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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845916177

作品紹介・あらすじ

2000年以降の「映画」を動かした鬼才。
アジア、いや世界が誇るべき映像の魔術師を、各分野の識者が徹底的に解読!
映画論/アート/人類学を軸に、その全貌に迫る!!

映画ファンや映画研究者のみならず、全世界を注目させ続けているアピチャッポン・ウィーラセタクン。本年(2016年)は、全劇場長編作の特集上映が実施され、3月には新作『光りの墓』公開、さいたまトリエンナーレへの参加、そして12月には東京都写真美術館での個展が開催されるなど、各所から注目を集めている。

本書では、映画論に加え、アートと文化人類学を軸に、英語・タイ語論考の翻訳も交えながら、アジアのみならず世界の映画を代表する作家を多角的に解析。

精霊/幽霊や王室、または固有の民族などのタイ文化に着目する文化人類学の観点や、映画と並行して創作しているヴィデオ・インスタレーションを中心としたアピチャッポン作品のアート的側面を論じつつ、映画作品の特定のシーンを分析することで、彼の作品世界で何を描こうとしているのか、その全貌を明らかにする。

全長編作品を語る本人のインタビューと詳細な作品ガイドも収録!


■ アピチャッポン・ウィーラセタクン
1970年タイ・バンコクに生まれ、タイ東北部イサーン地方、コーンケンで育つ。コーンケン大学で建築を学んだ後、シカゴ美術館付属シカゴ美術学校で映画制作修士を取得。 1993年に短編映画、ショート・ヴィデオの制作を開始し、2000年に初の長編映画を制作。1999年に「Kick the Machine Films」を設立。既存の映画システムに属さず、実験的でインディペンデントな映画制作を行っている。長編映画『ブンミおじさんの森』で2010年カン ヌ国際映画祭最高賞(パルムドール)受賞。映画監督として活躍する一方、1998年以降、現代美術作家として映像インスタレーションを中心に旺盛な活動を行っている。2009年の大規模な映像インスタレーション「プリミティブ」は、ドイツ・ミュンヘンのハウス・デア・クンストにはじまり、数多くの美術館を巡回。2012年にチャイシリと協働でドクメンタ13に出展、2013年に参加したシャルジャ・ビエンナーレではチャイシリとの協働作品が金賞を受賞。同年に福岡アジア文化賞を受賞している。2015年は初のパフォーマンス作品《Fever Room》を韓国・光州のアジアン・アート・シアターで発表し、各都市で公演が続いている。2016年にチェンマイに開館したMIIAM現代美術館で、タイ初となる大規模個展を開催した。チェンマイ在住。
<主なフィルモグラフィ>
真昼の不思議な物体(2000)、ブリスフリー・ユアーズ(2002)、アイアン・プッシーの大冒険(2003)、トロピカル・マラディ(2004)、世紀の光(2006)、ブンミおじさんの森(2010)、メコンホテル(2012)、光りの墓(2015)

感想・レビュー・書評

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  • 映画における映像の優位性を証明するという試みにあってゴダールやアントニオーニ的な露骨さ(大胆さ)はないし、そうであるからといって近年のカンヌ映画祭出品作のように物語内容が容易く消費される代物でもない。言うなればアピチャッポンとは、こうした形式性の議論から遠く離れて、「社会と世界」を誰よりも苛烈に眼差しているアーティストであるということ。間違えなくアジアで最も重要な想像力をもつ作家の一人。マイベスト·アピチャッポン·フィルムは「ブリスフリー·ユアーズ」と「世紀の光」。

  • タイのゴダール。映画の巨匠の案内書。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784845916177

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著者プロフィール

批評家、編集者。映画を中心にダンスや演劇についても執筆。『ユリイカ』や映画パンフレットなどに寄稿。アプリ版ぴあで「水先案内人」連載中。東京国際映画祭の予備審査員を2008年から担当し、アジア映画の未公開作品を多く鑑賞。大学でもアジア映画を教える。フェスティバル/トーキョー2011主催劇評コンペ優秀賞受賞。企画・編集・執筆した共編著『アジア映画の森 新世紀の映画地図』(作品社、2012)、『アジア映画で<世界>を見る 越境する映画、グローバルな文化』(作品社、2013)、『国境を超える現代ヨーロッパ映画250 移民・辺境・マイノリティ』(河出書房新社、2015)、『インド映画完全ガイド マサラムービーから新感覚インド映画へ』(世界文化社、2015)、『アピチャッポン・ウィーラセタクン 光と記憶のアーティスト』(フィルムアート社、2016)、『映画秘宝EX 激闘!アジアン・アクション映画大進撃』(洋泉社、2017)。

「2019年 『躍動する東南アジア映画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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