アートを書く!クリティカル文章術 (Next Creator Book)
- フィルムアート社 (2006年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845906994
感想・レビュー・書評
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この本についてレヴューを書くということが恐れ多いといった感じですが、お勧めなので書きます。
本書はアート(美術・音楽・映画)批評を書くということの指南書となっています。
批評の添削や、著名な批評家のスタイルを紹介しているので、「批評の批評」という性格も持っています。
正直に言って、自分には難解な部分もあったし、この本の通りに書こうと思えば、いつまで経っても、レヴューが書けないという状態に陥りそうだな〜と思いました。
特に、ブクログのレヴューは鑑賞後にサッと書きたいしね。
でも、やっぱり読む人を意識して書くということや、間違った情報を与えないとか、そういう大事なことをより深く理解するために、どんな形でもレヴューを書く人には一度読んでもらいたいなぁと思います。
たとえ、この本の通りに書けなくても、意識しているかどうかによって、文章の出来は大きく変わるのではないだろうか。
あと、ブクログのユーザーは、本棚に登録した本について、一言でいいから、なんか書いてほしいなぁ〜。
本棚に入れるだけじゃなくて。
やっぱり感想とか読みたいし。
まぁ、使い方は自由なんだけどさ。
といいつつ、僕の文章はダメダメなんで反省、反省。
でも意識はしているんですよ〜〜〜。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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常人は兎も角批評家目指すなら手元にあって良いか
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"絵画や音楽、映画などの芸術について、いかに言葉で表現するべきかをアカデミックに体系的に編集を試みた本。
確かに考えてみれば、これほど難しいものはない。絵画のようなものをどのように鑑賞するかなど、学んだこともないし、音楽を言葉で表現することは一筋縄ではいかない。
映画もしかり。
体験を通して、その感動を的確にどのように伝えるのかは、いつの世でも悩ましい。
過去に秀でた先人の軌跡を追いかけてみよう。
ロラン・バルトさん
蓮實重彦さん
ポーリン・ケールさん
アンドレ・バザンさん" -
巻末のクリティックの歴史が面白かった。
筆者が沢山いてそれぞれの意見が異なっている部分があってこの本の統一された主張がないと思った。
平明な文章と個性的な文章とが対立しているように書かれているところがあつたが、平明でもあじのある文章はかけるので、個性を求めるために長いセンテンスを使う必要はないと思った。
全体的にさっぱりした内容で詳細にはいりそうで具体的なことはあまり語れてない印象。 -
痒いところに手が届き、さらに「ここ、気持ちいいんじゃない?」と未知のツボまで教えてくれるフィルムアート社の本たち。
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とにかく見に行った美術展や音楽イベント、建築を言葉にしたいと思う日々です。それが中々難しい。
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美術、音楽、そして映画という3つの芸術(エンターテイメントでもあり)分野を書く=”批評する”という立場で、どのようなスタンスで望めばよいのかという入門的な視点から、文章例などの実践的なものまで幅広く書かれた著書。<br /><br />僕自身も映画の感想文(更新はあまりしていませんが)サイトを持っていて、昔から映画についての文章は書いていましたが、こうした批評としては捉えたことがありませんでした。僕の文章はあくまで感想なのに対し、批評は作品の感想に留まらず、古典的な映画手法や従来の作品からの位置づけ、撮影法や脚本の構成、映画音楽、特撮や映像手法などの技術、そして役者の演技や監督の演出まで様々な切り口から、その作品を映画史の中に位置づけなければならないのです。そうした一流の批評文を書くには勉強が必要で、あくまで趣味の範囲でしかない僕の文章はあくまで感想文に過ぎないのです。<br /><br />ですが、作品の見方を勉強するという意味では本著のような批評文を書くエッセンスを学べる本は大変に参考になります。僕も気をつけなければいけないなと感じたのは、文章を通して、作品のどの部分についてどう感じたのかを首尾一貫した文章にしなければならないというところでしょう。思いのままに綴ると、文章の流れや論理展開がおかしくなり、出だしと結の部分の構成がおかしくなることは多々あります。こういうところを注意しながら、文章を書く面白さを自分なりに追求したいと本を読んでいて思いました。<br /><br />章毎にあるQ&Aだけ読むだけでかなり参考になると思います。後半は具体的に活躍なさった(なさっている)各回の批評家を取り上げ、批評が歴史とともにどのような変遷を遂げてきているのかも書いてあり、批評文の見方も変わる面白い内容でした。
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フィルムアート社のこの手の本は、僕みたいな奴に「こんな本読んでるオレはかっこいい」と思わせてくれるありがたい存在である。