鮎川哲也探偵小説選 (論創ミステリ叢書 106)

著者 :
制作 : 日下三蔵 
  • 論創社
3.57
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本棚登録 : 37
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846016036

感想・レビュー・書評

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  • 遺稿『白樺荘事件』と、この改稿元ネタの『白の恐怖』。両方を収録して読み比べられる幸せよ。これがあれに今後どうアレンジされる筈だったのか、と考えながら読む。
    探偵絵物語も面白かった。
    編者解題の中で、2002年当時の、遺稿関連のあれこれについて書かれてますが、T京創元社のT川さんのトークショーで晩年の鮎川哲也の話を伺っていたので、それとクロスさせながら「ああ、なるほどなぁ」と、イロイロ胸にくるモノがありました。

  • 短編集と言うよりは、中編と掌編を集めた感じかな。
    ギャングとかヤクザとかの登場率が高いけど、この時代ってそんななの?
    ピストルとか、簡単に手に入るの??

  • 名前はよく目にしていた作者さん。初読み!”白い恐怖”&”白鷺荘の殺人(未完)”その他短編。「お茶目」な印象。恐れ多くも。

  • 鮎川さんのレアな作品を集めた探偵小説選。
    この本の目玉は、鮎川さんの長編の中で唯一文庫化されていない『白の恐怖』と、未完の絶筆『白樺荘事件』が収録されている事だろう。『白の恐怖』は古書店やネット通販で数万円で売られ、幻の作品と言われていた物で、ファンは復刊を熱望していた。私は30年以上前に人から借りて読んだが、改めて読めたのは嬉しかった。尤も、内容は傑作とは言い難く、閉ざされた山荘での連続殺人という魅力的なシチュエーションが全く生かされていないし、トリックも二番煎じ。星影探偵は最後に取って付けた様に登場するだけ。私は今まで作者がこれを失敗作だとして文庫化にしなかったのだと思っていた。そうじゃなかった事が編者の解題に記されていて、その真相が分かったのは良かった。
    『白樺荘事件』の方は未完の上に推敲前であり、作品の体裁を成していない。こういう出だしの作品だったのか、と感じた程度だった。

  • 2017/08/14読了

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著者プロフィール

鮎川哲也(あゆかわ・てつや)
本名・中川透。1919(大8)年、東京生まれ。終戦後はGHQ勤務の傍ら、様々な筆名を用いて雑誌へ短編を投稿し、50年には『宝石』100万円懸賞の長篇部門へ投稿した「ペトロフ事件」(中川透名義)が第一席で入選した。56年、講談社が公募していた「書下ろし長篇探偵小説全集」の第13巻「十三番目の椅子」へ応募した「黒いトランク」が入選し、本格的に作家活動を開始する。60年、「憎悪の化石」と「黒い白鳥」で第13回日本探偵作家クラブ賞長編賞を受賞。受賞後も安定したペースで本格推理小説を書き続け人気作家となる。執筆活動と並行して、アンソロジー編纂や新人作家の育成、忘れられた探偵作家の追跡調査など、さまざまな仕事をこなした。クラシックや唱歌にも造詣が深く、音楽関連のエッセイ集も複数冊ある。2001年、旧作発掘や新人育成への多大な貢献を評価され、第1回本格ミステリ大賞特別賞を受賞。2002(平14)年9月24日、83歳で死去。没後、第6回日本ミステリー文学大賞を贈られた。

「2020年 『幻の探偵作家を求めて【完全版】 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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