- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847013027
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
「愛とは何か」「そもそも愛というものはあるのか」ということがテーマの物語。
全11話。お話ごとにエピソードを披露する登場人物が変わり、様々な関係や状況の中で見られる「愛のようなもの」たち。それは愛にも見えるし、ただの自らの欲望にも見える。
そしてメインの登場人物である、野亜(ノア)と百瀬(モーゼ)が、それらが愛であるのかについて見つめる。
かつて大好きだったドラマのノベライズ本なので、ざっくりと内容は分かっていたけれど、細部に関しては「こんな台詞やこんな描写があったんだ」と再び感動する場面もたくさんあった。
「パンドラの箱」「車椅子の恋」「恋するコッペパン」などとくに気に入っていて印象深いお話もいくつかあったのだけど、自分の欲望が愛を超えられないお話が多く、相手の何を見つめることが愛なのかということを、自分の経験と重ね合わせて考えてしまった。
それぞれに理由があり俗世から離れて潜水艦を作る野亜と百瀬。この世の醜さにほとほと疲れ、だけど死ぬ道は選べず、古いバンでアイスや焼き栗を売りながら暮らし、元いた世界とは違う人たちと知り合い関わりながら「愛とは何か」を追求していく。
老齢の元大学教授である百瀬にははっきりとその形があり、まだ若く未熟な野亜は色んな人たちを見、そして百瀬と意見を交わすことでそれを探っていく。
自分もそれなりに長く生きてきて、人を好きになったり、友だちと呼べる人と親しくなったり、親や大切な人を亡くしたり、を経験してきたし、それぞれに愛を持っていたつもりではあるけれど、それが本当に愛だったのかどうかは今となっては分からない。
欲望と完全に切り離すことはなかなか難しいし、愛が純粋に相手を思う気持ちだけで構成されるものならば、私はまだそれを持ったことはないのかもしれないとも思う。
失敗したり苦い思いをすることを通して自分なりのそれを見つけていくのが人生なのかも…ということは何となく感じている。
かつてのヒットドラマメーカーである野島伸司さんの作品なのだけど、この方の脚本は、印象的な台詞がとても多い。
人はとくに親しい相手の気持ちを推し量ろうとするけれど、想像にはやはり限界があって、結局は相手が語ることや会話を通してしか本当の思いを知ることはできない。だから会話の一部である台詞というものに著者の強い思いを感じるのかもしれない。
ドラマは残念ながらディスク化されていないので観ることは叶わないのだけど(本当は今からでもディスク化して欲しい…)この本はずっと大切に手元に置いておくと思う。
10代の多感なときに大切に観ていた作品。それなりの経験を積んだ今の年齢になって、もう一度触れることができてとても良かった。 -
-
2011/06/20
-
-
昔ドラマを見たことがあるので、読んでみた。
やはり名作、少しファンタジーを混ぜている所に個人的には違和感があるが、充分面白いし考えさせられる。
惜しむべきは、やはりノベライズだからなのか、小説家としての経験の問題なのか、単純に小説としてみた時に凄く違和感がある。
ノベライズは自分で書かず、専門の作家さんに任せて欲しかった。
そのせいなのかはわからないが、凄く名作なのに、ドラマのノベライズ版としかみられないのは残念。 -
昔からジョンレノンの「LOVE」が好きなんです。
好きになったきっかけは10年前にやってたこのドラマ。主題歌が「LOVE」で挿入歌が「STAND BY ME」っていう素晴らしすぎるドラマです。
まぁ曲はもちろんいいんですが内容もすごくいい!
すごく好きなドラマだったので、久しぶりに思い出したところでノベライズ本を読んでみました。
究極の愛、永遠の愛ってなんだろう?そもそも愛はほんとうにあるのか。
読めば読むほどわからなくなる。
愛とは疑わないこと
愛とは息をするということ
愛とは生きること
愛とは…
愛について考えたい人は読んでみるといいと思います。
でもやっぱりドラマの最後に「LOVE」が流れるのが好きだから小説はいまいち物足りないかなー。
ハローベイビー
僕はきっと愛を知らない
君もそうならついておいで
この果てしなき物語の彼方へ
2008年12月07日 -
ファンタジーなんだけど、とても現実的な本。優しいけど厳しい。
毎回夢を見させてくれず、現実を深く突きつけてくる感じが、逆に良かった。
何度も読み返したい本。
-
愛は風船のかたち
-
愛についての哲学書のような小説
ドラマのノベライズ版ですが、
山崎努さんが演じていた教授の言葉が
やはり印象的で素晴らしいと思う
ドラマから結構経っているけど、古臭さがなく
哲学の普遍性のようなものを感じた -
同タイトルのドラマの脚本で、野島伸司の作品の中でも、かなりメルヘンで詩的、それでいてコミカルな小説。
愛ってなぁに?存在するの?信じることなの?
優しいもの。だけど悲しいもの・・・
ぼんやりと霞がかっているイメージで、メランコリックな世界観。
くさいセリフも、彼なら許せる。