ジュテーム、カフェ・ノワール (Dariaコミックス)

  • フロンティアワークス
4.04
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本棚登録 : 2141
感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861343490

感想・レビュー・書評

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  • 日常系ホモの短編集。ストレートな恋愛至上主義の少女漫画的BLではないのでBL好きの方でも好みが分かれそうですが、こういうBLもあるのか…とは思えそう。
    直接的なイチャラブとかエロスが読みたい人には向かないです。日常に溶け込んだドラマ中心。正直この単行本のBL要素は添え物程度だと思う。


    『ラ・カンパネラ』
     モノローグとか考え方はヤマシタトモコキャラという感じですが、案外ふつうのBLっぽい。でもキャラとか台詞はやっぱりヤマシタトモコ。
     日比谷…友達できてよかったね…って思わず生温い目で見てしまった。美形なのに童貞で不慣れとか言われて友達いないとか(笑)

    『こいのじゅもんは』
     じゅもんっていうと、ケセラセラしか思い浮かばない貧相な脳みそです。
     台詞のテンポとやりとりがほんとに上手いな…って思います。それと妙なリアリティ。
     本物のゲイの方とか、本来は女性を好きなのに男性を好きになってしまった男性とかが、一般的な性指向の男性に思わず気持ちを打ち明けてしまってもここまでポジティブな展開にはならないでしょ…とは思うのですが、なぜか現実的なものを感じてしまいます。ヤマシタさんらしい独特な言い回しとかをしていてもなぜか。
     あと、これって明確になってはいないですけど、やっぱり黒髪の人が受けなのかな…と思ったり。

    『サタデー,ボーイ,フェノミナン』
     え、それでいいの!?と、結末を読んで思ってしまった。一応ハピエンだと思いますが。
     きっと桐谷を傷つけたぶん、三浜も後悔とか後味の悪さで苦しんだのかな…とは思いましたが、このままどうしようもない方向に行くのかと思いきや、ふつうにやり直す方向にまとまったので驚きました。個人的には不完全燃焼。
     しかし、(痛々しいですが)思春期の残酷な部分の描写はやっぱり秀逸です。

    『魔法使いの弟子』
     個人的にこの作品に★5を付けてます。BLとは言えないかな…と思うのですが、やっぱりこの方の描かれるゲイ(のオジサン)と少女は萌えすぎる。あと表情の描写がとても好き。
     ファンタジックな話ですが、絵本的な要素に少し憧れます。それと、やっぱりヤマシタさんの描かれる少女はサッパリしてて逞しいですね。
     こういうかたちでひとつの恋に終止符を打つ描き方がBL(一応)では珍しい気がする。大抵昔の恋を忘れさせてくれる新しい恋の相手が登場するイメージなので。
     完全余談ですが、描き下ろしの「魔法使いので。」のチャラい男が(受けとして)好みすぎてたまげた。しかしこういうキャラをヤマシタトモコ作品(ホモのしかも受け)で見ることは絶対にないと思った。残念なことに。

    『cu,clau,come 食・喰・噛』
     やっぱり独特なアプローチの仕方が好きです。確かに仄かなエロスを感じる。
     現実的な離別っぽくて切なかった。終始静かな話でしたし。好きという想いだけで現実的な問題が解決するとは限らないというリアリティ。
     人間の三大欲求はだいたい同じ感覚がすると思う。

    『ワンス アポン ア タイム イン トーキョー』
     電車の閉鎖的な物悲しさとノスタルジーをとても感じる。高校生時代の会話がかわいくて愛しい。

    『ジュテーム、カフェ・ノワール』
     やー笑いました!カフェ・ノワールに行ってみたい。常連になってしまいそうだ。とりあえず店員二人をガン見の方向で。
     会話の応酬とか、ほんとにおもしろい。特にメッセージ性のある話ではないのだけど、日常的なやりとりとかくだらない会話に笑ってしまう。「なにトンチキなことぬかしてんのよ あんた!!」って、なにその絶妙なタイミング(笑)ありそうで怖い(笑)
     わたしも性格悪い人間だな…。というかこの方は人間観察とか人間の特徴とか捉えて漫画で表現するのがほんとに上手いと思います。少しくらいありえないことが起こっても、台詞や行動でリアリティを感じてしまうことが多いですし。
     涙の止まるコーヒーです。←そりゃあ笑うしかない。

  • 最後のお話がほんともう秀逸。久しぶりに漫画で吹いた。
    作者さんはほんと人間が好きな方なんだろうなと思わせる、ちょっとピリッとスパイシーな会話とかあったかい空気とかにいつのまにかはまってしまう。

  • 表紙になってる最後のこの話がおもしろいから☆5

  • 特に「クー・クラウ・カム」は最高。

  • 涙の止まるコーヒーです
    それ以外はわりと普通?面白いけど

  • ヤマシタさんは作家買いするほど大好きだけれど、
    BLだと思ってなくて未購入でした。
    ぱらっと中身見てびっくり、BL(ML?)やん!となり購入。

    短編集だというのに、読了後のこの満足感たるや
    さすがとしか言いようがないですね。
    どの話も大好き&ツボすぎます!

    ただ表紙から、BLだと思わずに購入してしまう人も
    いるんじゃないカナーとか。むしろそれ狙いかな。笑

  • 短編だけど、もー表題作だけで★5つ!!
    このカフェ、スッゴい愛おしい空間だわ。
    隅っこで良いのでその場に居合わせたかったよ(笑)

    ヤマシタさんのセリフ回しとかモノローグは、たまに自分の中にストンと落ちる。
    世の中にはいろんな色恋沙汰が氾濫してるけど、端から見てどんなにチープでも、そのどれもが当人たちには重要で滅多にない人生の一大事なんだよね。
    タタタッとよく働くサービスのプロがとてもツボで癒やされた(笑)

    収録作は【クー・クラウ・カム】が好き。
    作ったモノを食べてくれる人が居るって幸せな事なんだよね。

  • ヤマシタさんの作品はどれも好きなんですが、これを代表として登録。
    明るくておバカっぽいのから、シリアスダークなものまで、構成や内容、タイトルに要素と好みというか趣味が非常に合う作家さんです。考えに共感出来るのかな。男らしい人を女っぽい扱いをする感じとか、男同士のセックスは暴力に置き換えられるとか。ですよね…!と思う。
    ていうか、最初の印象としては、おバカっぽい話の人と思っていた…(※けなしているのでは決してありません)ので、シリアス系のをコミックスで読んだ時はびっくりした。振り幅が広いので、傾向で纏めて欲しいなあ。ギャグっぽい中にシリアスが混じってると結構やられます。これに限らず、近頃の(と言える程読みはしないんですが)BLのコミックスって、オムニバス系の物はとりあえず溜まったら本にしちゃおう感がある気がする。別に良いんですが、ストーリーに差がある場合は微妙ですよねえ…。編集も大してされてないので読みにくい…編集者のいる意味がわからない。多少時間はかかっても、きちんと傾向ごとに纏めて欲しいものです。

    このコミックスに関して、食事風景がえろいってのは結構皆同意してくれると思うのですが(直接的なえろではなく、官能的という意味。綺麗な人が食事しているだけのDVDがあったら良いのに、と言ったら引かれた記憶はある)、京急蒲田から羽田までの駅名が素敵・可愛いと言う意見に同意された事のなかった私としては、このコミックスに嬉しさを感じるのでした。

    一番好きなのは、収録されてるのは違う単行本だけどスピカのやつ。あれは視覚的なものでしか表現出来ないと思った。次点はオケの人の話。タイトルをきちんと覚えていなくて恐縮です。

    出て来るネタが微妙に古いのがなんか面白い。
    詰まるようなモノローグが独特。あと、若干荒んだような男の人の顔が好き。

  • 魔法使いの弟子とcu,clau,comeと、ジュテーム・カフェ・ノワールが好き。
    「ものを食うさまはえろい。」勉強になります

  • 表題作と、「魔法使いの弟子」が特に好きです。ヤマシタさんの本で一番好きな本かもです。

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