世界史劇場 正史三國志

著者 :
  • ベレ出版
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本棚登録 : 83
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860645168

作品紹介・あらすじ

「まるで劇を観ているような感覚で、楽しみながら世界史の一大局面が学べる」シリーズ第10弾! 本書では、一般に知られている小説『三國志演義』ではなく、その元となった史書『三國志』(=正史)に沿って、史実としての三國志を学びます。序章で三國志をしっかり理解するための様々な背景知識を整理し、1~6章で『演義』と『正史』の違いにも触れながら、臨場感あふれる解説で後漢末期から晋の統一までを描いていきます。さらに見開き36枚もの地図パネルと、本文中には各登場人物の解説を盛り込んで、読者の理解を後押します。『三國志』が好きな人はもちろん読んだことがない人にもおススメできる全472頁の決定版! 本文対応年表と人名索引付き。

感想・レビュー・書評

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  • 本書を読む前にちくまの正史三國志を読んでしまっていたのだが、本書を読んでからそれを読めばよかったと思えるくらい、分かりやすく、三国志の歴史の流れがすっきりと理解できる内容だった。

    特に良いと感じたのが2点。

    1点目は序章での三国志の基本知識の解説。

    三国志の歴史の大体の流れと細かいエピソード、これは本書を読む前から十分理解していた。しかし州や郡といった行政の区の単位や牧、司徒、各種の将軍等の役職等、三国志関連の書籍を読むと必ず目にする用語を全く理解していなかった。

    しかし本書は序章でそれらをわかりやすく解説しており、これによってなんとなくで理解していた内容(特に序盤の黄巾の乱から董卓討伐のあたり)をより深く理解することが出来た。

    2点目は簡易な地図の活用による位置関係のイメージしやすさの向上。

    各項の最初にデフォルメ化された簡易な地図を示し、本文で登場する各地点の位置関係及び各軍の概略の侵攻方位等を示すとともに、本文でその地図上での位置を座標で簡易に参照できる形にしており、これにより各種戦闘等の流れ・推移を、具体的にイメージしながら理解することが出来た。

    文書中に地図を示す書籍は他にもあまたあるが、地図上の座標(A-3等)を本文で示すことにより、本文で言及されている内容の理解しやすさが格段に向上していた。

    以上のとおり非常に良い本であったが、1点だけ難点があった。

    著者の主張が若干強く、人物の評価が解説ではなく、決めつけに近い内容となっている部分が多々見受けられた。内容的には同意できる部分と同意できない部分がああったが、同意できるできないに関わらず、著者の主張を述べるのではなく解説に徹してほしい気がした。

    まあ本書の価値を損なうほどではないが、後半になるほど個人的には余計と感じる主張が目に付くようになり、良い本だっただけに少々残念に感じた。

  • 2019年1月15日読了。

    452ページ。

    北方謙三の三国志を読了し、脚色されていない三国志を知るべく読む。
    北方謙三 三国志は主人公が章や節ごとに分かれているので、劉備善人、曹操悪人ではないが、基本は劉備に感情移入しやすいように書かれている。

    史実を知ると「劉備、結構しょっぱいじゃん」となり、「やっぱり、すごいのは曹操なんだな」と思う。

    本書は砕けた論調と、読みやすく楽しみながら歴史を体験し、知ることができる。

    「世界史劇場」としては、「第一次大戦」や「イスラム」「日清・日露戦争」「ナチス」などもテーマにしているので、他の歴史も体験してみたい。

  • あなたは本当の「三国志」を知っていますか?
    「三国演義」を元に脚色されたストーリーではなく、史実をわかりやすく追及した本です。
    ゲームや本で「三国志」に触れたことがある方にも、新しい発見をすること間違えなし。

  • 【投票者イチオシ】知っている人も知らない人も見て読んで楽しいhttps://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001111448/?lang=0

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著者プロフィール

河合塾世界史講師。世界史ドットコム主宰。ネットゼミ世界史編集顧問。ブロードバンド予備校世界史講師。歴史エヴァンジェリスト。
1965 年、名古屋生まれ。出産時、超難産だったため、分娩麻痺を発症、生まれつき右腕が動かない。剛柔流空手初段、日本拳法弐段。立命館大学文学部史学科卒。
教壇では、いつも「スキンヘッド」「サングラス」「口髭」「黒スーツ」「金ネクタイ」という出で立ちに、「神野オリジナル扇子」を振るいながらの講義、というスタイル。
既存のどんな学習法よりも「たのしくて」「最小の努力で」「絶大な効果」のある学習法の開発を永年にわたって研究し、開発された『神野式世界史教授法』は、毎年、受講生から「歴史が“見える”という感覚が開眼する!」と、絶賛と感動を巻き起こす。
「歴史エヴァンジェリスト」として、TV出演、講演、雑誌取材、ゲーム監修など、多彩にこなす。「世界史劇場」シリーズ(ベレ出版)をはじめとして、『最強の成功哲学書 世界史』(ダイヤモンド社)、『暗記がいらない世界史の教科書』(PHP研究所)、『ゲームチェンジの世界史』(日本経済新聞出版)など、著書多数。

「2023年 『世界史劇場 オスマン帝国の滅亡と翻弄されるイスラーム世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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