仕事や人生や未来について考えるときにアーティストが語ること ─あなたはなぜつくるのですか?
- フィルムアート社 (2013年5月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845913015
作品紹介・あらすじ
現代アート、絵画、彫刻、写真、映像、建築、ファッション、演劇…38人のアーティストが考える「つくること」と「生きること」。
感想・レビュー・書評
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語ってもらった感の少ない内容だった気が。
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誰だってみんな、同じなんだ。
道は違っても、同じ気持ちで作り始め、同じ不安と対峙し、乗り越えていくんだ。
…ということに、すごく励まされました。 -
38人のアーティストが考える、「つくること」と「生きること」。
一人一人が語るボリュームはやや少なく、簡潔だが、
38人もの人たちのことばからは、ぼんやりと共通点も浮かび上がってくる。
38人、それぞれ異なった表現、ことばなのに。
質問の内容は、
「なぜつくるのですか?」
「なぜその道を進むのですか?」
「その先には何が見えますか?」
の3つ。
現在の姿を、そのまま丁寧にあらわしたことばの数々は、
成功物語なんかではない。
先の見えない今の社会を、不確実なまま、自分をもって歩く姿そのままだ。
ひりひりするほど、痛々しく、みずみずしく、やさしく、つよく。
多くのアーティストが、未来はみえないという。
戦略的に迷子になることの大事さ、
未来がみえないことのおもしろさを語ったことばもある。
それは、単なるボジティブ思考というのとは違う。
不安や焦りがないわけではなく、
自分という人間の不確実さもわかったうえで、
ただ未来がみえないことも引き受けているのだろう。
そして、なぜつくるのかも、興味深い。
社会のためとか、そういう理由ではなく、
もっともっと 個人的なこと。
理由なく、手が動いている、というのもある。
理由がないことを、ポジティブに受け止めてもいいのではないか。
夢がないことをポジティブに受け止めてもいいのではないか。
ぼんやりと浮かび上がってくるメッセージは、
強い語調のものではない。
目の前をやさしい靄が覆うようなものだ。
やさしい朝もやがかかった時間。
明快な目標や自分や未来というものがなくても、
生きていける。
絶えず、自分は他者と交わり、社会と交わり、構成されていく。
未来もまたそういうものだろう。
靄がかった道を歩くのも悪くなく、
生の実感はむしろそこにあるのではないか、と思わせる。
いい本だと思う。
杉田陽平さんのことばが好きだ。
“一通り、予備校と大学と作家さんの知り得ている現状を話す。ほかに気の利いたアドバイスは何かないかと天井を見ていたら、娘さんからの質問があった。「先ほど、この職業は特別で幸福だと言いましたが、どのように幸福なのですか?」「何が作品を描かすのですか?」
一瞬ドキリとして、何と答えたのか僕の方が忘れてしまったけれど、僕ごときが何も言えないことは痛いほど自覚しているので、彼女の人生の分岐点となるこの高校時代に、安易に「好きなことを続ければ報われるよ」とは軽々しくは言えない。だからといって、「好きなこと」は安定した基盤のうえで、空いてる時間にやればいいじゃないとも言えない。目の前の彼女の瞳は冷静で、しかし熱かったのだ。” -
以下引用
これまでの自分から、その外側に向かって一歩外へ踏み出すという行為
これまでの自分、仕事、人生、未来の自分が思い描けなくなったとき、私たちはどうすればよいのだろう
人生=生きる上でぶちあたった問題を解決する作業
社会とのあいだに何か違和感を感じるとき、あくまで自分は定点に立ったまま、自分と社会のあいだに生じる差異や距離感を、作品や行為によって顕わに
自分の考えが社会にとってどんな意義を持つのか、結局のところ、それは実際に世に放つことによって事後的に決めてもらう
重要なのは、この頭から取り出して、目の前にポンとおいてみること。ほかの誰かに見てもらう事。それさえできれば、あとは何とかなる
もう一度、生き直す作業
世界が窮屈だなと感じた時に -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784845913015