「ゼンカイ」ハウスがうまれたとき

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  • 王国社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860730321

感想・レビュー・書評

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  • 私の短い建築人生の中で最も強く共鳴した本だった。私がぼんやりと考えていたことを宮本さんは鋭く切り込んで明確にそして適切に言語化していた。心のもやもやが晴れた。この本に出会えて良かったと強く思う。
    また、宮本さん自体が面白い方だということがなんとなく伝わってくる本だった。
    ただ、宮本さんの建築作品についての理解はこれ一冊では物足りないところがある。(おそらく私個人の理解力が乏しいだけだが)

  • 「「モノとはコワレルものなので修復して使う」というのと、「モノとはコワレないものだから、もし万が一コワレたらそれはもうモノではない」というふたつの思想の違いがもたらす結果はあまりにも隔たっている」49

    「あらゆる建築は住宅のようにつくることが可能だ」62

    「<住宅>というビルディングタイプでは、その使用者である<家族>の側の輪郭が不明瞭になることで、前提ごと一挙に瓦解しつつあるように思われる」63

    「安全性の水準をどのように誘導していくかは、本来、文明のグランドデザインに関わる重要な問題であるはずだ。~現代ではそこに費用対効果、リスク対快楽という二つのバランスマネジメントを軸とする、安全と防災のゲーム化とでも呼ぶべき現象が見てとれる。~究極の都市防災対策とは、都市を解散、消滅させることである。~防災というゲームが先鋭化して総合的な視点を失えば、結局、最後は都市解散という極論に行き着くしかないだろう」149

    「人はなぜ山に登るか?「そこに山があるから」などでは決してない。理由はあまりにもはっきりしている。それが危険だからだ。~人間は本能を喪失した結果、過剰を蕩尽し、常に快楽を更新することでようやく生存している危うい生き物であることを、忘れてはならない」150

    「建築の大きな機能のひとつは、ずるずるとフラットに広がる地表を適度に分節して、人や物にとって相応しい空間をつくることである」163

    mAAN(アジア近代建築ネットワーク)

    公費解体制度:厚生省所轄。「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づくゴミ処理対策を目的としたもの。結果的に未だ利用可能な建物の解体を助長

    関東大震災後にバラック装飾者

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著者プロフィール

慶應義塾大学 環境情報学部 専任講師
専門:台風・対流・数値シミュレーション

「2018年 『台風についてわかっていることいないこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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