鯨捕りよ、語れ!

  • アートデイズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861190896

作品紹介・あらすじ

大捕鯨時代が終わろうとする1980年1月、C・Wニコルは日本の捕鯨船で南氷洋へ赴いた。ベストセラー歴史小説『勇魚』(鯨の古名)はこの時、船上で完成した。作家としての原点となった三ヶ月に及ぶ鯨捕りの男たちとの生活を綴った小説風ノンフィクションの力作。

感想・レビュー・書評

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  • 捕鯨に密着した著者の体験記です。捕鯨の様子が詳しく書かれていて興味深いです。クジラを殺す際の生々しい描写は衝撃的ですが、捕鯨の実態やそれにかかわる人の心を知るにはいいと思います。あと、船内で鯨を食べる場面がおいしそうでした。

  • ほかに食うものはそれなりにあるんだから、わざわざ鯨を食べなくてもいいだろうと思う。子供の時分にさんざん鯨を食べた世代だから、あの茶色と白と赤の鯨のベーコンをもう一度かじってみたいと思うことがないではない。でも鯨やイルカの生活史をそれなりに知った今では、正直そっとしておいてやりたいと思う。水族館で見世物にするのも反対だ。日本の文化がどうこういう人がいるけれど、そういう人は基本的に信用しないことにしている。ちょんまげでもしていれば別だけれど。

    その一方で、鯨は駄目だけどニシンはいい、鴨や鹿は狩って食っていい、という理屈はやっぱり釈然としない。このあたりは感情論ではなくてちゃんと意見を聞いてみたい。C・W・ニコルはどこでも同じことを聞かれてうんざりしているらしく、本書の中にいわゆる欧米型の反捕鯨論の解説はないが、ここは書いて欲しかったな。
    鯨が減ってしまったからなのかな。では鯨が増えたらシーシェパードも捕鯨を認めるのだろうか? 鯨の養殖場ができたらOKなのだろうか? なんかあまりそういう気がしないのだけれど。

  • 「捕鯨」について、ニコル氏の意見が書かれている、訳ではない(多少、触れている)

    ニコル氏が執筆した小説「勇魚」が産まれるまでの経験談、と言った風

    日本の捕鯨男達のカッコよさについて、繰り返し言及されている

  • 出版されたのは2007年7月で決して新しい本ではないが、最近の捕鯨問題を理解する一助になる。また、改めて『勇魚』を読もうと思った。

  • 著者の、各地の伝統・文化や環境に対する深い敬意が感じられる内容。捕鯨やイルカ漁に関わる人々に対する思い、それに反対する組織・団体とのやりとり、そしてウェールズ系日本人としてどちらにも理解を促す姿勢…これらをごくごく個人的な感情・経験(家族との不和、自身の経歴など)と並行させ語ることで、より読み手に深く訴えかけている。
    捕鯨文化を複雑にしているのは、著者も含めて関わる全ての人が葛藤や矛盾を抱えていることだろう。もはや日本人でさえ葛藤や矛盾なしにこれを語ることはできない。

    だが文化に対する葛藤や矛盾は世界中どこにでもある。
    一方の価値観をただ“感情的に”押しつけるのではなく、このように実体験として熱く語ることができれば、もう少し異文化理解も進むのではないだろうか。
    心は熱く、頭は冷静に、の好例。

  • 平成21年10月19日読了。

  • 最近また「シーシェパード」が捕鯨調査船に対して嫌がらせをしているそうです。
    ※シーシェパードは米国FBIから「エコテロリスト」と認定されています。

    この本を読んで私の考えは大きく変わった様な気がします。
    以前は捕鯨は絶対必要だ!と目くじらを立てていましたが、捕鯨反対国との妥協点を見いだせないのだろうか?と何となく思う様になりまいた。

    ただ強固に反対している豪州等は牛肉消費を押し上げたいためにシーシェパードを操っている事や反捕鯨は偏見だらけの反日運動になってしまっている様なのでまだまだ難しいとは思いますが。。。

    C.W.ニコル氏は食とお酒が大好きな様で食のシーンがよく出てきます。鯨の心臓もとっても美味しいそうです。ホント鯨は捨てる所がないのだなぁと。

    最後の言葉に納得させられました。
    「二十世紀を迎えた今、クジラにとって最大の脅威はもはや捕鯨船ではない。それは化学物質による汚染や騒音公害、地球温暖化による環境破壊だ」

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著者プロフィール

C. W. ニコル:1940年、英国南ウェールズ生まれ。95年、日本に帰化。英国女王より名誉大英勲章を受章。ナチュラリストとして長野の黒姫山を護り、ウェールズ地方の森林保護運動と連携して「(財)C. W. ニコル・アファンの森財団」を設立。著書に『15歳の寺子屋 森をつくる』など多数。

「2018年 『BIOCITY ビオシティ 75号 東日本大震災、復興の光と影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

C.W.ニコルの作品

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