰囲気。90年代の日本。
    夢のようなうつつのような。不思議が日常に溶け込んで普通になる。登場人物みんなかわいい。
    電撃文庫のイメージが変わった。

  • 文明開化の雰囲気ただよう鳥篭荘ことホテルウィリアムチャイルズバードというアパートを舞台にした連作集。
    ヌードモデルをつとめる天涯孤独の十七歳・キズナ(ひきこもり気味)の視点で話が進みます。壁井ユカコさんは文章が上手いと聞いてたんですが、本当に上手いです。読点少なめで割りとセンテンスが長い文体なんですが、心理描写が繊細で、描写もすごく丁寧で好感もてます。

    永遠に泥沼に浸かってはいられない。
    湖に水が溜まるみたいに、いつかは泥は浄化されて澄んだ水で埋められていく。
    時間という決して澱まない水が少しずつ泥を薄めて、はまり込んだ足をいつかは解放する。
    たとえ浅井自身がそれを望んではいなくても。

    この部分は「上手いことたとえるなあ」と溜め息がでました。感嘆。
    キャラ造形も上手い。睡眠障害の画家、きぐるみのパパをもつゴスロリ小学生、女装癖のある学生。屋内に突如響く金切り声や幽霊に「掃除人」など、人外の住人も含めたら結構な大所帯です。
    舞台はおそらく日本なんですが、アメリカの下町といわれても不思議と納得してしまう無国籍風の空気が、現実から3センチほど浮いてるような独特の読み心地を約束します。
    テクノサマタさんの挿絵も雰囲気にあっていてとても可愛らしい!
    浅井とキズナの煮え切らないやりとりにやきもきしたり、掃除人の思い込みの激しさに笑ったり(色ごとってなんだよ色ごとって)、女装だけど男前な由起にどきっとしたり……
    日常の延長線上に非日常があるのではなく、日常の中に非日常が組み込まれて境が曖昧になってる感じですね。

    若い女性に人気があるのが凄くよくわかります。

  • 高校時代に読んで好きだった作家さんの本を再読。
    やっと見つけました。
    そうそう、こういう不思議な人たちがいっぱい出てたよなあ、ってにやけてしまった。
    相変わらず、登場人物が生き生きしてて、大好きな作品。特に、有生先生のファンです。ステキ。
    高校時代に出会った作品は良いのが多いから、いっぱい読み返したいな。

  • 全巻読了済み

  • 作風は今まで通り、少女漫画のライトな小説版、といった感じ。

    主人公が、こてこてに、少女少女してるので、購入前にさらっと主人公の言動をチェックした方がいいです。

    一巻では完結しないので、それもまた考慮してください。

    著者のファンならば、即時購入を勧めます。

  • 鳥籠荘にはちょっと変わった住人達が住み着いている。
    その一人16歳の衛藤キズナは美大生と出会い、誘われたバイトはヌードモデル。
    一緒に過ごすうちに次第にその時間が大切なものになっていくのを感じて…。

    壁井さんの作品は2冊目になります。
    今回はちょっと合わなかったけど、主人公の心の描写や人間関係が壁井さんの世界観が満載だった気がします。
    読後はちょっとだけ心がほっこりしましたね。
    なんとなくだけど、主人公が女性なだけに男性より女性の方が世界に入り込めるかなと思います。
    電撃文庫からでていますが、異能もコメディもなくMWっぽい仕上がりです。

全126件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

第9回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、2003年『キーリ 死者たちは荒野に眠る』でデビュー。その他の著書に、『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』(電撃文庫)、『エンドロールまであと、』(小学館)など多数。

「2009年 『NO CALL NO LIFE』 で使われていた紹介文から引用しています。」

壁井ユカコの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×