- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860643751
作品紹介・あらすじ
まるで劇を観ているような感覚で、楽しみながら歴史を“体感”できるシリーズ第3弾。意外と知られていないアメリカ建国の歴史を予備校のカリスマ講師がドラマティックに描いていきます。いかにしてアメリカ合衆国がつくられていったのかを知ることは、現代アメリカを、そして現代世界を理解する大きな手立てとなるでしょう。教科書を読んだだけではわからないアメリカの真の姿が見えてきます。臨場感あふれる解説と歴史が“見える”イラストが満載で、歴史が苦手な方でもスイスイ頭に入ってくる一冊!
感想・レビュー・書評
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アメリカの独立戦争は信仰の自由と絡めて美化されていますが、実態はいかがでしょう。建国の歴史を辿りながら、建国精神の裏にある欺瞞性を暴いていきます。インディアンの人たちが、ネイティブアメリカンと呼ばれることを拒む理由も分かりました。分かりやすく伝えるために一方的で誇張された表現になっていますが、伝えたい本質は理解できました。
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この人が書いた本わかりやすいですよ。絶対読んだ方がいい
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アメリカができるまでのいろいろな事件と背景について、かなりアメリカに対して批判的な立場で書いてある本。
すごく分かりやすいし、面白かった。こういう視点での見方もあるんだと思った。
勤務校の図書室に入れてもらった本。 -
一か月ほど前(2016.9)に図書館でみつけた、予備校の先生である、神野氏によって書かれた「世界史劇場」シリーズの一冊です。今回のテーマは、アメリカ合衆国の誕生です。
アメリカの歴史は、私は、実のところあまりよくわかっていません。イギリスから独立したとか、南北戦争があった程度です、それから数十年経つと、いつのまにか世界のリーダーに君臨しているといった程度の知識です。
百年程度前までは、新興国の一つに過ぎなかったアメリカが誕生するまでに何があったのかを知りたいと思っていましたが、歴史を専門に勉強する機会のなかった私には、この本を読んだことはとても良い経験でした。
歴史というものは、つくづく勝者によって、都合のよいように作られる、ということを実感しました。ただ、これはアメリカだけに当てはまるのではなく、日本も含めた世界中の全ての国に言えることだと思います。
以下は気になったポイントです。
・最初(1587)に上陸させた分遣隊(115)は、次(1590)にやってきたときには影も形もなくなっていた(p27)
・タバコ農園で一旗揚げるつもりが行き詰ったので、知識が豊富なインディアンの娘(ポカポンタス)と結婚することでノウハウを得ようとした(p49)
・1619年にアメリカ大陸初の、植民地議会が開催、奴隷制導入も同じ年(p52)
・13州は、3つの植民活動から生まれている、ヴァージニア植民地から生まれた5州(メリーランド、ヴァージニア、ノースカロライナ、サウスカロライナ、ジョージア)、ニュウーイングランド植民地(マサチューセッツ州東海岸にピューリタン入植)からうまれた4州(マサチューセッツ、ニューハンプシャー、ロードアイランド、コネチカット)、ニューヨーク州を中心とした4州である(p56、84)
・当時の教皇がヘンリー8世の離婚に反対した本当の理由は、王妃キャサリンが、スペイン王室の王女だったので(p72)
・予定説を認めてしまうと、教会やキリスト教という宗教そのものの存在価値がなくなるので、殆どの神学者はこれを気が付かなかったことにしていたが、カルヴァン派は、キリスト教史上初めて、これを主張した(p80)
・ニューイングランドは、本体のマサチューセッツから、ローズアイランド・コネチカット・ニューハンプシャー州が分離した(p89)
・1630年以降、北米東海岸は、北部(プリマス):イギリス、中部(ネーデルランド):オランダ、南部(ヴァージニア系):イギリスに分かれていた(p102)
・ニューネーデルランド、および、ニューアムステルダムは、新しいヨーク公の町という意味で、ニューヨークに改められた(p103)
・ニューヨークから、ニュージャージー、ペンシルバニアが分離し、ペンシルバニアから、デラウエアが分離(1704)した(p115)
・バージニア南部を切り離して、名づけられたのが、カロナイナである。北部には自営農民、南部には大地主がいたので、利害対立が起きて、ノースカロナイナとサウスカロライナに分裂した。サウスカロライナの南部を切り離したのが、ジョージア植民地(1732)である(p117)
・フランスは、ヌーヴェルフランス、と呼ばれていた土地を実効支配していたわけではなく、ビーバー毛皮の独占貿易を行う勢力範囲としていただけである(p139)
・1765年のイギリスの国家収支は、債務が国家債務の13倍、その利子だけで歳入の半分で破たん寸前であったので、砂糖法・印紙法等を制定して新税をかけた(p146)
・紅茶の代わりにコーヒーを飲もうとしたが、コーヒーも高いので、薄めて飲めばよいだろうとして生まれたのが、アメリカン・コーヒー(p155)
・ワシントンが大陸軍総司令官として、最初にやったのは、1)黒人をただちに除隊、2)下士官兵が将校を選ぶシステムを廃止、3)上官に口答えする不届き者は、むち打ちの刑にする、であった。黒人除隊だけは折れたが、それ以外は強行した(p192)
・アメリカ独立宣言に基づいて建国されたアメリカ合衆国では、白人男性以外の人たち(黒人奴隷、インディアン、白人女性)が、政治・経済・社会全般において、差別待遇を受け続けてきた(p203)
・アメリカでは、文盲テスト、を実施して、読み書きできない者には投票させない、というシステムがあり、殆どの黒人は投票できなかった。このテストの廃止は、1971年(p204)
・アメリカが独立戦争を勝ち抜くには、絶対的な同盟国が必要、そこで独立戦争の始まった1775年の翌年の76年に「独立宣言」を発して、フランスに大使を派遣した(p222)
・フランスは、16億リーベルの借金がありながら、20億リーブル(歳入4年分)もアメリカに軍事資金を与えて、自らも参戦した(p223)
・フランスが参戦すると、同じブルボン朝のスペインも翌年に参戦、さらに翌年には、英蘭戦争で制海権を奪われたオランダも参戦した(p224)
・多国家間で話し合った国際会議の場合、たとえ、会議で一定の合意に達して(可決)も、それがすぐに効力を生む(発効)わけではない。自国へ持って帰り、国会で承認(批准)されて初めて、発効となる(p248)
・当時のアメリカ人にとって、「13の邦」こそが主権国家であり、合衆国は「国家の連合体」にすぎなかった。主権はあくまで「13邦」にあるので、徴税権・常備軍保有権・通商統制権は、すべて「邦=ステーツ」に与えられた(p250)
・1787年の北西部領地条例では、領地から、邦・州に昇格する規定を定めたもの。領地は、その地区の住人が5000人を超えた場合、自治議会の設置が認められて「準州」となる、そこに住む成年男子自由民の数が6万人を超えると、州に昇格して、独立13州と同等の権利が与えられる(p253)
2016年11月5日作成 -
インディアン自身、「ネイティブアメリカン」という表現をあまり好きでない。インディアンで良い。
ごく初期の探検地、ロアノーク島。(エリザベス時代)
ロアノークは縁起が悪いということで少し北のジェームズタウンに(ジェームズ1世) -
中学、高校、大学と歴史について、熱心に学んだことがなかったので、ぜひ学び直したいと思い、いい本を探していました。
そこで、本書(「世界史劇場」シリーズ)を見つけました。
イメージ図(地図)があるので、大変わかりやすく、読みやすかったです。
「世界史劇場」シリーズの他の本も読んでみたいと思いました。 -
河合塾の先生による、アメリカ大陸の「発見」から植民地建設、イギリスとの対立、フレンチ&インディアン戦争を経て独立戦争、独立宣言、合衆国憲法が出来るまで。この本を読めば、「今まで学校で習ってきた『歴史』がどれほど『勝者が語る歴史』だったかを思い知らされることにな」り、「『過敏反応(アナフィラキシー)』を起こすか、『心眼』が啓かれるか」(p.4)という本。
確かに歴史は後世から振り返って構築されるものだから、どこからの視点でどこに重きを置いて語られるかによって、全然異なったものになるということは分かっているつもり。けど、随所で「アメリカ=白人の国=悪、野蛮…」の図式が強調されすぎているような気がする。言いたいことはとても分かるけど、そこまで強調しなくても、というような感じで、好き嫌いは分かれるかもしれない。まして「これが真実だ!」のように言われると、週刊誌じゃあるまいし、と思ってしまう。
各章のはじめには地図と「てるてる君」というキャラクターが活躍する「パネル」が用意されていて、そのパネルを参照しながら読んでいく形式。パネルで全体像を把握しながら読み進めていくのは分かりやすいし、後でパネルの絵を思い出すことで頭にも入りやすい構成になっていると思う。ページ数の割にすぐ読めてしまった。アメリカ史の続きのバージョンができたら読んでみたい。(14/05/18) -
アメリカがいつも掲げる「正義」の裏と表を知るためには、この国ができたときを振り返る。
きれい事だけでない本当の歴史。
わかりやすい内容で、インパクトは強烈です。