春の旅人 (立東舎)

著者 :
  • 立東舎
3.67
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本棚登録 : 384
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845631926

作品紹介・あらすじ

大人気作家・村山早紀の未発表作品を含む3つの短編を数多くの装幀で知られるイラストレーター・げみの世界観に寄り添うやさしいイラストが彩る、華麗な1冊。「花ゲリラの夜」さゆりさんは、いつもポケットに花の種や小さな球根を隠し持っている。散歩のふりをして、町中に種をまくのだけれど…。「春の旅人」夜のゆうえんち。そこで出会ったおじいさんから、ぼくは星をみながらとあるお話を聞くことになった。「ドロップロップ」ドロップロップかんをふるところん-。大人も子どもも楽しめる、カラフルなお話。

感想・レビュー・書評

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  • 村山早紀さんとげみさんのコラボ。

    紫色と藍色に輝くのは黄金の星。
    その中心に青年と亀、彼らのバックには満開の桜の木という…なんとも優美な表紙の絵。

    3つの短編はとても優しい。

    「花ゲリラの夜」綺麗で強い薔薇のようなさゆりさんは、私を散歩に誘うと町中に種をまく。
    知らぬ間に咲いて誰かが喜んでくれたら幸せな気分になる。
    そう、花は誰かを幸せにして、誰かに勇気を与えてくれるのかもしれないと思う。

    「春の旅人」遊園地で見かけたおじいさんから聞いたのは、若い頃に北極星から来た亀と話をしたこと。
    この星で生まれて宇宙へと旅立つ、同じこの星で生まれた、地球のきょうだいと呼ばれたことを。
    まるで夢のような話。

    「ドロップロップ」色をつかったポップな詩は、ドロップのように弾ける絵とともに楽しめる。


    〜好きな詩と絵を3つ〜

    かえりは カフェで クリームソーダ
    すこしだけ おとなっぽいね
    みちに おちてた びーだまも
    みどりいろだった

    だいだいいろは オレンジの あじ
    おばあちゃんが おくってくれた
    はこいりみかんの あったかい いろ

    おうちに ともる あかりの いろ
    おかえりなさい
    そんな いろ


    • かなさん
      湖永さん、おはようございます!
      村山早紀さんとげみさんのコラボ作品、
      すごくいいですよね~♪
      このさくひんで、げみさんの描かれる絵が素...
      湖永さん、おはようございます!
      村山早紀さんとげみさんのコラボ作品、
      すごくいいですよね~♪
      このさくひんで、げみさんの描かれる絵が素敵だなぁ…と
      他に何かないか…とたどり着いたのが
      「乙女の本棚」なんです。
      この作品の「ドロップロップ」は特にお気に入りです(*^^)v
      あと、一作品「約束の猫」がありますので、
      そちらもよかったらぜひ手にしてみてください。
      2023/09/13
    • 湖永さん
      かなさん こんにちは。

      ここから乙女の本棚へと入ったわけですね。
      美しい絵に癒されながら読むのも最高ですね。
      この本も他館の図書館から借り...
      かなさん こんにちは。

      ここから乙女の本棚へと入ったわけですね。
      美しい絵に癒されながら読むのも最高ですね。
      この本も他館の図書館から借りたので、次もけっこう先になるかも…と思いますが、読みたいと思っています。
      かなさんのように美しく整った本棚ではないですが、どうもいろんな本を読みたいタイプでしてミステリーの後は癒し系とかたまにコミックありとか気分次第で楽しんでます。
      2023/09/13
  • 「約束の猫」の前に2冊、村山早紀さんとげみさんのコラボ作品が出ていたなんて!!これは読むしかないでしょう!ということで、手にしました。この作品も読むことで癒されました(^-^)

    「花ゲリラの夜」:主人公は里奈ちゃんという女の子、里奈ちゃんが慕うさゆりさんに花町中に花を咲かせるという「花ゲリラ」に誘われる…。
    「春の旅人」:桜が咲き乱れる閉園した夜の遊園地、そこで出会ったおじさんから不思議な亀の話を聴くことになる…。
    「ドロップロップ」:カラフルなドロップに込めた可愛いお話…。

    このシリーズ、本当に好きだなぁ(#^^#)。ストーリーもみんなよくって、そしてげみさんのあたたかな挿画との相性がバッチリです!「花ゲリラの夜」には友達とうまくつきあいたい里奈ちゃんの思いが、「春の旅人」には過去の戦争への反戦メッセージが込められていて、考えさせられる内容になっています。「ドロップロップ」は、とっても可愛いお話でした。絵本のように手軽に読めるのもいいです。

  • 心が優しくなる3つの物語。
    村山早紀さんの文章とげみさんのイラストがとても素敵です。個人的には、『ドロップロップ』が好き。
    とてもカラフルで絵本みたいに読みやすかったです。

  • 優しい絵と文の融合で幸せな気分になる。
    1.花ゲリラ。ポケットの種や球根を散歩のふりして街中に蒔く。
    2.廃遊園地の桜木の下,宇宙亀の産卵。
    3.ドロップ缶飴のカラフルな詩。

  • 村山さんとげみさんの初コラボ作品。
    素敵な心温まる「花ゲリラの夜」「春の旅人」と、このまま絵本にしてしまいたい「ドロップドロップ」

    こどもにも大人にもおすすめします。

  • あまりに暖かすぎて懐かしい感じに不覚にも泣いてしまった。
    特に青い光を放つ亀の話はそれを話してくれるおじいさんが私のおじいちゃんと重なって懐かしい思い出がスゴく蘇った。丁度4月は環境も新しく変わって緊張してる時にほっこりする話は宝物だ。
    花ゲリラも初めて聞いた言葉だったけどそんなゲリラ集団がいたらいいな〜!
    みんなの目を楽しませてくれて世界に微笑みをくれるゲリラはみんなに幸せが与えられるわね!

  • 「花ゲリラの夜」「春の旅人」「ドロップドロップ」の3編
    どの作品も春のあたたかさやふんわりした雰囲気の中に、春独特のひんやりした感じや脆さ、もの悲しさが含まれていた。
    「花ゲリラの夜」と「春の旅人」は、人間関係や戦争も背景にあるけれど。そのことを除いても春独特の雰囲気に溢れているように思えた。
    「ドロップドロップ」はかわいい感じ。

    村山早紀さんのお話とげみさんのイラストがとても素敵でした。春夏秋冬で続編を出してもらえないかな?と思います。
    げみさんのイラストも、いつも表紙カバーで見ているのとは、ひと味もふた味も違い、想像以上に素敵でした。

  • 素敵なお話に、素敵なイラスト(*´∇`*)♪どの話を読んでも癒されるわ~(*´ー`*)

  • トロイメライを読んでからこちらを読んだので、いくぶん、読みやすかった。「花ゲリラ」という言葉は初めて聞いた。こんな素敵なゲリラもあるんだ。宇宙亀って!?ドロップの挿絵はカラフルでいいな。

  • 図書館のヤングアダルトコーナーにあった本。絵師のげみさんに惹かれて読んでみた。つい最近まで、げみさんを女性だと思っていた。

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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