頭の中を「言葉」にしてうまく伝える。

著者 :
  • ワニブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784847096167

感想・レビュー・書評

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  • 良書 やさしく、わかりやすい あっという間に読み進むことができました。

    テーマは 「頭の中で考えていることを、言葉にして、うまく伝える」 です。

    気になったのは、以下です。

    ■序
    ・どんな考えも、言葉にして外に発信したければ、考えないことと同じで、なんの意味も価値も生まない
    ・言葉がたりない。本当に伝えないことが伝わらない。とみんなも悩んでいる

    ■頭の中の考えを伝える
    ・頭の中を言葉にしてうまく伝えるためには、自分の頭の中にある考えを明確にする技、考えを伝える技を知る必要がある
    ・相手の立場になって考える
    ・理解してくれない、という、相手とのすれ違い、を改善する
    ・相手の立場に立ってみるだけで、見えてくる風景は一変する
    ・1冊でも古典を読んでみてはどうでしょうか。それは、あなたの言葉の力を伸ばす貴重な時間となります。
    ・どんなにセンスのよい人でも、インプットを全くせずに、魅力的なアウトプットを繰り返していくことなど不可能です
    ・考えていることを言語化できなければ、考えていないも同じ。頭の中で言語化した思考も、言葉にして伝えなければ、考えていないも同じ

    ■思考を整理して可視化する
    ・頭の中の考えを効果的に相手に伝えるためには、まず、自分の頭の中の考えを整理することが、大切です。
    ・これこそ、自分が外部に向けて言いたいことだ、と思えるものだけを取り出す作業が必要です
    ・思考の整理としておすすめなのが、2つの軸(なんでもいい)を立てて、それぞれの軸で自分の興味または、考えていることを挙げていく方法です。
    ・異なる2つの視点を整理してみることで、2つの軸が交差するところに挙げられたものが、自分が、書きたいこと、言いたいこと、に近い
    ・2つの軸をもとにしながら、自分の思考の形を浮き彫りにしていきましょう、すると、自分の思考の方向性が見えてくるのです
    ・2つの軸を立てる習慣を持つことです
    ・たとえば、最近よんだ本を2つの軸でカテゴリー分けしながら書いてみる。
    ・頭の中の考えを明確にするために、非常にいい方法があります。それは、何を伝えるのか、をよりしっかりと自分の中で把握することです。
    やるべきことは、自分の考えを2軸に当てはめて、伝えたいことを明確にする⇒それについての情報を集める、という流れを行うことです
    ・自分が気になる、キーワード、に従って調べることで、思考も深まり、本当に伝えるべきことが明確になります。
    ・情報を調べていると、知らない単語や事柄が出てきます。そもそも単語や事柄について調べないと、文章でも話でも、内容を理解することができません。
    ・自分とは異なる背景を持ち、異なる考えを持つ他者の立場になる。他者を理解し、また、自分が他者に理解される
    ・自分とは異なる他者に届く言葉を生み出す完成が豊に育まれていきます。
    ・他者の立場を想像しながら自分の頭の中を見ていくと、思考が整理される
    ・知れば知るほど、自分の知らなさを知る。
    ・視点が変われば、思考の見え方も変わってきます。ある方向から見て説明できない事柄が、違う方向から見ることで簡単に説明できるということはよくあるのです。
    ・何が何でも、自分の考え方を100%理解してもらおうと思っても、それは土台無理な話です。

    ■思考を深めて言語化する
    ・せっかく考えた内容も、ただ頭の中に浮かぶに任せていては、時間とともに忘れ去っていくだけです。
    ・思考の言語化のために、常にノートを持ち歩くようにしていまうs。思ったことをすぐに言葉にする、文章にして書き付けておくのです。
    ・だらだらと長い文章とするよりも、40文字程度にまとめて、意識して書くとよいでしょう
    ・作った文章を、少しの時間寝かせてみるのも大切です
    ・少し時間を書いてから見直してみることで、その言葉を書いていた自分自身の思考を客観視できるからです
    ・自分が言いたいとおもったことから4割削ぎ落してみる。どう考えても伝えるだけムダと思われる情報や、自分の中で咀嚼しきれず、言葉が浮いているようなものをどんどん削っていきましょう
    ・外部からの情報を取り入れつ付けなければ、いくら自分の内側に種を溜め込もうとしても、それは独りよがりなものとなり、深みは増していかないのです。
    ・本当に教養のある人は、自分が知っているからといって、得意げにぺらぺらしゃべったりしないものです。
    。難しいことを難しい言葉で説明するよりも、平易な言葉で分かりやすくつたえることの方が難しい

    ■語彙力のつけ方
    ・何かを人につたえるときの基礎の基礎が、語彙力です
    ・異なる世代、異なる背景を持つ人にもきちんと伝わる言葉づかいをするためには、常日頃から語彙を豊富にしておかなければなりません。
    ・ある言葉を、別の言葉をつかって表現する、という作業こそ、語彙力を高めます
    ・言葉を声に出すことで、より強力に言葉を覚えることにつながります。また、漢字・単語自体は知っていても、読めないということはよくあります。

    ■伝わりやすい、言葉のパターン
    ・言葉のリズムも非常に大切です。
    ・日本語には、日本語のリズムがあり、その一番の基本が五七調の言葉のリズムです
    ・日本語は特に、オノマトペが多い言語だと言われています
    ・分かりやすく伝えるコツとして、最初に結論を示す

    ■わかりやすく説明するための一工夫
    ・聞く気のない人に、こちらの話に興味をもってもらうのは至難の業です
    ・興味がなさそうにぼーとして、何の反応も示してもらえないと、はなしているほうは、大変つらい気持ちになることもあります。
    ・接続詞は会話をわかりやすくする手段として非常に大切です。接続詞がちぐはぐな人は、会話の進め方がけっして上手ではありません
    ・その人なりの叙情を込められるかどうかは、福祉が決め手となります。
     状態 すぐに、ときどき、やっと、よく、そっと
     程度 とても、もっと、かなり
     叙述 決して~ない、到底~できない、なぜなら、だから
     指示 こう、ああ、どう、そう
    ・相手をあきさせないためにも、文章は、できるだけ、短く、聞きやすく、平易な言葉で書きましょう
    ・本来の主題キーワードを何度も繰り返すようにしてみましょう。

    ■まとめ
    ・わからない言葉があれば、調べる、声に出して読んでみる、自分で書いてみる
    ・目で読む読書と、自分で声を出して読む読書とでは、まったく違います。
    ・音読することの効用は数え切れません。

    目次
    はじめに
    第1章 自分の頭の中の考えを言葉にして、うまく伝えられる人が評価される
    第2章 まずは、思考を整理して、可視化する
    第3章 思考を深めて言語化する
    第4章 表現の幅を広げる「語彙力」のつけ方
    第5章 日本人には特有の「伝わりやすい言葉のパターン」がある
    第6章 わかりやすく説明するための一工夫
    おわりに

    ISBN:9784847096167
    出版社:ワニブックス
    判型:4-6
    ページ数:199ページ
    定価:1400円(本体)
    発売日:2017年10月10日初版発行

  • 古典に精通している大学教授である著者が頭で考えていることを上手く伝えるために日本語の語彙力を高める手法を現代人に向けて書いた一冊。

    本書を読んで色々な意見を参考にして広く情報を収集することや相手を思いやりながらも中庸でいることの大切さが相手に想いを伝える際に大事なことであると感じました。
    また、著者が専門とする古典や漢詩から言葉の趣を感じることもでき、自分の言葉にする際のテクニックも学ぶことができました。

    相手の立場になるために古典を中心とする読書を行うことやその際に思考を言語化したりすることや自分の中の言語化したものをあまり吹聴しないことなど自分自身の行動のなかで意識することも本書で学ぶことができました。
    そして、実践的な会話のテクニックとしてオノマトペを使うことや結論から先に言う時も日本語の性質を考慮して言うことなどは今後使っていきたいとも感じました。

    本書のなかでも類語辞典を活用して語彙力を伸ばしていくというアプローチは是非とも試してみたいと感じました。

    古典に精通する著者ならではの切り口で現代人の語彙力を向上させる本書の内容はいい勉強になりました。
    本書で学んだ様々な言葉のテクニックを使い、中庸の立場を大事にして自分らしく伝えられるように日々研鑽していこうと感じた一冊でした。

  • とりあえず手っ取り早く、
    上手な会話のテクニックを得ようとしてこの本を開くと
    肩透かしを食らうかもしれません。
    この本が教えてくれるのは、それよりももう少し大切な事。

    どんなに流暢に
    どこかで聞きかじったネタを
    面白可笑しく披露するテクニックがあったって
    それが自分の中から湧き出た言葉でなければ
    相手には何も伝わらない。
    インプットしたものを
    すぐにアウトプットするのではなく
    自分の中に取り込み、きちんと自分の血肉にしてから口に出すことの大切さを
    再認識しました。
    正しい言葉を知ること、古典や詩を読んで教養を磨くこと。
    遠回りなようでも確実に自分の「言葉」が手に入る方法のようです。

  • ためになること、なるほどと思うことがいっぱい書いてあった。頭の中を言葉にするには、継続したトレーニングが必要ってこと。
    まさにこの感想を記録することがいいトレーニングになる!と信じて。

  • 【目的】
    思考の言語化力を養う方法を知るために読んだ。
    【内容】
    ⚫︎相手の立場に立って話す。
    物事を伝えるためには相手の立場に立って話さないと伝わらない。例えば自分と相手との前提知識が異なる場合、そのことを考慮して話す必要がある。
    また、相手の感情に関して言えば、相手の立場に立って考えるためには読書が良い。主人公の立場になって物語を読み進めていく経験は現実世界で相手の立場を考える際に役に立つ。
    また、5W1Hを交えて話す。
    状況を説明することで相手がイメージしやすいようにする。

    ⚫︎思い、考えたことを40字にまとめる。
    思ったことをすぐに文章にすることで、言語化力を鍛える。自分が考えたことを40字でノートにまとめることを常に意識しよう。

    ⚫︎自分の世界観を打ち壊してくれるような作品に会う。
    自分が知らない、経験したことない分野について知ったり体験することで視野を広げる
    例として著者は「韓非子」や「聖書」をあげている。
    【感想】
    思ったこと、考えたことを40字にまとめるというトレーニングは思考の言語化能力向上につながると考えたため、実践していきたい。
    本書の前半は思考の言語化の重要性やその方法を記載しており、学びになった。
    後半は漢籍や詩歌から表現力や語彙力を養おうという、著者の単なる趣味によって文字数を稼いでいるようにしか思えなかった。確かにそのような文学作品を読むことで表現力や語彙力は増えるであろうが、思考の言語化能力向上には直接的には関係ないのではと感じた。



  • 1.社会で通用するビジネスマンはどんな人か?と考えたときに、曖昧な思いを言語化できる人という答えにたどり着きました。そこで、言語化できる人は頭の中で何が起こっているのかを知りたくて購入しました。

    2.言語化するためには、日々のトレーニングが必要です。まず大切なのは、何かを思ったときには、とにかく紙に書いてみることです。まずは、2軸思考で考えてみることです。例えば、相手の利益を縦軸、自分の商品を横軸にとり、商品について考えてみることから始めてみるのもいいと述べています。その次に、5W1Hで物事を考えることで、要約も兼ねることになるので、思考力や表現力を身に着けるきっかけになります。ほかにも、40字でまとめることや単純な要約をしてみるなどをして、鍛えることもできます。

    3.書けないこと=考えていないことと教わり、なかなか言語化できなくて毎日苦労しています。この本を読んで、自分の思いを言語化するために自分なりにいろいろやってきましたが、最初から完璧を求めすぎて、途中で詰まるということが度々あります。自分はこう考えているということに対して、キーワードでもいいので紙に書き抱いてみたものの、納得いかないことが多かったです。まずは、2軸思考を試していきたいと思います。

  • 頭の中を言葉にするにはやはり語彙力が必要。

    そしてその語彙力を増やすにはやはり読書ですね、という話で納得です。

    著者は古典をすすめていますが、そういえば私はあまり古典は読まないなぁ。

  • 自分の語彙力を増やし、上手くアウトプットしていく。
    いきなり古典を読むのは少しハードルが高いので、まずは自分の出来る事から進みて見ようと思う。

  • 【読書メモ】
    思考を可視化して、人に伝える方法を説明する本

    正直期待外れな内容にがっかり
    アウトプットの重要性は分かっていて、思考の可視化・言語化などをどうするか、という点が知りたくて読んだのだが、具体的な説明はなく、概念のみと、非常にわかりにくい

    可視化については
    ・2軸思考
    ・他者の視点で取捨選択
    ・新たな体験をする
    ・視点をズラす
    ・100%伝えようとしない
    ということらしい
    ただ、まず可視化を1つして2軸思考だし、取捨選択だし、視点をズラせるはずだが、その1つ目を出す方法が書いてない

    【参考になった点】
    はじめに
    ・言葉にして外に発しなければ考えていないのと同じこと
    1章 外にうまく伝える
    ・相手の立場になって考える=本を通して主人公の立場になりきる
    ・古典を読む
    2章 思考の整理→可視化
    ・取り出す作業
    ・2つの事由を立てて考えていることを挙げる
    ・新しいものとの出会い
    3章 言語化
    ・思考をまとめることを日常化する
    ・インプットを怠らない
    4章 語彙力
    ・辞書を読んで気持ちにフィットする言葉をさがす
    ・専門用語を耳にしたら調べてみる
    5章 伝わりやすいパターン
    6章 わかりやすく説明する工夫
    ・話の軸を繰り返す
    ・項目数を明示する

  • 自分の欲しかった情報は得られなかった。
    思考法を知りたかったが、書かれていたのは古典の良さや昔の本の良さなどが大半だった。

    文学部准教授が書いた本ということに納得いった。
    かなり古典や詩の引用が多く、何度も出てくるので正直もうええって、と思う部分が多かった。



    ・自分がたびたび使う言い回しがあればその類語を調べてみましょう。

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著者プロフィール

1963年、長崎県佐世保市生まれ。大東文化大学文学部中国文学科教授。中国山東大学客員教授。博士(中国学)。大東文化大学文学部卒業後、同大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。専門は、文献学、書誌学、日本語史など。著書に『心とカラダを整える おとなのための1分音読』(自由国民社)『文豪の凄い語彙力』(さくら舎)ほか多数。

「2020年 『語感力事典 日常会話からネーミングまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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