コンビニオーナーになってはいけない 便利さの裏側に隠された不都合な真実

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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845115570

感想・レビュー・書評

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  • コンビニのオーナーの経営という名の労働実態がわかってよかった。
    ブラック過ぎて読み飛ばしたくなるような部分もあった。
    差し入れで入ってくる4コンマ漫画がこまかすぎて読みづらかった。

  •  
     いかにコンビニを軽視しているのか消費者目線で見るととても悲しく思う。

     がんばれば報われるという世界はとうに過ぎてしまったのか。この惨状を利用客は到底理解することはないのだろう。

     便利になるという事はこういう事だ自分が便利だと思う裏には常にその犠牲を追う人がいることを考えなければいけない。

     これからの時代はコンビニ以上に便利になる。さあその恩恵を受けられるのは何時までだろうか。



     コンビニ経営者の皆さんありがとうございます

  • コンビニオーナーにはなる気はないんだけど、日頃お世話になってるので読んでみた。便利さの裏で、かなり過酷な実情である。店員さんにはもっと優しく接したいと思った。

  • ・かねてより加盟店のオーナーの過酷さは耳にしていたが、想像をはるかに超えてえげつない
    ・コンビニ本部にとっての顧客は各加盟店だということがよくわかる
    ・実際に売れた分だけを原価に参入するという特殊な会計方式により、売上原価を減らし営業利益を押し上げ、本部の取り分を増やしている
    ・売上に上がらない廃棄や万引きのコストは全て加盟店の負担となる。本部からすれば、これらの行為を防ぐインセンティブは無く、むしろ値引き販売を非常に嫌がる
    ・仕入明細が加盟店側に明かされていない。本部推薦商品の仕入単価が一般スーパーの売値より高額という場合もあり
    ・深夜営業もほとんどの加盟店にとっては赤字だが、本部からすれば粗利益が発生する限り利益となる(バイトの人件費は加盟店が負担)。
    ・フランチャイズは労働法逃れという一面もあり

  • コンビニの裏話を語ってくれる本です。
    この本を読むとホント、コンビニオーナーにはなったらダメだなぁと思います。
    一番やばいと思ったのが、コンビニ本部が持っていく利益。営業利益の何%じゃなくて、粗利の何%だということ。これは、物が売れればコンビニが赤字だろうがなんだろうが、本部に利益を支払わないといけない仕組み。業績がよければ問題ないのかもですが、なにか怖いです。
    また、廃棄も予算化されてて、かつ、客が買いに来て売り切れている事を悪として、どんどん発注だれることも問題です。その廃棄や万引きなどでの損失にも、事実上、本部の利益が取られる仕組みも恐ろしい。
    コンビニ本部も商売なので儲けるようにする仕組みは大事なんだろうけど、コンビニオーナーの利益はあまり考えられていないようで怖い業界ということを思い知りました。

  •  セブンイレブンが、江東区豊洲にオープンして40数年、今や全国で55,404店(2018年3月)・売上高約4兆円となり、生活に欠かせないインフラになったコンビニエンスストア。ただ、コンビニエンスストアには、大きな問題点・闇の部分がある。それは、過重労働問題と、歪なフランチャイズ契約。
     コンビニオーナーは、形式的には独立した経営者の扱い。労働基準法の適用にならず、法的な保護も受けない。スタート当初は、名称どおり午前7時から午後11時までの営業も、現在はほとんどの店が24時間営業。人出不足もあり、オーナー含めた家族でフォロー、その負荷はコンビニオーナーが背負っている。人件費はオーナー負担で、フランチャイザー(本部)には痛みはない。痛みがあるどころか、フランチャイザーは利益は売上比。フランチャイジー(加盟店)にとって24時間営業の費用対効果は今はなくなっているはずだが、フランチャイザーは、いろいろな手段を使って、売上増・24時間営業を強要してくる。
     コンビニの雄・セブンイレブンは、国内に20,286店舗展開(2018年3月)・全店売上高は4兆5,759億円(2018年2月期)も、直営店は約450店・年間1000億円程度の売上で2%前後。ほとんどはフランチャイズ契約で展開。セブン・イレブン・ジャパンの2018年2月期決算は、売上高(営業総収入)は8,949億円、粗利7,777億円(91.5%)、営業利益2,441億円(28.7%)、当期純利益1,667億円(19.6%)。この売上は加盟店からの収入で、加盟店が本部に支払するロイヤリティ=チャージ。この部分には通常の商品の仕入原価は発生せず、フランチャイズシステム提供の人件費・物件費が原価で、粗利率が90%を超えている。ちなみに、直営店売上1000億円の粗利率は約28%。セブンイレブンのビジネスモデルは、このフランチャイズ契約が利益の源泉。セブンイレブンは、商品の品揃え・店の運営は、日本流で進めたが、「粗利分配方式」と「会計システム」は米国流、「おにぎりやお弁当を自分で売るより、誰かに売らせてチャージを吸い上げる方が、効率よく稼げる」。
     セブンイレブンは、毎日発生する仕入代金の貸借や会計処理を、セブンイレブンが代理で行う会計簿記制度を採用。契約上、オーナーはこの制度以外では決済できない。コンビニ会計の特徴は、①売上金の全額(つり銭用の規定額を除く)を加盟店が毎日遅くとも翌日に本部に送金。加盟店が給料等、月々のやりとりに充てるのは「月次引出金」として所定の算式で本部に稟議を上げ、承認を受けた後、定額口座に振り込みされる。売上金の一部に手をつけると、本部社員が加盟店に乗り込み、24時間の「出納管理」を行うことも。②加盟店の会計は加盟店が行うのではなく本部が代行。店のオープン時、加盟店は店の在庫の全ての支払を行うのではなく、一部定額のみ負担。差額は本部が「与信」として本部が融資する形をとる。ただ、実際は、商品の支払は後払いで、お金を預けているのは加盟店の方。なのに、低利とはいえ、与信には金利が付加されている。この金額は数千億円になると想定されている。③発注は加盟店も、99%が本部推奨商品で、仕入先ベンダー・仕入原価はストアコンピュータに表示も、伝票・領収書はなし。本部のバイイング力は圧倒的で、仕入価格も安いはずだが、表示の仕入価格はそうなっていない。仕入内容の開示を求めて裁判を起こした加盟店があり勝訴も、開示のための費用は加盟店負担とされ、いまだ詳細な内容は把握されていない。④粗利は分配され、本部が一定率(セブンイレブンの場合、56~76%で粗利額ごとに率が変わる)をチャージ収入として徴収。但し、この粗利の売上原価は、売れなかった商品の原価は差し引くとして、棚減り(棚卸ロス・万引き等)やお弁当・おにぎり等の廃棄が引かれている。結果、見ばえの粗利額が増え、本部へのチャージ支払が増え、棚減りや廃棄は営業費として加盟店負担。機会ロスをなくすということで、一定額を発生させることを目標とされたり、加盟店に値引きを制限しているのも、この契約が背景。廃棄は全て加盟店負担は、あまりに不公正なため、公正取引委員会からの指摘を受け、本部負担に変更された。ただ一部のみ(15%)。
     「加盟店舗とベンダーとの取引において本部は経済的利益を受けていない」とするが、財務会計上の計上はともかく、本部が負担すべき広告宣伝費や販促費用、商品の開発費等を、ベンダーに負担させるといった方法で、実質的な経済的利益をえていると考えられる。Aタイプは自分の土地・建物で本部チャージは30~49%、Cタイプは本部が土地・建物用意し本部チャージは60~70%。店舗指導員として配置されているOFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)、建前は週2回オーナー店でカウンセリングを行うことになっているが、実際はオーナーの監視と新規商品を進める営業マン、その上位者で地区を統括するDM(ディストリクトマネジャー)、さらに上位者の県単位・ゾーンを統括するZM(ゾーンマナジャー)と二重三重の管理体制が構築されている。
     コンビニ・フランチャイズ契約を規制する法はなく、民法は契約当事者が対等であるという前提に立つため、契約自由が原則で、権利濫用・信義則・錯誤の適用はハードルが高い。契約当事者間の置かれている状況の不均衡を考慮すると、何らかの立法対応が求められている。こんな歪な契約で、コンビニはこれから10~20年も続くのだろうか。365日24時間稼働は、既に外国人雇用で維持されつつある。これも、いつまで続けられるのか。
     セブンイレブンは、2015年にブラック企業大賞。ちなみに、2012年東京電力、2013年ワタミ、2014年ヤマダ電機、2016年電通、2017年引越社、2018年三菱電機。

  • コンビニのビジネスモデルについて、オーナーの立場から述べている。

  • 東2法経図・6F開架:673A/Ki61k//K

  • レビュー省略

  • 《廃棄商品の原価 × チャージ率》だけ本部の取り分となるので、廃棄するほど儲かる。それで、欠品のないようにと言いながら、廃棄を出すような仕組みにしている。食品ロスが問題なご時世に何という。仕入れさえ増やしてもらえば自然増収のなる。その結果、廃棄が増えても本部は関係がない。さらに万引きされても、本部としては売上になるので、万引を発見して怒っていても、「お客さんをあまりいじめないように」と本部は注意するそうだ。本部にとってはいいお客なんですね。チャージ率も複雑に計算されて本部に金が入るような仕組みになっている。シフトが組めなくなるので、子どもはつくらないようにと言われる。キリンは2時間しか寝ないでいいそうで、ナナコのキリンのマークはその意味があるのではとか。災害で避難命令が出てもオーナーは最後に避難しなくてはならない。東北の震災でたくさんのオーナーが亡くなったが、命より売上がセブンイレブンのモットー。

    こういう話は極端から極端を並べているので、良心的なセブンイレブン社員もいるのではないかと思う。双方の意見を聞かないと分からないところもある。が、それを考慮してもひどい話だ。タイトルどおりだと思う。始める前に資金を投入しているし、契約もあるのでやめるのも辞められない。こうした本が図書館にあるのもスゴイことだ。

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