メイド諸君! 【新装版】 上巻 (ガムコミックスプラス)

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  • Amazon.co.jp ・マンガ (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847038518

感想・レビュー・書評

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  • もう十年近く昔、それこそメイド喫茶が猛威をふるっていたころ、1巻だけ友達に借りて読んで、とても衝撃を受けた。なんでかっていうと、少女漫画なのに少女漫画じゃなかったから。主人公が機転をきかせてご主人様を初めて迎える場面なんか、絶対に少女漫画なら絶賛されるのに、あるみちゃんは現実的な理由で店の規律を乱した主人公を断罪する。それは今までの漫画になかった盲点のような場面で、でも女の子たちの微妙な関係のリアルさはまさに少女漫画だった。
    それで「面白い!」ってずっと思ってたのに作品名をど忘れして2巻以降読めてなかった。あと、なぜだか未来日記の作者の本だと思ってた。

    最近たまたま手にとって全巻読み通せた。最初に思ったのは打ち切りエンド? ってこと。あるみちゃんが崇拝してたメガネの女の子の「孤独な男の子が気負いなく女の子と話せる場所」って結局どうなったの? チープだけどすごく優しくて素敵な発想とおもったんだけど。
    オタクの悪いところ(自分勝手で幼稚なところ)を残酷なまでに描写してたのはよかった。でもその分オタクは純粋で、そんなところに千代子ちゃんは惹かれたんだよね。オタクが少し変わって世の中を見据えて迎合して、そしたら生きやすく成るのかもしれないけど、それはオタクじゃなくなっちゃって、千代子ちゃんみたいな人からは好かれなくなってしまう。

    だから、たとえオタクじゃなくとも、人間どこか世界にフィルターをかけて、だましだまし生きていくしか無いんだなあと思う。現実は直視するには厳しすぎるから。そして、そんなフィルターばっかりで出来たメイド喫茶って空間は、文化祭の出し物みたいにチャチだし低俗だし風俗まがいでもあるけど、人間の虚構が他者と共有できる空間として需要があり、だから店舗として成り立ってる。
    やっぱりメイド喫茶・執事喫茶、その他のコンセプトカフェは社会人の心のオアシスとしてあり続けて欲しい。

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