- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784846010492
感想・レビュー・書評
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不可能犯罪課全作品収録。
これは見落としてた。
ヤッフェの成長記とも言える短編集。
収録されている作品はどれもいろいろな意味での若さに溢れる。
それを見守るエラリー・クイーンの目が優しくて暖かくて、嫉妬を覚えるレベル。
EQMMに掲載されたクイーンのコメントを合わせて載せたところがこの本のキモだよねぇ。
ブロンクスのママ掲載時のコメントもあって、ヤッフェ好きには堪らない構成。
思えば、ママが私を安楽椅子探偵スキーにしたんだったよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者さんの名前、何か聞いたことあるなぁ、て思って、『ブロンクスのママ』と同じだぁ、て思ったら、同じ人だった。
15歳でデビューしたのね。
表題作のシリーズはおもしろかった。
ノンシリーズのは、ちょっとわけ分かんなかった。 -
十五歳の時に書いたデビュー作からスタートする不可能犯罪捜査課シリーズ全6篇。クイーンのルーブリック(コメント)と併せて、作者の成長が楽しめるのが良いですね。
「皇帝のキノコの秘密」なんて、その話の鮮やかさに、膝を叩いて喜んじゃいましたよ。お見事。
その他、ノンシリーズの短篇2篇「間一髪」「家族の一人」もサスペンス味溢れる鮮やかさで面白かった。 -
良くも悪しくも要するに「ジェイムズ・ヤッフェ」君の成長記かな。クイーンが発掘した若きミステリー作家(なんと15歳だそうな)の作品集だ。徐々に腕が上がってくることがよくわかるし、クイーンによる解説というかライナーノーツというか、それが愛情あふれており楽しい。
肝心の物語はというと5分間ミステリーのようなものなんだが、それでも初々しい小説は楽しいね。図書館で発見し手に取ったのだが、それはそれで良かったかな。
作者は他にママシリーズというのがあるらしいけれど、読まないだろうなぁ。 -
ヤッフェ少年の成長の記録。
デビュー短編に始まり、徐々に質と風格を成熟させていく様が一話ごとに実感できる。そしてその変身ぶりに目をみはる編集長の穏やかな眼差し。ヤッフェとフレデリック・ダネイの師弟関係がルーブリックを通して垣間見え、さらにそこにディクスン・カーまで加わるという豪華さは、リアルで熟読できなかった口惜しさと、一種の感慨を与えてくれる。
不可能犯罪を成立させるトリックに多くのバリエーションは存在しない。よって、本作品集でもトリック自体に嬉しい驚きはない。それどころか、ヤッフェ少年と編集部の愛すべき失態作品まで入っている。
しかし特筆すべきはトリックではなく、作品全体の完成度だろう。確かに最初は荒削りで作り物感が目立つが、単純なトリックを料理するその腕前はとても十代の少年とは思えない。事件へのアプローチが素晴らしく、また舞台設定にも独自のセンスがうかがえる。『喜歌劇殺人事件』ですでにブロンクスのママの捜査スタイルが確立していることに驚いた。しかも書簡でやり取りする手の込みよう。やはりヤッフェは短編の方が合っているのかな? 本格の面白さを再認識させてくれる良質の短編集。 -
楽しい
ちょっと薄味