パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学

著者 :
  • クレヨンハウス
4.17
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本棚登録 : 1353
感想 : 124
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861013430

作品紹介・あらすじ

脳研究者・池谷裕二さんが、娘さんの4歳までの成長を、脳の発達と機能の原理から分析し、子育てのコツとして惜しみなくご紹介!専門家だから伝えられる「脳科学の育児術」は、大人にとっても新しい発見があること、間違いなしです。

感想・レビュー・書評

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  • 脳科学から見た幼児の成長。この本では、0歳から4歳までの発達がわかります。8ヵ月では「ハイハイで世界が広がる」というように、筆者のお子さんの成長から、解説してくれています。私が幸運だったのは、我が子の成長のリアルタイムでこの本と過ごせたことです。子どもの行動について科学的に意味がわかりました。子どもってすげーって何度も思い知らされました。今思えばただの体力勝負になりがちだった育児をやりがいのある知的な時間にしてくれた本です。
    面白かったのは、脳は実際の体験と読書の体験の区別がつかないことです。だから、読書ってものすごく人生にとってお得なのかも……と思いました。

  • 脳科学者が書いた我が子の成長を見守る本。
    学者の知見と、親としての視点の両方が入ってて面白い。

    そして想像以上に、親成分が多くホッコリとしていた。
    そういうメカニズムなんだと知ることがあった。

    # 面白ポイント
    - 3歳までに神経細胞は、70%減る。その後は維持。
    - いないないばあ。6ヶ月より前は居なくなったと認識
    - モロー反射: 赤ちゃんの原始反射
    - 子どもだけが持つ映像記憶。= パズルの天才。
    - 全夫婦の75%は2人以上の子ども=>出生率の減少は独身者が増えたことが大きい
    - 4月のプロ野球選手は、3月の倍。東大の合格者は月影響なし。
    - 褒めすぎない。: 認知的不協和によって、好きだからでは無く、褒められてるからやるという行動原理にすり替わってしまうことがある。成果そのものを一緒に喜ぶのが吉!
    - 褒めすぎると、内発的動機を潰してしまうことがある
    - ネズミの学習実験: 報酬 > 報酬 +罰 > 罰の順番の学習効率だった。
    - 内面化が成立するまでの段階: 外発的強化>代理強化>自己強化
    - おもちゃを片付けないと、もう遊ばせない(否定的言い方)
    = おもちゃを片付けて、また明日遊ぼう!(肯定的言い方)

    - 笑顔で楽しくやろう!

  • 脳の仕組みを学ぶことは楽しい。人間の神秘に触れているような気がするからだ。

    池谷裕二氏の著書は受験脳に続いて本作で二作目。受験脳が良かったので手にとった。内容は0~4才までに起こる脳の変化について、氏の娘さんの成長を追いかけながら解説している。

    子育ては気がつくと感情的になってしまうが、どうして子どもがそういう行動をするのか分かるため、落ち着いて向きあえるようになる。

    お母さんにとってもためになるが、お父さんに是非おすすめしたい。お父さん向けの子育て本でなかなか興味を持って読めるものは少ないが、本作は比較的読みやすい内容だと思う。コラムから気になるところから読んでいくと更に読みやすい。

  • 面白かった!子どもの反応にこういう意味があったのか!子育て中に知りたかった気もするが、今だから余裕で見ることが出来る、とも思う。
    最終的に自分で考えて生きていけるように育てたいために、考えさせる、褒めて育てる事は忍耐力と時間がかかるが、結局は効果的なんだ、というのが印象的でした。
    小さい子の世話をする人すべてにおすすめです(^^)

  •  子どもも7ヶ月となり、そろそろ育児本でも読むかと思い見つけた1冊。脳科学のアプローチで子どもの発育、行動について解説してくれていて興味深かった。何事も理屈で生きてきた人生なので、直感的に理解が難しい子どもの行動を解説してもらえると安心できる。エッセイ的要素、学術的要素、How to的要素のバランスがちょうどいいので、どういった目的の読者でもリーチできる満足感があると思う。
     本著では4歳まで一ヶ月刻みで各月齢で何ができるようになったの半学術的、半エッセイ形式で書かれている。冒頭にエクスキューズとして赤ちゃんの発育は千差万別であり無闇に比べて一喜一憂しても意味がない旨が書かれていて安心した。これのあるないで印象はだいぶ違うと思う。
     育児をしていると大人にとって当たり前にできる一つ一つの所作ができるようになるまでに多くの時間を要することに気付かされる。今、離乳食を食べさせているのだけど、食べるのが遅いし機嫌が悪くなったりもする。ついつい自分の時間スケールで考えて「早く、元気よく、食べてほしいな」と思ってしまう。そもそも子どもに流れている時間と大人の時間が異なることを意識しないといけない。こんな当たり前のことも知識として体得していないと、気づくことができずストレスになってしまうので読んで学ぶことで各現象に対して多少おおらかに対応できるようになって助かった。

     本著の一番素晴らしいところは、赤ちゃん、子どもの行動を説明する際にほとんどすべてに参考文献が記載されている点。著者は大学教授なので当たり前なのかもしれない。しかし子育て周りの情報は迷信含めて定性的、定量的な検証結果に基づいて説明されていないことが非常に多いので、このように第三者のデータで論拠を補完してもらっていると信用できる。(文献を全部確認したわけではないので、とんでもデータの可能性もゼロではないが、感覚の暴論よりは良いはず…)子どもの行動を脳科学ベースで説明されることで人間のスペシャルさが際立ってきて、脳のその特殊さに驚くこと山の如しだった。
     著者の育児方針やHow toも書かれており、このあたりは人によって意見が異なるところだと思う。早期教育で知識を身につけさせることを否定はしないが、それよりも知恵、つまり考え方のベースを身につけさせることが重要、というのは刺さった。ちなみに文章全体に(汗)や(笑)が多用されており個人的には無くて良いのになーと感じた。とはいえ4歳までは場面場面でお世話になるだろう1冊。

  • 全体を通して、親の子に対する眼差しや、さまざまな物事に対する考え方の姿勢(子どもの写真入り年賀状の是非、とか)が暖かく、面白くとても楽しく読めた。一方で、マシュマロ・テストの合格を目指すエピソードは読むと「こういうことやってあげたほうがいいのかな…でもそんなに一貫してできなさそう…」と思考がぐるぐる。人を育てる、人と寄り添うことのむつかしさよ。

  • 子どもの成長に毎日目を細めている身からすると、子どもの発達に、脳の発達という観点が加わるとこんなに新鮮なのか、と思わされる。脳の発達という観点から見れば、うそをついたり、失敗を隠したりといった、一般にはよくないことかもしれないことも、成長の証となる。それに、我々が当たり前だと思っていることも、子どもにとっては当たり前ではなく、成長によって身につけることであるということも。例えば、子どもがどこが痛いかわかる、ということも、脳からすれば当たり前のことではなく経験から身につけなければならないことだったりするのである。子育て中の親として、読んだ方がいい、と思える本であった。

  • 生まれた時は殆ど何も知らない脳がどのような過程で自分や周りの世界を理解していくのか?
    おなじみの池谷さんならではの視点で楽しく語ってくれている。
    小さな子どもの不可解な行動や考えていること、池谷さんに言われると妙に納得してしまう。

  • 脳研究者で薬学部の大学教授が自身の子どもの0歳から4歳までの成長を綴ったブログをまとめた一冊。薬学部で脳研究というと解剖でもしてそうなイメージですが、どちらかというと心理学とか行動科学的なものも含んだヒトの脳機能だとか発達に関する研究を専門にされているような雰囲気です。子どもが生まれてから少しずつ世界を認知し人間(ヒト)になって成長していく過程を、吾子の行動を通して専門家らしく蘊蓄盛りだくさんで紹介しております。「子育てブログ」+「脳発達に関する蘊蓄」+「コラム」という体裁で、子育てブログの部分は、自分の子ども自慢かと鼻白む部分も多いのですが、4歳ぐらいまでの子どもを育てている人には参考になることも多いと思う。個人的にはむしろ「コラム」の部分の方が一般的なお話しなので面白かった。少子化は夫婦が子どもを生まなくなったのが原因ではなく、生涯結婚しない人が増えたからであるとか。著者によると、早期教育にはあんまり意味は無く、3歳ぐらいまでにいろんなリアルな経験をさせてあげることが重要なようです。教育とは「親がいなくても一人で立派にやっていけるように導く」ことのようで、自分で考えて行動できるように導きつつ、社会性をしつけるのが大事とのこと。虐待や育児放棄をするような親に対して、子どもが通常より愛着を示す、というのも勉強になった。はそうしないと子どもは生き残れないということがDNAに刻まれているようです。注意したい。

  • 著者の池谷裕二氏(1970年~)は、『進化しすぎた脳』、『ココロの盲点』などの脳科学に関わる一般向けのベストセラーも持つ、脳研究者。
    本書は、結婚11年で長女を授かった著者が、生まれてから4歳までの娘の成長の様子を、脳科学者の視点から綴った記録である。初出は、落合惠子主宰のクレヨンハウスの育児雑誌「月刊クーヨン」の2013年8月~2017年7月の連載「脳研究者パパの悩める子育て」。
    脳ブームとも言える近年、脳科学者による著書は一般向けのものでも数多あり、私は、そうした中の数冊の本と、心理学・生物学などの一般書も多少読んできたが、人間の脳の働きを、実際の人間(赤ちゃん)の脳の発達の記録を通じて、これほど身近なものとして表した本にお目にかかったことはなかったように思う。
    読後の感想は「楽しい!!!」の一言。パパの子育ての奮闘ぶりが、飾ることなく綴られており、わくわく、どきどき、はらはら、もんもん、うるうる。。。まるで、自分が一緒になって子育てをしているような気分である。そして、そこに、一つ一つの反応や発語や動作について脳科学的な意味・分析が付されており、なるほど!と思わせてくれる。
    子育て前の世代にも、子育て中の世代にも、子供が大きくなった世代(私はこの世代)にも、それぞれに楽しめる良書と思う。
    多数の挿絵もとても愛らしい。
    (2017年11月了)

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著者プロフィール

監修:池谷裕二
脳研究者。東京大学大学院薬学系研究科薬学専攻医療薬学講座教授。薬学博士。一般向け書籍の累計発売部数100万部超え。

「2023年 『3ステップ ジグソー知育パズル どうぶつ だいずかん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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