ナショナル ジオグラフィックの絶滅危惧種写真集 (P-Vine Books)

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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860204228

作品紹介・あらすじ

絶滅の危機にある生きものたち。

感想・レビュー・書評

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  • まずはロンビア盆地のピグミーウサギ。
    年老いて耳は欠け、目は衰えている。
    動物園内で保護されているこのウサギは2羽の雌しか残っていない。…そしてその2羽は撮影の後に死亡し、ピグミーウサギは絶滅した。

    次ぎのハイイロハマヒメドリは、保存液漬けにされてラベルを貼られている。最後の1羽が死亡し絶滅している。

    絶滅の危機にある動植物の写真集。
    残りの個体数が少ない順に写真と、絶滅に追い込まれた原因(森林開発など)、撮影の状況などが書かれている。
    たまに「保護地域での個体増加が認められる」という前向きな話も。

    かなり撮影に気を使い、保護区域で職員の指導の下冊絵に望んでいるのだけれど、背景に白か黒のボードを引いているし、写真として決まっているがアップや後姿だけだと、実際の生息地の様子や生きている背景かは分かりづらいかも。
    さらに生息地が北米のものなので、地球上のなかで危機に瀕している一部の動植物。

    絶滅種といえば私が思い浮かぶのはガラパゴス諸島のゾウガメ「ロンサムジョージ」。最後の個体、一人ぼっちのジョージ、として紹介されたり死亡した時にもニュースを見たのですが、このように取り上げられるのはごく一部、毎日多くの動植物が消えている。

  • ★★★☆☆
    アメリカ大陸の絶滅危惧種の動物・植物・昆虫を取り上げている。
    冒頭の種・最期の一匹のウサギの写真、今では博物館のガラス瓶の中だけにいる鳥の写真が哀しい。

    それぞれの個体数がカウントダウンのようで怖い。
    今は増え続けている種のあることが希望になっている。

    世界編・日本編も出してほしいな
    (まっきー)

  • タイトル通り、絶滅危惧種と言われている動物や植物を撮影した写真集。
    なかには正真正銘最後の一匹の写真もあり、胸を突く。

    それぞれの生物について、特徴や絶滅危惧に至る経緯などの簡単なコメントが添えられており、一部には撮影したサートレイ本人のものと思われる、イニシャルつきの撮影秘話が付け加えられているものもある。

    生き物たちの写真ももちろん素晴らしいのだが、実際に彼がそれを撮影した時のメイキング映像(?)のようなものを見たくなった。
    よりよくその生き物たちをみせるために、かなりの苦労と工夫をして撮影に臨んだであろうことが垣間見え、「写真集」という意味では必要のない過程なのかもしれないが、その様子が小さな写真でもいいから何枚かずつあったら、より「対生き物」という臨場感があったかも。

  • ナショナルジオグラフィック発行の絶滅が危惧される動植物の写真集。

    黒か白をバックにそれぞれの生物たちがクローズアップされる、スタイリッシュな作りである。とりあえずいろいろ考えずに眺めているだけでも美しい。
    個体数が1万より多いもの、1万から1,000までのもの、1,000未満のもの、個体数が不明のものと続き、最後は保存活動が成功して個体数が増加中のもので締め括られている。

    各写真には簡単な解説が付けられ、一般名・学名のほか、生息地やなぜ絶滅しそうなのかが述べられている。その個体自体が乱獲される場合もあるが、生息環境や餌が奪われた例も多い。キマダラチズガメの減少は、レジャーボート通行のために川から倒木が取り除かれたことが原因らしい。倒木がなければ甲羅干しが出来ないというわけだ。風が吹けば桶屋が儲かる。書かれていることをすべて鵜呑みにしてよいのかどうかはよくわからないが、生態系が複雑に絡み合っていることは間違いないだろう。

    撮影したジョエル・サートレイのものと思われる「J.S.」署名入りのコメントが楽しい。撮影の苦労話・裏話が軽妙に綴られている。

    アメリカコアジサシ(雛)、セントアンドリューハイイロシロアシマウス、メキシコオオカミ、ハクトウワシ、カーナー・ブルーバタフライ(羽化)の写真がすばらしい。
    イースタンインディゴスネーク、ソルトクリークハンミョウ、テキサスメクラサンショウウオも凄みのある写真だ。

    1つ難を言えば、縮尺がなくて各生物の大きさがわからない。白か黒をバックに被写体をアップにして撮影したのは、どの種にも等しい重みを与えたかったからとの解説があり、それはそれでよいのだが、しかし、どの程度の大きさなのかというのはその生物をイメージする際に知っておきたい情報だと思う。


    *裏表紙カバーの著者写真、大きなクマ(グリズリー・・・?)2頭に著者が挟まれて戯れているところなのだが、この写真の解説が欲しいぞ(^^;)。
    危なくないのか・・・? まさか飼い熊・・・? どうやって撮ったのか、これこそ知りたい。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00518111

  • アメリカ大陸の絶滅危惧種の写真集。自然環境破壊についてもっと知って、小さくても手助けがしたい。著者はまずは知る事から始めて下さいって書いていたので、まずはそこから。

  • ナショナルジオグラフィックの絶滅危惧種写真集
    ジョエル・サートレイ

  • 資料番号:011565918
    請求記号:383.5シ

  • 絶滅危惧種の写真集だが掲載されている数は少ない。
    本は厚い、内容は薄い。
    ナショナルジオグラフィックとあったが期待外れ。

  • しかし、これほど立て続けにレビュー書いていると他のことができない。
    他にやるべきことがたくさんあるというのに……。
    でも、こっちのほうが気楽だから、ついつい現実逃避してしまう私です。
    そのうえ、これは写真集なのでレビューといっても頭を捻る必要もなく、見たままの感想をそのまま書けば良いので、なおさら楽だ。

    綿矢りさ「勝手にふるえてろ」で、文中に「絶滅危惧種」という言葉が出てきて気になり、ウィキで実際調べたら興味深かったですね。
    もちろん、「興味深い」などという言葉で片付けてはいけないことだけれど。
    人間が「絶滅」に追いやった生き物もたくさんいるわけでして。
    この写真集は確かどなたかのレビューを読んで、私も見たくなり、図書館HPで検索したら見つかったので借りてきた。
    *図書館ってホントにどんな本でもあるのだなあ、とあらためて感動した。
    とにかく写真が美しい。動物たちの息吹や哀しさ、切なさが伝わってくるようなものばかり。
    『コロンビア盆地のピグミーウサギ』なんて本当に涙を流しているように見える。
    この撮影後、数ヶ月して死んでしまい、最後の一匹も死に絶え、この種は絶滅したという。
    なので、現存数=0と表記されている。
    『サンタカタリナシマハイイロギツネ』の瞳は「君たち人間も、いつかは滅んでしまうのだよ」と私たちに訴えようとしているように思える。
    この写真家ジョエル・サートレイ氏は、「絶滅危惧種」の撮影をライフワークとしているとのこと。
    だからだろう、文章も味わいがあって、生命への尊厳というか愛が伝わってくる。
    永久保存版として是非書棚に置いておきたい一冊。
    買いたいけど2800円。
    昔はナショナルジオグラフィック社に友人がいたので、その頃発刊されていたら、タダでもらえたのに……。
    思い起こせば、友人がいた頃はナショジオの雑誌自体、毎月送ってもらっていた。
    日本版『ナショナルジオグラフィック』が発刊されたのは1990年頃、バブルの真っ最中じゃなかったかな。
    あの頃は「写真が綺麗で面白い本だなあ」くらいにしか思わず、読んだら捨ててしまったけど、今思えば価値ある写真がたくさん掲載されていたような。

    もったいないことをしたものだ。反省。
    この「RARE」は、一度はご覧になるべき価値ある写真集だと思います。

    註:これを書くためにいろいろ確認していたら『ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト』というのを発見した。
    写真もイラストも美しく、雑誌そのものを彷彿させるので『お気に入り』に登録した。
    ずっと見ていたくなるようなお薦めのサイトです。

    http://www.nationalgeographic.co.jp/

    今年は「タイタニック」が沈没してからちょうど100年経つんですね。このサイトで知った。
    しかも4月15日だって。来週の日曜日じゃないですか。
    それで、映画の「タイタニック」も3Dで復活するわけか。

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著者プロフィール

写真家、著述家、教師、保護活動家。ナショナル ジオグラフィック協会のフェローであり、『ナショナル ジオグラフィック』誌にもたびたび寄稿している。生き物と生息環境を救うための四半世紀にわたるプロジェクト「フォト・アーク」を立ち上げ、撮影を続けている。ナショナル ジオグラフィック協会のほか、「オーデュボン」「ニューヨーク・タイムズ」「スミソニアン」や多くの書籍にも写真を提供。主な著書に『PHOTO ARK 動物の箱舟』『PHOTO ARK 鳥の箱舟』『ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 完全マスター ベーシック』(日経ナショナル ジオグラフィック社)『ずっと ずっと かぞく』(ハーパーコリンズ・ ジャパン)などがある。米国ネブラスカ州リンカーンの自宅で妻のキャシー、3人の子どもたちと暮らす。世界各地を旅したあと、家族の待つ家に帰るのが何よりの喜びだ。

「2020年 『PHOTO ARK 消えゆく動物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジョエル・サートレイの作品

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