狼と香辛料V (電撃文庫 は 8-5)

著者 :
  • メディアワークス
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840239332

作品紹介・あらすじ

「ここで旅を終わろう…」ホロとロレンスの関係が急展開する最新刊登場。

感想・レビュー・書評

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  • 狼と香辛料シリーズの5巻目。
    今回は全体的に、ロレンスとホロをはじめとした登場人物たちのやり取りであったり、言葉のセンスが印象的だった。
    毎回ホロにいいように遊ばれていたロレンスの経験値が確実にたまってきているのか、ホロ相手にもたまに巧く言い返している場面も出てきて、二人の関係性が出来上がっているのがよく分かります。
    かと思うと、言った後に赤面するような言葉を誘導されていたりして、そこがまた微笑ましい。このシリーズってホロの可愛さはあるのだけど、実はロレンスが一番可愛いのではないか、と思い始めています。

    そんな二人が今回挑むのは、毛皮の売買。街の有力者たちと毛皮で身を立てている職人たち、そして商人たちと、それぞれの思惑が入り乱れる中、ロレンスにも大きな商売のチャンスが舞い込んできます。
    それは自分の店を持つという夢を一気に実現させてしまうほどの大チャンス。それだけにロレンスはいつも以上に慎重に情報を集めていく。

    情報を集め商談に臨む流れで、酒場の娘や無口な宿屋の主人や金貸しなど様々な人物と、ロレンスの会話のやりとりの場面があるのだけど、ここのやり取りやロレンスの返しであったり、言葉のチョイスであったりが非常にスマートで読んでいて楽しかった。

    特に酒場の娘とのやり取りは印象的。女性の小悪魔っぷりというか、女性の恐ろしさを感じさせる……。
    なぜかアンジャッシュの渡部さん騒動も思い起こしてしまったけど……。ロレンスの言うように、この娘さんとホロがバチバチにやり合ってるのは、怖いもの見たさでぜひ観戦したい。

    ホロとロレンスの関係性、ロレンスの考え方の変化もシリーズ通して読んでいると、変わってきているのも分かります。二人の関係性に安住して、商売が守りに入りつつあることを自覚するロレンス。そしてホロが切り出した旅の終わり。ここで明かされるホロの思いというのも、二人の関係性ならではのもので、色々と感じてしまう。

    そして商人ならではの物語の展開も綺麗だった。ロレンスと共に共同戦線を張った女性商人エーブの目的。
    ミステリのように解き明かされるラストの展開は、街の設定、商人の設定、教会の設定を存分に活かした見事なもの。それだけでなく、金の恐ろしさをも感じさせる。
    会話劇の面白さもあるけど、やっぱり土台にファンタジーな世界での、商人のリアルな戦いや戦略、知略が描かれるからこそこのシリーズが好きなんだな、と再認識しました。

  • 再読。大きなピンチ、という程の話でもないが、2人の関係と旅の行く末の進展に関わる話。
    ホロ以外の登場人物との会話もとても面白く、ここまでの巻の中では1番好きな巻。

  • 関係性の変化。

    掛け合いに可笑しみがあって面白い。まさかの次巻へ

  • 背ラベル:913.6-ハ-5

  • 久々に侮れないライトノベルを読んだ気がする。
    展開は王道だが、それなりに起伏が存在する。

    絡繰りがそこまで入り組んだものではなかった辺りもよかった。ただの知識ひけらかし作品に堕ちていない。

    バランスの取れた、良作であると思う。

  • レノスの町を訪れたロレンスとホロは、アロルド・エクルンドの経営する宿に宿泊します。そこで出会ったエーブ・ボランという商人は、顔を頭巾でかくしていましたが、ホロはエーブが女であることを見抜きます。

    その後、エーブからもちかけられた大きな商談にロレンスの心は動かされますが、彼女の背景についてなおもロレンスは一抹の不安をいだきます。しかし、ロレンスの旅の伴侶としてこれまで彼と行動をともにしてきたホロは、なおも決断のつかないでいるロレンスの背中を押し、二人の旅の終わりをロレンスも考えることになります。

    ロレンスとホロとのいつもの会話に加えて、今回はエーブや酒場の看板娘といったヒロインたちとドキドキさせられる会話がさしはさまれていて、この点も本シリーズの大きな魅力のひとつだとあらためて感じました。

  • ホロの故郷探し
    少し盛り上がりには欠ける

  • ホロの伝承が残るレノスの町を訪れたロレンスとホロ。
    しかし市壁の外には行商人たちが多数のテントを張っており、検問ではひどく慎重な身体検査をされた挙げ句、“外地商人証明札”を渡される。
    おまけに年代記作家のリゴロは五十人会議の真っ最中。
    レノスの町で何が起きているのかを探るうちに、ロレンスは女商人エーブからある計画を持ちかけられるのだった。

    アニメではこの話で最終話を迎えたが、確かにそれにふさわしくロレンスとホロの関係がひとつの山場を超えたように思える。
    今までの終わりかたとはまた違う、けれど心地よい余韻が胸に残っている。

  • ロレンスは目に見えてホロの扱いが上手になっている。明確な結果が出ず次に続く形で終わったのは今回が初めてか。二人の関係の転機ともなる話、面白かったです。次回も楽しんで読めそうです。

  • 5巻目。
    ホロの伝承を求めてやってきた街で騒動に巻き込まれる話。
    資金を得るためにホロを担保に金を借りるという結果だけ見るとなんだかなー、と思ってしまう。

    このまますんなり行くのかと読んでたけど、最後にドタバタと波乱がありつつ、
    ロレンスが素直な気持ちを語り、二人の絆がさらに固くなったようで良かった。

    物語は必ずしも主人公が死ぬまで書かれる訳ではなく、「幸せであり続ける物語」というのは難しいとは思ってしまった。

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著者プロフィール

第12回電撃小説大賞《銀賞》を受賞し、電撃文庫『狼と香辛料』にて2006年にデビュー。

「2023年 『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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