政宗さまと景綱くん 2 (SPコミックス)

著者 :
  • リイド社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845847228

感想・レビュー・書評

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  • 浅い感想で恥ずかしいが、ほんと、重野先生って凄ぇなぁ、と思った(2)
    ヤングアニマル本誌で『信長の忍び』、ちょいこの間までは増刊号の嵐で、信長の若い頃を描いた『信長の忍び 尾張統一記』、Densiじゃ真田一族を主役にした『真田魂』を執筆してる
    なのに、この『政宗さまと景綱くん』の質は、(1)より下がっているどころか、逆に高まっている
    正直なとこ、あまり目立っている感じはしないけど、歴史ものの四コマ漫画を描かせたら、やっぱ、重野先生がトップだろう
    本当に、日本史、特に群雄割拠の戦国時代が好きで、なおかつ、四コマ漫画家である事に誇りを持っているんだな、それが、どの作品を読んでも感じ取る事が出来るのが、それを証明している
    同時連載中の作品の時代が、いくら近いとは言え、取材やネタ出しは楽じゃないだろうけど、その生みの苦しみが楽しいんだろうな、重野先生は
    伊達政宗は、これまで多くの漫画家に主役に取り上げられ、カッコ良く描かれてきた
    この『政宗さまと景綱くん』でも、主役の政宗はカッコいいが、それだけじゃないのが、重野作品
    政宗のカッコ悪いとこ、情けないトコ、しょうもないトコも、人間的な魅力を形作るパーツが、一つとして欠けてないからこそ、読んでいて親近感が湧き、彼の未来を見据えた行動に憧れを抱くのだ
    国の覇権を、その手に掴もうと言うのであれば、腐った慣習こそ、真っ先に変えねばならない。親類縁者だからこそ、戦いに負けた者へ情けはかけず、己の「変える」覚悟を示すべく、撫で斬りにし尽す
    残虐、そう人の目には映るだろう。けれど、改革には痛みが伴う。無血で変えられるならば、それに越した事はないけど、そう簡単には済まないのが現実だ
    正しいか、間違っているか、それは誰にも分からない。けれど、政宗に覚悟があったのは間違いない
    そんな政宗だって、時には大きな絶望に屈しそうになる事だってあった
    自分を常に見守ってくれていた父との、急な別れ。怒りと憎しみから荒れまくる政宗だったが、邪竜に落ちかけた彼を留まらせたのは、誰でもなく、最愛の嫁と大切な家臣らだった
    もし、このタイミングで我に返っていなかったら、政宗の未来は閉ざされていただろう
    大きな壁を乗り越えたかと思ったら、今度は、もっとデカい壁が覇道を阻まんとする。それでも、直進できるのが優れた武将
    やっぱ、男を磨くのは、絶体絶命のピンチだなァ
    どの回も、重野節が満載だが、個人的にお勧めしたいのは、第33話「父を取り戻せ」だ。政宗の凄味で霞んでしまっているけど、何だかんだで、輝宗にも竜の素質があったんだろう。死ぬのは嫌だ、けれど、自分より高いところまで行ける息子の邪魔になってしまうのは、もっと嫌だ。だから、政宗の為に、笑顔で逝った輝宗は、間違いなく、カッコいい
    この台詞を引用に選んだのは、さすが、伊達政宗の嫁、と唸ってしまったので。並みの女じゃ、暴走している政宗は止められなかっただろう。命は粗末にするもんじゃないにしろ、賭けるべき時は躊躇っちゃいけないんだろうな。政宗が、これほど有名になった一因は、愛の力もあるのかもな

  • 政宗って…
    かなり無茶な性格してるよね

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