禁断の思考: 社会学という非常識な世界

著者 :
  • 八千代出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784842911014

作品紹介・あらすじ

近代−資本主義社会は、私たちの主体的な欲望なしには発展し得ない必然性を有していた。しかし現在、資本主義は情報化の波に後押しされるかのように、消費社会へと変貌を遂げている。メディアが主体的な欲望を超えた過剰な欲望を生み出しているからだ。マルクス、フーコー、そしてボードリヤールの理論を駆使し、近代から現代社会への展開を見事に描ききった本書は、明晰で機知に富んだ文章により、社会学という禁断の思考へ誘う、最高度に刺激的な現代社会論入門である。

感想・レビュー・書評

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  • 「消費社会」や「情報社会」と呼ばれる現代の社会の成り立ちと、それがどのように私たちの思考と行動を規定しているのかということを、わかりやすく解説している本です。

    著者自身の社会学的な考察が展開されている本というよりも、もうすこし手堅い社会学の入門書という印象を受けました。著者の議論は、フーコーの権力論よりもボードリヤールの消費社会論に多く依拠して進められており、あつかわれている内容は若干狭くなっていますが、そのぶん読者は社会学についての鮮明な印象を得ることができるのではないかと思います。

    さまざまな議論が交わされている現代社会の基本的な性格がていねいに説明されており、社会学をこれから学ぼうとする読者にとって優れた手引きだと感じました。

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著者プロフィール

1961年大阪市生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程中退(教育社会学)。京都大学教育学部助手を経て現在帝塚山学院大学教授(社会学)。主な専攻分野は、社会学理論、現代社会論、民主主義研究。主な著書に『禁断の思考:社会学という非常識な世界』(八千代出版)、『民主主義という錯覚』(PHP研究所)、『社会主義の誤解を解く』『日本語の宿命』『日本とフランス 二つの民主主義』(以上、光文社新書)、『政治家・橋下徹に成果なし。』(牧野出版)、『ブラック・デモクラシー』(共著、晶文社)など。

「2017年 『「文明の衝突」はなぜ起きたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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