- Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860291891
感想・レビュー・書評
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"米原万理が1984年TBSテレビの「シベリア大紀行」に通訳として女性でただ一人加わり、世界で一番気温の低いヤクツークを65日間旅した時の話。
かたむいた家が多いのは永久凍土地帯から地盤が凍る為に土台がねじれるらしい、この事はシーナの写真集でも書いてあったようだ。
まつ毛も凍るマイナス50度C、ちょっと暖かいマイナス30度Cの何かを見つめる万理さんの綺麗な顔。
残念ながら2006年に56歳で亡くなられたが、あとがきにシーナさんが 「なにしろとにかくすべてに日本人離れした才覚と美貌と思慮の深さをもち、抜群にタフであった。この本は、彗星のように強烈に輝きながら私達を魅了し、おののかせ、あっという間に銀河の彼方に去っていった万理さんの、まず最初の輝きだったのだな、と今この本を読み返して思うのである」 と絶賛している。"詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
恥ずかしながら、サハ共和国の存在すら知らなかった。
ロシアの奥深さに気付かせてくれた一冊。米原万里さんのデビュー作。ファンとして必読。 -
写真がきれい。著者もきれい。子供向けの解説文ぽいところもあるが、人の適応能力の高さと未知の生活に胸躍った。夏場に旅行することはあっても、おそらく冬場に行く機会はなさそうだから。。。。
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米原万里が子供向けに綴った
寒極ヤクートの乾燥して氷に覆われたマイナス50℃の世界。
大黒屋光太夫の移動した道のりを追う。
永久凍土の上にどしんと構える
世界一寒いこの場所では
あまりの寒さに摩擦で氷が解けないために、
車のチェーンが不要だったり、
釣りをしていると釣り糸が凍ってくるという。
乾燥した地域なので、
洗濯物は外に干すと水分が氷になるため、
バラバラと氷を落とせばいい。
春になり暖かくなるとやっとスキーをして
楽しむことができるそうだ。
興味を引かれたのがヤクーツクの人々は
チュルク語系の人々で、
こんなに寒いところで暮らすのに
常夏の国でこそありそうなことわざが
残っているということ。
ののしり言葉をもたないという
徹底して争いを嫌う民族は常夏の国を追われて
世界一寒い場所まで流れ着いたのだ。
ただきれいな写真と感動的な表現だけじゃなくて
こういう話が盛り込まれているところが
「癒し」を謳う作品との違いだろう。
満足。
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昔、図書館でチラ読みして行ってみたいと思ったけれど、きちんと読んでみたいなと思って再び手に取った。
当日は米原万里さんがどういう方かも知らなかったけれど、いくつかの短編を読んでいる。あの面白い文章を書く人だ、と…。
本書は小学生を意識して書かれているから、平易でわかりやすい。けれど、サハ共和国の魅力は存分に伝わってくる。居住霧なんて初耳。空港の離発着条件にもビックリ。世界が違いすぎる。
今までの私が経験した最低気温は確かモンゴルのマイナス35度。あれを暖かいと評する人々がいるんだなぁ…。 -
米原万里の処女作。’85年「毎日小学生新聞」連載に増補。テレビ企画で二百年前の大黒屋光太夫の跡をたどり椎名誠らと、極北ヤクート共和国に滞在取材/男たちの冬に一番の娯楽は釣り。結氷に穴を開けて疑似餌を垂れる…餌を付ける作業、現地人は素手でやるがスタッフは手袋二重にしても凍える/市の中央には川幅18kmのレナ川が六から九月のあいだ流れ木材や鉱物資源の輸送に役立つが、十月には結氷が始まり12月に固まり終わると製氷して氷上道路、四月には暖かくなって流氷化/夏の平均気温は1℃だが、最高気温は38℃にもなる束の間の夏
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA80600057 -
米原万里の処女作らしい。
そういえば誰かが米原をべた褒めしてたんだけど、誰だったっけ?小谷野敦だったっけ? -
桁違いに寒い世界と、そこで暮らす人々の生活に驚きの連続。
ソ連時代の紀行文ですが、やさしい言葉で書かれているのがよかった。